ヒーローの日課
自宅を出たら業務開始
特に大きな事がなければ1日パトロールで終わる事もある
けど何もなければヒーローいらなくない?ってなるよね?
平和が一番なのに何もなければヒーロー達も手持ち無沙汰 皮肉なもんだ
ヒーローは僕の他にもたくさんいるから基本的には各々いつものルートを巡回
いつも通るルートだから異変があればすぐ気付く
「むっ?」
ここらへんでは見かけない奴らだ 大きな空のバッグ
胸の膨らみ
怪しいな 念の為つけてみるか
これは僕と会社のボスとで作った専用デバイス
様々な機能の一つ ボタンを押せばあら不思議
透明化できる
どうやらつけて来て正解のようだった
宝石店に入ってたぞ
「店のもん全部入れろ!動くなよ?」
「その机の下に手伸ばしたらどうなるか分かってんな?」
店員は震えながら要求を呑む
「これでしばらく遊んで暮らせるぜ」
走り去ろうとする盗人を正面から見据える
「お前 この銃が見えないのかよ?」
「見えてはいるが引さがる理由にはならないよ それにこういう時の僕だからね」
まずは銃から
ちょっと痛いけど自業自得さ
全員の引き金を引こうとしている指を反対方向に曲げる
思わず銃を手放す
すかさず銃を遠くへ弾く
「くそ! 全員でかかるぞ!」
「ふーっ 全くそろそろ昼の時間だというのに」
全員に一撃を浴びせ 縛りつける
「終わっ!」
背後から銃弾が飛んできた
別のビルの屋上からスコープがキラッと光る
「当ててやったぜ ヒーロー様も大したことないな
」
「いつも僕が特殊防弾チョッキを着てるからいいものの」
ちょうどいい お返しだ
縛り上げた盗人をハンマー投げのようにグルグル回していく
「俺達の事どうする気だ?」
「こうするんだよ!」
スナイパー目掛けて飛んでいく人間砲弾
「ん? 何か飛んできたぞ?」
「助けてぇ」
「俺のセリフだぁ!」
屋上にハデな音が響く
当たった、当たった
これに懲りたら悪いことはやめなさい
「一件落着! さて飯にしますか!」