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集会


昼休み


今日の放課後は月一回の長距離チーム集会。

集会では日頃の練習内容や目標タイム等をみんなで話し合う。

その為俺は練習ノートを見返しながら、どんなことを話そうか考えていた。

この練習ノートは、今のようにみんなに指示を出すようになってから書き出した。どうやって練習メニューを考え、指示するべきなのかを模索しいろいろな本を読んだり、調べたりした。そして、ノートに残すのが言いと記載してあったことから取り入れることにした。練習メニューを決めた理由やその練習メニューをこなしていた部員の様子等可能な限りを多くの情報を記入している。

集会での司会進行は俺がやるので、話す段取りも基本的に俺が考える。

どうやったらみんなの意見を吸いだして、有意義な場になるのか、パラパラと練習ノートをめくりながら考える。

はぁ~みんなをまとめるって大変だな。


「日下くん」


突然呼ばれた声で顔をあげると、そこには福本さんが立っていた。

福本さんがクラスで俺に話しかけるなんて、初めてか?いや初めてじゃない気がする。じゃあいつぶりだろうか?まあかなり昔だよね。

とりあえず俺は練習ノートをパタンと閉じる。


「ごめん、なんかやってた?」


「いや、大丈夫だよ。なに?」


「日下くんと細川くんの好きなお菓子教えてくれない。」


一瞬なんで俺のもって思ったのだが、おそらくこれは、海人の好きな物にたどり着くまでの彼女なりの気を使った言い回しなのだろう。


「海人は、なにが好きだったかな?」


海人のことだから手作りのお菓子いっぱいもらったことがあるんだろうけど、俺が全然なので何が好きとかは話した記憶がない。お菓子の話だと毎年バレンタインに俺が一方的に羨ましがってるぐらいかな。

ん~っと海人の好きなお菓子を考える。


「ゆうさくさ~ん。ちょっと来てもらえます。今日の集会について話したいんですけど」


そうしていると、陸上部の女子である高見麻衣子(たかみまいこ)が廊下の方から俺を呼んでいる。

集会のこととなると話す必要がありそうだな。福本さんには悪いけど、こっちを優先させてもらおう。


「ごめん、あとで聞いとくよ」


俺は福本さんに、謝りながら席を立ち麻衣子の元に向かった。


彼女と話終えるとすでに昼休み終了間際。今からだと海人のところまで聞きに行けないと思い、スマホをポケットから取り出して素早く文字を打ち込み海人に送信した。


『福本さんにお菓子なにが好きか聞かれたんだけど、何が好き?福本さんに答えてあげてくれ』


送信されたことを確認するとポケットにスマホをしまい、次の授業の教科書を出したあと再び練習ノートを読み返した。

海人からの返事は午後の授業が終わる頃に返ってきた。


『シュークリームとドーナツかな。』

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