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#4 三姉妹の帰路

 ──尾行されている。

 恐らくは、図書館を出た辺りからだろう。


 その気配に、隣を歩く姉様はたぶんまだ気付いていない。少なくとも、そんな素振りは見せない。

 その事実だけでも、相手の並々ならぬ技量が伺える。

 気付くのが遅れたのは警戒を怠っていたからだと思ったけど、これでは、普段通りの警戒をしていたとしても時間がかかっていたかもしれない。

 付かず離れずの距離を保ちつつ、少しずつ近付いて来ながらこちらを見ている相手。

 その存在に気付き、そして尾行されていることを確信した──そのときには不覚にも、もう既に背後十メートルのところにまで迫られていた。微かな靴音が、そのことを冷酷に告げる。

 銃を持っていれば殺せる距離、というのは現実離れした仮定にしても(ヴィルファ皇国は世界的に見てかなり治安が良い国だし、そもそも命を狙われる心当たりもない)、相手が魔法銃を持っていれば意識を奪われかねない間合ではある。


 今から全力で走ったら、振り解けるか?

 ──いや、無理だ。距離が近過ぎる。

 どんなに走ったところで、振り切れやしないだろう。或いは、走り出した瞬間を狙われる可能性だってある。

 かといって迎撃するのも難しい。今の私は魔法剣なんか持ってないし(かさばるうえに、女子が携行していると人目を集め過ぎるから)、姉様は魔法銃を持っているだろうけど、事情を説明できるほど時間には余裕がない。


 なんて考えている内に、相手の気配が変わる。

 正確には、纏っている空気が変わったのだ。

 そのことが意味するのは、ただひとつのこと。


 ──私が気付いたことに、相手が気付いた。

 相手の歩みが少し早まる。気配を消す必要が無くなったからだ。

 今までは少しずつしか縮んで来なかった距離が、急速に短くなっていく。


 落ち着いて対処する猶予はもらえなそうだ。

 だったら──いちか、ばちかの賭けに出る。


 前に歩みを進めるために繰り出した右足を、急激に後ろに引く。そのままの勢いを殺さないようにして、ばっと後ろを振り向いた。

 逃走と対極の行動。だが、目的は応戦じゃない。

 こんな暴挙、相手にすれば予想外の行動だと思う。


 そう、驚いている間に一撃を仕掛けられれば……!


 我ながら浅はかな考えだった。情けない。

 ともあれ、振り返りざまに渾身の蹴りを放った私だったが──まあ、こんなの上手くいくわけないよね。

 知ってた知ってた。

 一歩下がれば、蹴りは簡単に回避できるんだよ。

 予想外の行動とか言っておいて、しっかり見抜かれてるって。恥ずかしい。


 取り敢えず言い訳させてくださいな。

 私って実は体術とか苦手でね。

 体感的には素早い蹴りを喰らわせたって思ってても、実際は大したことなくて、簡単に回避できるスピードだったり。

 だから渾身の蹴りとかいっても、ねえ。


 それに、ターンを決める方向。これこれ。

 右足を引いたんだから、私ってば右回りに振り返ったわけだ。右足を引いて左に回れる人も探せばいるのかもしれないけど、私には無理だから。

 人間には回りやすい向きってあるでしょ? 利き足とかの関係だと思うけどさ。

 でも、そっちには姉様がいたんだよ。だから、速度も威力も落ちる方向に回るしかなくって。

 ……こんなもんかな。はい、言い訳終わり。


「相手の身長・体格も分かってないのに頭を狙った時点で、既に失格だっつの。蹴りが相手の頭上を通過、とか滅茶苦茶カッコ悪いだろうが。それに、高さの分だけ時間が掛かっちまうだろ? 狙うなら足元だろうが、どう考えても」

 言い訳を終えて現実に戻ってきた途端に、隣からものすごい勢いで責め立てられました。

 やめて姉様、泣きそう。


 ていうか、姉様も気付いてたの?

「いや、全然気付けてなかった。警戒はしてたつもりだったから、もうこれは単なるアタシの実力不足って感じだよな。結構メンタルにきてるぜ」

 全然そうは見えないんだけど。

 普通に考えて、凹んでる人があんな毒吐かないでしょうよ。

「アタシが気付いたのは、相手が気配を隠さなくなってからだよ、不覚にもな。気付くの自体はテルミラの方が格段に早かった……それでも分かるくらい、てめーの行動が失策だってこった」

 泣きそうを通り越して涙が出て来た。

 いつもながら、容赦のない姉様だ。言葉の暴力が痛い。


「ただ、なんつーか……こうして正体が分かっちまうと、尾行の巧さとか諸々《もろもろ》納得だよな」

「……それが嫌なんだけど」

 だって。

「犯人が知らない奴だった、とかよりは良いだろ。そっちの方がシンプルに怖いし、それに色々と面倒くせえことになるし」

「犯人が知ってる相手でもある意味では怖いし、違うベクトルで色々と面倒なことにはなるよ?」

 目の前にいる「犯人」の姿を視界に入れながら、姉妹二人して言い合う。


 柔らかな質感の金髪を二つに結わえた、いわゆるツインテール。片方は黒無地のシュシュで、もう一方は黒のヘアゴム。全体的にアシンメトリーの髪型は、だけどまだ幼く見える。

 顔立ちは、端的に言って可愛い感じ。入学後間もないとはいえ高等学校の生徒には見えないような、あどけない可愛らしさ。見ているだけで周囲の心を無邪気に癒してくれるような温もりがある。


「あんた、なんで尾行してたの? ──リラ」

 尾行犯の正体は、フェアリラ・イド。

 私達の妹だった。



 ──そう、その正体が何よりの問題だったのだ。

 姿を目にしたときに「え、リラ? 駄目じゃん、蹴りを止めなきゃ!」と思ってしまったことこそが、私の失敗の最大の要因である。

 たとえ事故でも、妹を蹴るっていうのは良くないからね。


「言い訳まだ終わってなかったのかよ。たくましいな」

 姉様から突っ込みが聞こえるが気にしない。

 あ、いや、これはむしろ褒め言葉として受け取っておきましょうかね。姉様、あなたの妹はこんなに逞しく成長しましたよ。どやあ。

「よし、殴ってやるからじっとしてろ」

 ごめんなさい調子に乗りました。

 我ながら素早い掌返しだ。

 ただ、それで許す姉様も姉様である。


「で、リラはなんで尾行してたわけ?」

 話題を変えたかったのもあるが、純粋な疑問だ。

 だって、普通に話し掛ければ良いじゃん。


 と思っての質問だったのだが、リラは小首を傾げた。

 質問に答える側がする反応かね?

「何でって言われても……たまたま見かけたから?」

「たまたま見掛けたら、普通に声を掛けなよ」

「いえ……こんな話を知っていますか、お姉ちゃん。とある登山家は、山に登る理由を問われた際に、そこに山があるからだと答えたそうです」

 急にどうした。そして知らないとでも思ったか。

 流石にお姉ちゃんを馬鹿にしすぎだろう。不敵な感じの笑みも軽くムカつくからやめてほしい。

「そのくらいは知ってるよ。それで?」

 まあ、年長者の余裕で怒らないでおこう。

 ふふ、何だかんだ言いながらも、私って結構甘いよね。或いはそれは、優柔不断とも言う。


 するとリラは、我が意を得たりとばかりに満面の笑みを浮かべる。

「つまりですよ。そこにお姉ちゃんがいるからという理由で尾行して、何か問題があるのですか?」

「うーん、やっぱり怒ろうかな」

 この妹はただの馬鹿なんじゃなかろうか。登山家の話も絶対に要らなかったし。

 もはや単にお姉ちゃんを馬鹿にしただけじゃん。なんて妹だ。


 しかし、姉様が冷静な声で諭すように言う。

「まあ落ち着け、テルミラ」

「いやいや姉様。愛する妹とは言えども、たまには愛のムチも必要なんだよ。本当に相手を思うなら、優しくするだけじゃ駄目なんだよ、きっと」

「成程、身につまされる話だな。あんまり叱ってこなかった妹が、今こうして調子に乗ってるからな。確かに、たまには鞭も必要か──おら」

「ぐはっ」

 よりにもよって腹を殴るかね。


「愛の鞭だ、感謝しやがれ……あのな、フェアリラは確かに馬鹿なときも多いが、そうじゃないときも同じくらい多い。声を掛けなかったのも、何かしら理由があってのことだろ」

 うむ、姉様の言うことにも一理ある。

「そこにお姉ちゃんがいたから」なんてのは方便で、本当の理由は別にあるとか。そもそも、それだったら普通に話し掛けてくるはずだもんね。

 可愛い妹がただの馬鹿じゃないって可能性に縋り付いているだけ、とか言っちゃ駄目。


 そんな姉二人の視線を受けて、末っ子は──

「いや、その……二人の会話からリラの名前が聴こえたから、話し掛けにくかったんですけれど」

 ──すごく気まずそうに真相を告白した。


「……ああ」

「……ま、そんなもんだよね」

 何となく予想はしてた。姉様はどうだか分かんないけど。

 姉様って、現実は見えてる癖に妹を過大評価しがちだから。私に対しても、リラに対しても。


「……フェアリラの話ってのは、大会のことか」

「そうだね。出るか出ないか、みたいな」

 姉様の声が動揺を隠し切れずに震えてたあたり、ああ、さっきの発言は割と本気だったんだなあ、とか思ってみる。

 気付かない振りで流すけどね。妹の優しさだよ。

 ……嘘です、言ったら怒られそうだからです。


「それで結局、リラは出るの?」

 自分が出るわけでもないので実はあんまり興味も無いのだが(姉様には自分から話を振っといて)、ここは姉様に助け舟を出しておこう。話題を変えるのに協力だ。

「出ますよ? もう申し込んでますし」

 妹は即答だった。

「じゃあ、もう相棒ペア組めたのか。早いな」

 いやいや姉様の立ち直りほどじゃないよね、って思ったけど黙っておく。


「ふうん。ちなみに、どんな人?」

 こういう話をするときは、もはや恋バナ感覚である。

 妹がタッグを組んで戦う相方がどんな人物か、妹がどんな相手を選んだか、とか。

 年頃の乙女として、或いは姉として気になるよね。

 だが、リラの答えは想像の埒外だった。喩えるなら、銃の引き金を引いたら弾が自分に飛んで来た、みたいな衝撃。


「教室で席が近かった人です」


 ……え。

 見れば、姉様もちょっと硬直している。珍しい。

「それが切っ掛けで誘って、取り敢えず修練場で実力を見たら、まあ悪くなかったので。お姉ちゃんと正面から戦えば、十五秒くらいは保つと思います」

「大丈夫か、それ……」

 妹の今後が、もしくは現状が不安になったわ。

 指運で結婚相手とか決めそうじゃん、この子。

 まあ、正しい相棒ペアの決め方があるわけでもないけどさ。結局は本人の自由だし?

 何だろう、この名状しがたい感情は。堪えてるつもりなんだけど、顔に出ちゃってるかも。


 だが、それ以上に予想外だったのは、姉様が示した反応だった。

「いや、意外と悪くないかもしれねーよ?」

 腕を組んで頷きながら、そんなことを言い放つ。

「姉様、正気に返ってきて」

「正気を失ってる前提で声を掛けるな。せめて、まずは『姉様、正気?』くらいにしとけ」

「姉様、狂気?」

「やっぱり正気は失ってる前提じゃねーか」

 そんなこと言われても、正気の人間から出てくるような発想じゃないよ、それ。

 まあ、正気の姉様から出てくる発想ではあるかもしれないけれど。

「姉様が普段から正気じゃねーみたいに言うな」


 で、その発言の意図するところは?

「いや、選び方はともかくとして、フェアリラの選んだ相手は、少なくとも実力に関しては悪くねーってこったよ。偶然だろうがな」

 他の要素は知らんが。礼儀のなってないクソみてーな奴だったら殴るけどな──と、小声で呟いたのはフェアリラに聞かせないようにかな。

 或いは、案外すぐ近くにいたりする「礼儀のなってないクソみてーな奴」への警告のつもりかな?

 そうだなあ。例えば、先輩や姉に全く礼儀を払う素振りもない人とかに対しての。

 んー……そんな失礼な奴いるのかな?


「テルミラとやり合って十五秒も保つなら上等だ。新入生の中じゃ、そいつはかなり強い部類だろ」

「そんなもん?」

 また姉様は。妹を過大評価しすぎじゃない?


 そう言うと、露骨に呆れたように嘆息なさる。

「お前はもっと自分の実力を自覚しやがれ」

「それ、姉様にだけは言われたくないんだけど……」



 私たち三姉妹は、それぞれに属する寮が異なる。全員学年が違うからだ。

 ヴィルファ皇国立高等学院は膨大な数の生徒を全員入寮させるために、多くの学生寮を備えている。学年ごとに十個ずつ、しかも一つ一つが大きい。

 そんな中、リラは一年寮C、私は二年寮E、姉様は三年寮Bが「帰る場所」なのだった。

 ちなみに、アルファベットはただの識別記号。

 劣等生のEじゃないから、勘違いしないように。不公平が出ないように、寮の構造自体はどれも一緒だから。新入生が毎年自分の寮を間違えるんだとか。


 そしてこの内で、三年寮だけはやけに位置が離れている。理由は分かんないけど。

 勉強するのに喧騒が邪魔になるからかな? 一、二年生だってちゃんと勉強するのに。

 まあ要するに、姉妹三人で仲良く一緒に帰っていても、姉様だけは早々にお別れになってしまうってことが言いたかった。


「──ところで、お姉ちゃん」

「何?」

 既に姉様と別れた後。私はリラと二人きりで自分たちの寮へと歩みを進めていた。

 もっとも、リラと二人きりも、それはそれで乙かもね。

 リラが入学するまでの一年は、やっぱり休日しか会えなかったわけだから、こうしていると新鮮だし懐かしい感じもする。


 それに、リラは入学したてで分かんないことも多いはず。ここで先輩風(お姉ちゃん風?)を吹かせるのも悪くない、なんてね。

 だって、先輩風を吹かせられる後輩なんて私にはいないから。友達すら全然いないんだもん。

 でもリラって、私のことは「お姉ちゃん」呼びなのに、姉様は「姉様」呼びなんだよね……。

 ひょっとして舐められてる?

 いやいや、親しみの証だよね。

 と言うか実際、私に「姉様」感は無いし。

 うん、そういうことにしておこう。


 ともあれ、そんな妹から話があるのなら、聞いてあげようじゃないか。そんな心持ちで先を促す。

「──お姉ちゃんに会いたいって子がクラスにいるんですけど、会ってあげてくれます?」

「物好きだね」

 そんな心持ちだったのに、率直過ぎる感想が思わず口をついて出ちゃった。


 すると、リラは楽しそうに微笑んで言う。

「そうですね。お姉ちゃんに会いたいだなんて、普通ならありえません」

「そこまで言うか?」

 自虐するのは良いけど、同じことを人から言われるとムカつく。人間ってのは勝手だよね。


「冗談です。リラはいつだって、お姉ちゃんに会いたいと思ってますよ」

「それはそれで、話が変わってると思うけど」

 もうちょっと適切な距離感というか。


「特に、入浴中のお姉ちゃんに会いたいです」

「それはもう、単に裸が見たいだけじゃん」

「裸を見せたいという気持ちもあります。背中を流すついでに頬擦りもしたいです」

「頼むから欲望を抑えて」

 リラが段々とクロに似てきたなー……可愛げがあった昔のリラはどこに行っちゃったんだろう。

 まあクロなら、もう二段階くらい変態的なことを言い出すんだろうけど。

 クロを基準にすると、大抵の人間は普通に見えてくる。


「それに、自分より胸の大きい妹の裸なんか絶対に見たくない」

「いや、大きいって言っても、ほんの数ミリしか違わないんですけど。充分に誤差レベルですよ。小ささにコンプレックス持ち過ぎじゃないですか? たぶん遺伝なので諦めてくださいよ」

 妹が冷たい。


「リラ、何か良い方法とか知らないの?」

「そういうことは、もっと大きい人に訊くべきでしょうに……あ」

「何、何か気付いた? 思い出した?」

「そんな大したことでもないですけど……揉めば大きくなるって俗説ですから、止めた方が良いですよ」

 そんな救いの無い情報は聞きたくなかった。


「──っていうか、その言い分だと、ひょっとしてリラは自分の胸揉んでみたの?」

「はい。大きくするためではなかったですけど」

「……じゃあ、何の為に?」

「お姉ちゃんに揉まれるときの予行演習です」

「聞かなきゃ良かった」

 そんな未来は訪れないから。本番とかないから。


「あ、でも、リラがやっても効果が無かったってだけなので、それで大きくなる人も世の中にはいるかもしれません。俗説と決め付けるには早いです」

「たぶん世界で一番いらない注釈だよ」

 少なくとも私は、少しも必要としてなかったよ。


「お姉ちゃんが試してみたいなら手伝いますよ?」

「試さない。そして、試すとしても自分で揉むわ」

「そんな……誰に揉まれる予行演習なんですか?」

「一緒にしないで?」


 閑話休題。胸の話はもういいよ。

 私に会いたがってるクラスメイトの話だったでしょうが。

「ああ、そうでしたね。えっと、入学してから二週間くらい経ったじゃないですか。それで、クラスの女子とはほとんど仲良くなれたんですけど……どうしました?」

「……いや、どうもしないよ? 続けて」

 話の腰は折らないと決めたけれど。


 姉妹でこの社交性格差は一体。

 人望はあっても人脈のない姉様。同学年にクロしか友達のいない私。そして友達作りのプロ、リラ。

 しかもクラスの女子って、結構グループというか派閥というか、面倒な枠組みあるじゃん?

 それを軽々と飛び越えるんだよ、この子。末恐ろしい。


「その中にセリュア・ターナイトって子がいて」

「その子が、私に会いたがってるってこと?」

 リラが無言で頷く。

 だけど、私としては疑問が増えるばかりだ。


「んー……」

 何だろう? 私に会いたい理由って。

 何となく友達の姉が見てみたい、とか?

 いやまあ、わざわざ断る理由も特にないんだけどさ。名前に聞き覚えがあるわけでも無いし。


「──まあ、いっか」

 断る理由と同じくらい、その子に会う理由も別に無いんだけど、ここは頼れる姉として妹の顔を立てておくのも悪くない。

 そう言うと、リラは本当に嬉しそうにはにかむ。

 そうそう、そういう顔が見たかった。


「ありがとう、お姉ちゃん。じゃあ早速だけど、明日の放課後でどう?」

「大丈夫。細かいセッティングはリラに任せるよ……あ、でも一つだけ」

「何?」

 会うのは構わないけど、これだけはちゃんと頼んでおかないと困る。

「その子に『会っても良いことないよ』『止めといた方が良いよ』とか言って、会うまでにしっかりとハードル下げといて」

「何それ……」

新キャラが二人か三人登場するとか予告してましたが、結局は一人になりました。「席が近かった人」「お姉ちゃんに会いたがってるクラスメイト」も出そうと思ってたんですが、妹だけでそこそこの字数になっちゃったので、またの機会に。

……そうは言っても次回とかだよ、たぶん。

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