奴隷商人屋敷にて
「それでは失礼します。」
カツカツカツ
男は椅子に座りながら先程悲報を聞かされ苦々しい顔をした。
男の名前は「ジョン=ホークス」
この建物の主でこのバーンズ国の裏世界を牛耳り奴隷商人を束ねる男だ。
盗賊団の次は猛獣?
去年の6月に発生した盗賊団による我が社に対する宣戦布告を受けて、損害を出しながらやっとの思いで盗賊団との戦争に完全勝利を収めたが、次は猛獣に襲われた。
比較的国境付近は獣も少なく猛獣被害は心配しないでいいと思っていたが、ここに来て猛獣被害があったとなると、隣のイソワール国で樹海とも言われている「バウラの森」を開拓して猛獣が森から国境付近まで避難している可能性もありうる。
しかし自分達の情報網にはその様な情報は引っかかっていない。
またバウラの森の中心地には大きなどす黒い沼があり、開拓してもあまり利益にならないのだ。
そこで男はまた考える。
「どうしたものかな?」
言葉に出したがその言葉を受け止める者はこの場にはいない。
いくつもの可能性を考えては取り下げてる。
一人も生きて帰ってこないことを考えると野営地に入り込まれて囲まれた可能性もある。
勿論走る速さでは獣の方が早いが誰も助からなかったとすると、獣の数は人間30人でやっと空腹を満たすことが出来る程の数であったという事だ。
分からない事だらけだが、ただ一つ分かっていることは国境付近に猛獣が出て野営地が襲われたという事だ。
まずは、仲間達の弔い合戦だ。
直ちに国境付近の猛獣たちを一網打尽にしよう




