200文字小説集 vol.2 突然の雨にはご用心(200文字小説) 作者: 日下部良介 掲載日:2021/09/01 迷ったのだけれど、傘は持たずに外出した。 戻る頃には空が真っ暗だった。 もう少しの間だけ降らないでいてくれ…。そんな願いも虚しく雨は降り始めた。そして、あっという間に土砂降りになった。堪らずすぐそばの軒先に逃げ込んだ。 「入って行きます?」 たまたま買い物に出たという若い女子社員に声を掛けられた。 戻ると彼女が手のひらを上に向けて差し出した。 「お安くしておきますよ」 まあいい。若い女性と相合傘出来たのだから。