#9 奇縁
過去編を終えて、第二幕が正式に今回から始まるんですが……
その割に「#6」から場面は地続きです。
そんなわけで前回までのあらすじ
「ムカついたから殴った」
「──お姉ちゃん」
──突如、背後から凍えきった声が響いた。
その声音に、さながら氷水を浴びせられたような震えが訪れる。世界の温度が一瞬にして氷点下まで降下して、本能が理性に緊急事態を告げていた。
──場所は学院の校舎裏。
突然の「襲撃」に対して、通りすがり(?)の知らない人の助力(?)も借りながら、なんとか間一髪で退けた──その直後のことだ。
刃物のように研ぎ澄まされた声の主が誰か、分からないはずもない。私のことを「お姉ちゃん」と呼ぶのは一人だけだし、そもそも聞き慣れた声だ。
フェアリラ・イド。
ただし、彼女のこんなに冷え切った声を耳にするのは久し振りのことだった。
うわー、めちゃくちゃ怒ってる。
それにしても姉様といいリラといい、私の姉妹って何でこんなに怒ると怖いんだろう。私なんて温厚で以下略。ボケを挟んでる場合じゃないね。
こういうときは、怒られてる理由を考えてそれを取り除くべし。雷が落ちるまでがタイムリミット。
でもまあ、今回は簡単だよね。
怒られてる理由ってあれでしょ? 私の目の前で腹を押さえて蹲ってる奴のことでしょ?
「その人が誰なのかも、ここで何があったのかも知らないけど、とにかく人を殴っちゃ駄目」とか、そういう話でしょ?
なら、この男に謝まるのが最適だろう。
まあ、そもそも私にも罪悪感はあるし……つい殴っちゃったけど、流石にやり過ぎだったろうし。
力加減を間違えたつもりはないけど、彼、まだ立ち上がらないからね。それに、一発殴ったらちょっと気も済んだ。
「ごめんね、殴っちゃって。あなたの態度とかその他諸々、ついムカついちゃってさ」
だから私は真摯に謝った。自分の非を認めて、頭を下げた。
それが人間として正しい行動だよね!
……そういうことを言うなら、最初から殴るんじゃない?
いや、仕方ないじゃん。なんかすっごくムカついたんだから。
しかし彼は、低い目線から私を睨みつける。棘のある、どころか茨みたいな声で口を開いた。
「それはひょっとして、謝ってるつもりなのか? それとも普通に煽ってるのか?」
「え、何が。ちゃんと謝ってるよ?」
「「嘘つけ」」
何を言ってるんだと呆れていたら、返ってきたツッコミがまさかの二重奏だった。
生意気な変態男(名前が分かんないから、仮称を決定)だけじゃなく、少年君までもが私を責めるだなんて。味方だと思ってたのに、裏切られちった。
「学年については一応先輩だとはいえ、俺もそろそろ敬意とか払えなくなってきましたし……これでも大分堪えた方だと思いますけど。まだ形だけでも敬語を取っていないだけ、マシだと思ってください」
「そこの一年、もう敬語も取って良いと思うぞ。こんな奴を先輩と思う必要もねえから」
「何よもう。私はちゃんと謝ったっていうのにさ。簡単に許すのも違うかもだけど、それはそれでどうなの?」
「『それはどうなの?』は、完全に俺たちの台詞ですって。あれで『ちゃんと謝った』って言えることが、もう怖いくらいですし……あれはもはや、ただの煽りでしたからね?」
「こいつ、もしかしなくても、今まで一度も誰かに謝ったことない人種なんじゃねえの?」
酷い言われようだ。
私だって人に謝ったことくらいあるわ、リラとか姉様とかに。それがかなり珍しいことだってのは確かだけど。
「とにかく、待遇の改善を要求──」
「「は?」」
……はい、ごめんなさい調子に乗りました。
「いや、正直なところ、誇張じゃなく私が悪いんだってことはちゃんと分かってるんだよ? 少なくとも、深い意味もなく殴ったことについては。
だけど、なんかこう……だから変態男に謝らなきゃいけないんだって思うと、今までに感じたことがないくらい、すっごく嫌だなって。
こんな気持ち初めて……。
ひょっとして、これが恋?」
「それは奇遇だな。俺もお前に対して、実はこれまで誰にも感じたことのないくらいの嫌悪を抱いている。恋かもしれないな」
おっと。額に青筋まで浮かべちゃって、まあ。
しかし、そっかー。初めて見たときから彼のことをなんとなく嫌いな私だけれど、似たようなことは彼の方も思ってたんだね。
いやー、多少の罪悪感もあったんだけど、それならお互い様ってことでいいよね。解決!
「いや、『なら良いよね!』って顔してるところ悪いですけど、先輩──えっと、」
「ディルグ・アンスラントだ」
「失礼。ディルグ先輩の『嫌い』は、ここまでの会話を見てたら理由が嫌ってほど分かりますからね? なんとなく嫌い、みたいな曖昧なのと一緒にしちゃ駄目なくらい理に適ってますからね?」
しれっと変態男の名前が明らかに。しれっと。
そして少年君。それって、何が言いたいわけ?
「私がディルグ──妙に言いにくいな。もう面倒だからディルで良いや──ディルに嫌われてるのは、他ならぬ私自身の行動のせいってこと? いやいやまさか。そんなわけないじゃん」
「その、まさかってほどでもない『まさか』です」
「えー、嘘ー」
「反応が白々しいですよ。絶対にちゃんと自覚あったじゃないですか」
でも私、嫌われるようなことした? ちょっと心当たりが無いんだけど。
「単に意味もなく殴って謝らなかっただけじゃん。そんな大したことでもないでしょ?」
「充分過ぎるだろ。『単に意味もなく殴って謝らなかっただけ』って、逆に相手を怒らせない要素がどこにも見つからねえよ」
「でも、許して大きな器を見せるとこでしょ?」
「だったら、お前はその状況で許すんだな? 初対面の奴にいきなり理不尽に殴られて、そいつが謝らなかったらどうするんだ?」
「うーん──満面の笑みで感謝の舞を捧げるかな」
「そういう小ボケ、今は良いですから」
「実際に殴ってやりたくなってきたな……」
この度は誠に申し訳ございませんでした。
今度はちゃんと謝った。東洋に伝わるという究極謝罪奥義、土下座で(クロが教えてくれた)。
「──お姉ちゃんたちは、さっきから一体何の話をしてるんですか?」
「へ?」
やっばい、リラがいたの忘れてた。妹の前で土下座しちゃったじゃん、姉の威厳が消えちゃった。
え、でもまだ怒ったままなの?
何で? ディルに謝った(?)からもう大丈夫だと思ってたのに。
ディルも少年君も、この土下座を見て許してくれたっぽいのに……単に諦められただけな気もするが。
しかし、リラは冷たい声のまま私に問う。
「お姉ちゃん。そもそもどうしてリラがこんなに怒ってるのか、ちゃんと分かってますか?」
え、そう言われるってことは、私の想像してたのとは違ってたってことなの?
しかも状況的に、この問いにちゃんと正解しないと余計に怒られる感じだよね?
そう思うと絶対に外せないんだけど……でも、リラを怒らせるようなことしたっけ?
「はい。ディルグ先輩? やグランと談笑するよりも先に、謝らなきゃいけないことがあるでしょう」
談笑って。そんな和やかムードに見えた?
えー、本当に何だろう。
「フェアリラの口から俺の名前がちょっと出かかったことについては、スルーなんですね……もう名前知るつもりないじゃないですか」
少年君は黙ってて。残念だけど、今は君に構ってる余裕がないんだよ。
それに君とリラが知り合いだとかそんな設定、さして重要じゃないでしょ。
だから無視だ。
「重視しろとまでは言いませんけど、せめて軽視はしないでくださいよ……」
いやだって、言われなくても大体想像付いちゃったんだもん。
「どうせあれでしょ? 昨日リラが言ってた『席が近かった人と相棒を組んだ』ってのが少年君のことなんでしょ? はいはい、世間って本当に狭いね。偶然って怖いね」
「こんなに理不尽に怒られることあります? 今の会話に俺が責められる要素とかありました?」
「そんなことより、訊きたいことがあるんだけど。グラン」
「正確にはグラング・エクステリアと言います。グランってのは渾名みたいなもので……とか含めて色々と突っ込みたいところなんですが、何ですか?」
もう諦めが早いね。お疲れ様。
「君は分かる? リラが怒ってる理由」
「俺はまだ、この生物がフェアリラの姉だってことを飲み込めてないくらいなんですけど……」
「生物」
「テルミラ先輩の聞き違いです」
嘘が下手だね。それで誤魔化せるとでも?
てか私、名乗ってたっけ?
「話はフェアリラからよく聞いてますから。テルミラ・イド先輩、でしょう?」
リラが私のことをどんな風に話してるのか、知りたいような知りたくないような。
或いは、話を聞いてた相手の実物を見た感想とか。
あ、そっちは普通に聞きたくないね。
「で、フェアリラが怒ってる理由は分かりませんけど……目の前で堂々と俺に意見を求めたせいで、今この瞬間に怒りが増したってことは分かります。俺、逃げていいですか?」
「だめ。怖いもん。絶対に、逃さないからね」
「ちょっと可愛く言っても嫌ですよ」
「ちょっと可愛かったんだ……」
別にそんなつもりも無かったんだけど。
「それに、怒ったフェアリラが怖いって気持ちは俺にもあるんです……」
「え、怒らせたことあるの? 出会ってからまだそんなに経ってないはずでしょ?」
「出会って数分で腹を殴ってきた奴もいたがな」
外野がうるさい。謝ったんだから蒸し返すな。
それでそれで、リラが怒った理由って何なの?
「さっきテルミラ先輩が怒ったのと、理由としては同じですよ。流石姉妹ですね」
さっきの私と同じ? それって──
「──なんとなく?」
「そっちじゃないです……相棒の結成を申し込んで断られた、の方ですよ」
はー、なんか気持ち分かるわー。仕方ないよね。
「にしても、少年君が断ったのは意外かも」
「そうですか?」
「だって、意思弱そうだし。頼まれたら断れずにずるずるといっちゃいそうな感じ」
「ただの悪口ですよね、それは」
まあ本当に意外なのは、リラの方だけど。
「席が近かったから」とか言ってたけど、断られたら怒るだなんて、本当は少年君と組みたかったってことなんじゃない?
面白いから黙っておこう。にやにや。
「──それで、お姉ちゃん。リラが怒ってる理由は分かりましたか?」
たぶんね。いや、これかもってのは最初から思い付いてたんだよ(言い訳っぽいね)。
あれだ、約束の時間になっても来なかったから。そもそも待ち合わせしてたんだから、それで怒るのも当然だよね。
いや、私も悪いと思ってるってば。「さっさと片付ければ大丈夫でしょ」なんて思って噴水広場を離れたわけだけど、正直に言って、こんなに時間かかるとか思ってなかったんだもん。
時計塔にいた本当の「敵」だとかその後の煙幕だとかで、想定外に時間が掛かっちゃったし。
しかも色々とドタバタしてたせいで、約束のこととかすっかり頭から抜け落ちちゃってさ。
二人が噴水広場に着いたときには、私がいなかった。少し待ったけど来ないから探しに行って、今に至る──みたいな感じかな。
リラが一人きりでターナイトさんがいないのは、探すにあたって手分けしたから?
「それで合ってますよ。お姉ちゃんを見付けてから場所を連絡したので、セリュアももうじきここに来るはずです──仕方のない事情だったみたいなので許しますけど、リラはともかく、来たらセリュアにはちゃんと謝ってくださいね」
「あんなに怒ってたわりに、結構簡単に許してくれるんだ……『リラはともかく』で良いんだ……」
何だかんだで私に甘いなあ、この妹。
と言うか私の周りって、私に甘い人が多いよね。優しいのか諦めてるのかは分かんないけど。
君たちがそんなだから、私がこんななんだよ?
と、そこで怒りを鎮めたリラが疑問を口にする。
「──それで、みなさんは一体何の話をしてたんですか? お姉ちゃんがディルグ先輩を殴った、とか言ってましたけど」
「今更?」
さっきまで目の前で散々話してたのに、聞いてなかったの? それほどまでに怒ってたってこと?
しかしディルは、「そうとも言えねえんじゃねえか?」とリラを弁護する。
「殴ったから謝るとかは話してたが、そもそも殴った理由については『ムカついたから』しか言ってなかったからな。この女」
「でも、殴る理由なんて大体そうでしょ?」
「だから、そのムカついた理由が何かってことについては話してなかったってことですよ、先輩」
「ああ、そういう……」
納得──って、ちょっと待って。
「それも少年君がさらっと言ってたじゃんか。怒った理由が姉妹で同じだとかさ」
「……そう言われれば、そうだったか?」
「言ってた言ってた──ほら謝って。私が間違ってるみたいに言ったことをちゃんと謝って」
「お前は俺に謝ることを散々拒んだくせに、俺に謝罪は強要しやがるんだな……謝ってたまるか」
ちぇっ。
まあそれはともかく、リラも私が怒った理由はちゃんと分かったかな?
「──それ、本当ですか?」
ん。どったの。妹の様子がおかしい。
しかし、リラは私の戸惑いには構おうともせずに詰め寄る。怒ってたとき以上の剣幕かもしれない。
「答えてください。お姉ちゃんがディルグ先輩に相棒になるように頼んで、それを先輩は断った──そういう理解で、良いんですね?」
「……あ、ああ。それがどうした?」
そんなリラの態度に、あのディルですら(あのディルですら! ここ重要)少々じゃなくたじろぐ。
「大好きなお姉ちゃんの頼みを断りやがって──みたいな話か? だとしたら逆恨みだぜ?」
話題からは離れたところにいる少年君が、冷静に仮説を立てて指摘した。傍観者は気楽だよね。
でも確かに、それはお姉ちゃんラブなリラだったらあり得そうな話だった。まあリラ、逆恨みするようなタイプじゃないけど。
……てかリラちゃん。出会ったばっかの少年君に対しても、お姉ちゃんラブを公言してるのかい?
だが、対するリラは淡々と「そうじゃないよ、グラン」と返す。
あー、この二人って同級生だから、お互いにタメ口なんだね。私に対しては二人とも敬語だから、ちょっと新鮮。
昔はリラも私や姉様に対して親しげな口調だったんだけど、いつの間にか敬語になってたからね。本人から聞いたわけじゃないけど、何か心境の変化とかがあったのかもしれない。
「リラが言いたいのはですね──」
「──お待たせ、かな」
──リラが声高に主張しようとしたときを狙い澄ましたように、この場にまた新たな人物が現れた。
水を差された形になるリラが、少し不機嫌そうにその台詞の主に振り返る。
「もしかして取り込み中だったかな? ごめんごめんかな。入学したてだからかな、さっきまでずっと道に迷ってたかな。やっと見付けたから、テンション上がって声かけちゃったかな」
誰? この語尾がちょっと鬱陶しい子──そう訊こうとして、でもすぐに分かった。
リラの知り合いで、お待たせって第一声。
──この子が例のターナイトさんか。
私の推察を裏付けるように、少女が微笑んで名乗りを上げる。
「テルミラ先輩と、そっちの男の先輩はお初にお目にかかります、かな。私はフェアちゃんのルームメイトでグランちゃんのクラスメイトの、セリュア・ターナイトかな!」
いや、自分の名前は断定しろや──反射的に出かかった突っ込みを、辛うじて踏み留まる。
癖だったら指摘するのは野暮だし、本人的にもデリケートなとこかもしれないし?
まあ、「フェアちゃん」とか「グランちゃん」とかいう呼称もなかなか気になるけどね。
「自分の名前くらいは断定してよ、セリュア」
とか思ってたら、代わりにリラが突っ込んだ。
うそ、友達なんでしょ? それとも、友達だからこそデリケートな部分にも触れられるってこと?
「友達だからこそ、デリケートな部分でも何でもないことを知ってるってこと」
「へ?」
「今のセリュアは語尾が『かな』ですけど……これ、毎日変わるんですよ」
いや、リラと少年君が二人で説明してくれてるけど、それでも私にはちょっとよく分かんない。
「取り敢えず、気にしなくていいってことかな!」
とうとう本人から注釈が入って、ようやく分かった。この子への接し方が理解できた。
──要するに変な奴、かな。
──セリュア・ターナイト。
髪の色は、皇国ではめったに見かけない薄青。瞳も同じ色だ。聞いた話だけど、ヴィルファの隣にある帝国に多いんだったっけ? なら、本人か親がそっちの出身とかなのかもしれない。
髪は、左は側頭部で括っているけれど、右は下ろしていて、腰まで届くくらいの長さだ。
そして身長は低い割に胸がおっきい。一年のくせに生意気な。
クロと比べても遜色ない「巨乳」じゃないか。弾力や反発性に富んでいることが一目で分かる、しかし大きすぎず美しい形をした二つの──
「あのー、先輩はどこに視線を注いでるのかな?」
「胸」
「下心を隠そうともしない即答かな!」
「私、自分に嘘だけは付かないって決めてるから」
「良い台詞で誤魔化せると思ってるのかな?」
仕方ないじゃん。どうしても見ちゃうんだよね。
私は別に女の子が好きってわけじゃないけどさ。自分の胸にコンプレックスがあるからかな。
「──こほん」
リラがわざとらしい咳払いを入れた。「いい加減にしなよ、お姉ちゃん」みたいな意味だろう。
そもそもターナイトさんが登場したときに台詞を遮られたせいで、機嫌が良くないのかもしれない。
これ以上続けたら怒られるだろうな。
悪ふざけは止め時が肝心なのだ。
リラがターナイトさんを指し示しながら、私に向き直る。リラからも彼女をちゃんと紹介するつもりなんだろう。私も傾聴の姿勢を取った。
「彼女はセリュア・ターナイト。リラのルームメイトで、見ての通り胸が大きい子です」
そうだね。
たぶんもっと他に言うべきことはあるだろうけど、それはその通りだね。
「──ですが、大きければ良いというものでもないとリラは思います。小さい胸にだって、必ず需要はあるものです。リラはお姉ちゃんの控えめな胸が大好きですし、お姉ちゃんにもリラの胸を好きになってほしいと願っています。以上」
待たんかい。
胸の話しかしてないし、後半はリラの欲望の話でしょうが。
リラなりのボケに突っ込んで、「ここはターナイトさんの話をしなさい」と先を促す。
誰に似たんだか、本題の前にボケを挟むような子に育っちゃってまあ。
満足したらしいリラが、気を取り直したように話を先に進める。
「趣味は読書、特技は暗号解読。お姉ちゃんの好みに合わせた話をすると、セリュアはあらゆる種類の魔法銃を使いこなせるオールラウンダーです」
はい、良くできました。
ついでに、胸を大きくする秘訣についても教えてください。
「私の母親が胸の大きな人だったかな」
遺伝子には抗えないの? 絶望的な情報だ。
文量の割に話が進んでない?
そんなことないですよ。少年君の名前が出てきたし、セリュアも出てきたし。
プロローグしか出てない二人(覚えてる人はいるんだろうか)を含めて、これでメインキャラが出揃いましたよ。これ以上は増えないはずです。きっと。取り敢えずしばらくは。