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ぼったくりは放浪者の性なので

 セチアたちと別れてからコータは武器や防具を見に、中心街へと向かっていた。


「へいらっしゃい!」


 大きな屋敷が街を見下ろすようにしてそびえ立つ。そのお膝元で商売をしているログロット武具店にやってきた。簡易な物置小屋のような外観の店内は、思いの外に商品が揃っていた。植物しか鑑定出来ないコータにも分かる程に、上から下まで揃っている。


「武器が欲しいんだが」


 声に張りはあるものの、白髪の如何にもお爺さんといった風貌の店主に、コータは声を発した。


「それなら右から半分を見ればいい」


 見た目ほど声にジジ臭さがなく驚くものの、店主はコータにそう告げる。


「左側にも武器はあるようだが?」


 右半分が武器で、左半分が防具を売っているならば店主の言葉に納得はしただろう。だが、違った。

 右にも左にも武器はある。さらに言えば、左半分の方が強そうな武器が並んでいる。一見して分かるような銅剣なんてものはなく、複雑な形をしたものや見るからに格好良い武器なんかは揃いも揃って左半分にある。

 先程の店主の一言は、コータにそれらを売るつもりは無いと同意だ。


「小童には早い。どうせ昨日や今日に冒険者始めたんだろ? そんな奴がBランク以上の武器を持つなんぞ無理も無理」


「分からねぇだろ」


 店主の言い方が癇に障ったのだろうか。コータは表情をムッ、とさせ、少し声に怒りという感情を乗せる。

 コータは短気ではない。しかし、だからと言って気が長い訳でもない。そんなコータが少しの怒りで済んだのは、やはり自分の持ち金が少なく、最低限度の武具しか揃えないと決めていたことが大きいだろう。


 コータは左半分の武具を一瞥する。どれが良いもので、どれが劣悪品なのかもわからない。その状態で何かを手にするのは危険。コータは直ぐに右半分に視線を移し、その中で一番高そうなものを手に取った。


「目だけはあるみたいだな」


 コータの選んだそれは、高いもので間違いがないようだ。店主は短くそう告げ、コータの手にある柄の部分に月の模様が彫ってある片手剣に目をやる。


「Bマイナス級の武器で、月の宝刀と呼ばれている」


「月の宝刀?」


「そうだ。柄の部分にある月の彫。それがある剣にはだいたい『月の』って言葉が入る。まぁ、その中でもこれは劣悪品だな」


 店主は眉間に皺を寄せ、険しい表情で語った。


「これ、いくらだ?」


 別段良いものが欲しい訳でもない。ただ、コータはこの武器に興味が湧いた。

 月の、という冠を持っているにも関わらず劣悪品と呼ばせるこの武器はどれほどのものなのか、と。


「銀貨4枚と銅貨8枚だ」


 ギリギリ、か。

 そう思いながら、コータはポケットに手を入れ全財産を手のひらに広げる。

 銀貨が4枚、銅貨が26枚。これがコータの全財産だ。


 ──姫様からの謝礼金が早く欲しいな。


 コータは今日の宿代など考えず、


「買うぜ」


 と吐いた。


「まいど」


 商品が売れたことがそれほどまでに嬉しいのだろうか。店主は楽しげな表情を浮かべながらそう言い、手を出した。コータはそこに代金を置き、月の宝刀を腰に差した。

 現代日本で生きていれば感じることの無い右側の重さに、少しバランスが取りにくい。自らの意志で左に重心を持っていくように立ち、ようやく真っ直ぐ立てる。


「それじゃあ余った銅貨8枚で防具を見繕ってくれ」


「あんちゃん、それは難しい話だぜ」


「なぜ?」


「安すぎる」


「そうなのか?」


 この世界での相場が分からないコータは、店主の言葉に目を丸くする。


「あぁ。どんなに最低な防具でも、揃えるなら銀貨1枚はいる」


「そ、そうなのか」


「ああ」


「それは悪いことをした。それじゃあまた金が貯まればくる」


「待ってるぜ」


 その言葉に、コータは軽く手を上げることで応え店を出た。

 やはりまだ歩くことになれない。しかし、これから先相棒となるであろう月の宝刀に右手を添える。すると、自然と笑みがこぼれた。

 そのことにコータ自身が驚きながらも、街の散策を始めた。


 * * * *


 超劣悪な環境で一夜を過ごすことの出来るあの例の宿屋。値段は1泊銅貨8枚。

 それを考慮すると、コータの今日使えるお金はあと銅貨2枚、ということになる。


「これじゃあ買い食いもまともに出来ないぞ」


 大きな屋敷を見上げる形で並ぶ市場には、たくさんの人が行きかっている。


「てか、あの屋敷マジででかいよな」


 ここから屋敷までの距離はそう遠くない。しかし、全容が視界に収まることは無い。赤茶色のレンガの外観に、青色っぽい大きな窓。そこへ所々屋根から伸びている避雷針のようなものでさえ、デザインに感じることの出来る様。

 それはまるで中世ヨーロッパの貴族の屋敷のようにさえ感じられる。


「ど、どうかッ! 娘の命だけはッ!」


 コータが屋敷を見上げている時だ。市場から少し外れた木陰から、悲痛な叫びが轟いた。驚き、そちらを見たコータとは対照的に、他に誰もその声で足を止めようとはしなかった。


「この街はどうなってんだよ」


 ライオのように、困っている人を助けてくれる人だっている。それなのに、今市場周辺にいる人間は間近で悲しみに満ちた声に当てられたというのに、それを無視することへの罪悪感すら微塵も感じさせない表情でいる。


「ってまぁ、日本でも同じか」


 もしこれが日本で、ガラの悪い人に誰かが路地裏に連れていかれようとしている瞬間を見て、誰か助ける人がいるか。いや、ほんどは見て見ぬふりをするだろう。それが自分にとって一番安全だから。見てないことにすれば、罪悪感もない。

 罪悪感もなく、安全な場所から動かない。


 ──それが人間か。


 声を聞き、反応してしまった自分にそう告げ、コータは声のした方へと足を進めた。

 すぐに顔を出すのも何だか少し違う気がしたコータは、とりあえず手近の木陰に背を預けて様子を伺う。


 1人は頭に猫耳をつけた女性。生えているのか、つけているのか、この距離からでは把握できない。

 そしてその女性の首についた銀の輪っかから伸びる鎖を握る男性は恰幅がよく、裕福な暮らしをしているのは一目瞭然だ。


「あいつ、絶対俺よりいい所で暮らしてるな」


 そんなことをボヤきながら、コータは様子を伺う。


「ギャーギャーうるさいんだよ、このブタが」


「お願い致します、どうか、どうか娘だけは」


「貴様がうるさいから貴様の娘は売ることにしようか」


「領主様ッ!」


 どうやらあの恰幅のいい男性は領主らしい。だが、あの耳をつけている女性とは一体どういった関係で、娘とはどこにいるのだ。

 コータの思考に答えるように、領主は口角を釣り上げ、言葉を放つ。


「奴隷の分際で我に意見するかッ!」


 ──奴隷、ね。


 大まかな話の筋が見えたところで、コータはわざと大きく草をふみつける音を出して、二人の元へと近づく。


「すいません、何だか凄い声が聞こえたので気になって」


「おぉ、そうか。それはすまないことをしたな」


 先程までの剣幕は消え去り、優しげな表情を浮かべる領主。

 どうやらこれが表の顔らしい。


「いえ、大丈夫ですよ。それよりもその方は?」


 奴隷だということは分かっている。それを知った上で、コータは訊いた。


「この街ははじめてみたいで迷子のようだったので」


「そうなんですか。あ、自己紹介がまだでしたね。俺は細井幸太です」


「へぇ、変わった名前ですね」


「こっちに来てからはよく言われます」


 愛想笑いを浮かべるコータに、領主は微笑みを浮かべた。


「私はこの街の領主のイサベルです」


 イサベルはそう言い、コータに手を差し出した。それを断る理由のないコータは手を取った。瞬間──


「お前、知ってるな?」


 コータの手を自らの方へと引き寄せ、あわやキスでもしてしまいそうな距離まで詰め、イサベルは告げた。


「何をですか?」


 あくまで知らないを通すコータ。だが、どうやらイサベルには確信があるようだ。それでやめようとはせず、そのままコータに背負い投げをきめる。


「いって……」


 しっかりと受身を取ることができず、背中から落ちたコータは呻き声を零す。


「お前が悪いんだよ。知らないふりなんてするから」


 優しさの欠片も感じられない、冷酷な表情でコータを見下ろす。


「何の話だ?」


「まだシラを切るとは……いい度胸だな」


 イサベルの声には怒りが含まれ、同時に手のひらをコータに向けた。眩い光がイサベルの手のひらに凝縮される。


「魔法か!?」


 ゴブリンとの戦闘を経験したコータは、その光景と似たものを何度か見ていた。この世界の理を覆すかのような超常現象に応えるべく集まる光を見て、コータは慌てて立ち上がる。


「遅いわ」


 イサベルは余裕げにそう言い、手のひらから光線をコータに向けて放った。

 薄黄色の、見る者に温かさを覚えさせるような光の線を、間一髪で避けることが出来たコータ。しかし、光線が辿った大地は抉れ、煙があがっており、死ぬには十分な威力である事が証明される。


「何すんだよ」


「証拠ってのは消せば無くなるんだよ」


 何事もないように、今までもそうやってきたかのように、イサベルは表情を一つも変えずにそう告げた。


「こんなにすぐに使うことになるとはな」


 魔法の使い方なんて分からないコータに今取れる行動は、剣を抜くことくらいだ。

 先程買ったばかりの月の宝刀を抜き、剣先をイサベルに向ける。


「月の宝刀か」


「知ってるのか?」


「知ってるも何も、どの店でも扱ってる低級品だろ」


「ふっ」


 コータは思わず笑ってしまった。つい先程聞いたばかりの情報と異なる情報を嬉しそうに語るイサベルが滑稽に見えたのだ。コータが聞いたのは、商売を生業として生きる本物。方や領主。どちらの言うことが真実かなど言わずとも分かる。


「何がおかしい」


 コータの様子が気に食わなかったのか、イサベルは少し声を荒らげる。


「これはBマイナス級の剣で、柄の部分には月の彫りまである業物だ。まぁ、劣悪品だけどな」


 店主の受け売りを、さも自分の言葉のように言い放つコータに、今度はイサベルが笑った。


「なんだよ?」


「馬鹿だな、貴様は」


「……?」


 何故自分が罵倒されているのか分からないコータは小首を傾げる。


「仮にそれが本物ならば業物だろう。だが、劣悪品と言われたのだろ?」


「そうだ」


「贋作じゃないか」


 滑稽なのはコータだと言わんばかりに、領主は高笑いをあげる。


「なぜ言いきれる!」


 贋作と言われたことに苛立ちを覚えたコータは足を一歩前へと出して吠える。


「本物なら貴様なんぞが買える代物ではない。金貨25枚は下らぬ」


 そう言うや否や、イサベルは地を蹴る。


「高くてそれは銅貨9枚ってレベルだろう」


 コータの間近まで詰め寄り首を掴みあげ、イサベルは告げる。

 首を掴まれたことで声がうまく出せないコータは、驚きを目を見開くことで表現する。なぜならコータは贋作に相場の倍近くの値段を支払っているのだ。


「その顔、吹っかけられたな」


 それがまた面白いのだろう。イサベルはコータを地面へと投げ捨てる。


「騙され、最後は私に消される。良い日ではないか」


 高笑いをやめることなく、イサベルはコータに再度手のひらを向ける。先ほどよりも早い時間で光は凝縮され、光線が発射される。

 それはコータの右脚を貫通した。光線により傷口が焼かれているために、血はほとんど出ることが無い。

 だが、全身に走る激痛に立つことすらままならない。

 電撃が走るような痛みは、苦悶に満ちた表情で見て取れる。


「動くから痛いのだ。じっとして居れば一撃で楽にさせてやったのに」


 ──違う。


 コータは一歩も動いていない。いや、実際には一歩も動けていないのだ。それをイサベルはコータが動いたために、と告げた。それはつまり、イサベルはもとよりコータを痛みつけるために、わざと右脚を穿ったのだ。


「クソが」


 思わず口をついた言葉。それが癇に障ったのか、イサベルは無言で光を凝縮させ左腕を穿った。こちらも先程と同じく血は出ないが、尋常ではない痛みがコータを襲う。


 【称号『異世界の戦士』の効果を発動します】


 オラリアとの戦闘時にも聞いた声が再度脳裏に過ぎり、同時に先程まで感じていたはずの痛みが引いた。

 痛みが無くなれば座り込んでいる意味は無い。コータはスっ、と立ち上がり贋作と罵られた月の宝刀を構える。

 剣道をやっていたわけでもないので、映画などの見様見真似。しかし、何だかそれがすごくしっくり来ていた。


「痛くないのか!?」


 コータの突然の行動に、イサベルは焦りを隠せない。


「さぁ」


 そう答え、コータは抉られた右脚で大地を蹴り、イサベルとの間合いを詰め、剣を振った。

 剣先は脂汗がびっしょりと浮かぶ額の僅か先を通る。その際に髪の毛が数本切れ、パラパラと落ちる。


「な、なんなんだ貴様は!」


 痛みさえ感じていないような動きに、イサベルは恐怖を感じたのだろう。畏れに満ちた目でコータを見る。


「俺か? 俺はただの冒険者だ。そう言うあんたは悪の領主様か?」


「違う!」


「なら何故奴隷など持ってるんだ。民を守る立場の人間が、民をモノ扱いしていいわけないだろう」


 こちらの世界にくる少し前に社会史で習った。奴隷とは如何に苦しいもので、辛いものなのか学んだばかりだったコータにとって、教科書通りのような奴隷の扱いをしているイサベルには怒りしか覚えない。


「奴隷を持つことは禁止されてはおらんぞ?」


 焦っていたようにも見えていたイサベルの表情は、誰かを出し抜いたことを喜ぶような歪んだ笑みに変化する。

 コータは間違えたのだ。追い込むべき言葉を間違えたために、イサベルは強気になる。


「だが道徳的に……」


「領主というのはあまりにも仕事量が多く、それを手伝って貰ってたんだよ。絶対に裏切らない人にな」


 そうだよな?


 そう言わんばかりに女性の猫耳を引っ張りあげる。


「は、はい……」


 口答えすることすらも許されていないのだろう。恐怖に満ちた顔で、頭部に猫耳をつけた女性は震え混じりの声で言う。


「ほらな?」


 コータは言い返すことができず、奥歯を噛み締める。相手は領主であるからには、警察などそういった機関では相手にならないだろう。それが一市民であるコータにどうこう出来るわけがない。

 だが、助けたいという気持ちが邪魔をして、引くことができない。


「何をしておるのじゃ?」


 そんな時だった。聞き覚えのある声が耳朶を打つ。


「あなたは……」


「おぉ、久しぶりですな。えっと確かコータだったか?」


 嗄れた声で、焦げ茶色の髭を無造作に生やした禿頭の爺さんは領主を無視してコータに声をかける。


「サーソンさん……。どうしてここに?」


「たまたまじゃ」


 コータの疑問に答えるつもりはないのだろう。サーソンは誤魔化すようにそう告げる。


「そんなことよりも、痛そうだな」


 何ともないような表情を浮かべているコータに対し、サーソンは苦虫を噛み潰したような表情でイサベルによって穿たれたコータの右脚と左腕を見る。


「見た目よりは大丈夫ですよ」


「それはアドレナリンが出てるからじゃろう」


 苦笑を浮かべたサーソンは、二人が話している隙に帰ろうとしているイサベルに向く。


「何をソソクサと帰ろうとしておる」


「いやぁ、せっかくの再開に水を指すのもって思ってね」


 そんなことを微塵も思っていない表情で言えるあたり、どこの世界も共通で上に立つものは基本的に腐っているらしい。


「コータは上手く騙せたらしいが、ワシは騙せんぞ?」


 瞬間、イサベルの表情に曇が見て取れた。


「奴隷を持つことは禁止されていない。特に、イサベルのように位の高い者の公務を手伝うとなれば絶対に裏切らない人でなければならない。それで部下を奴隷にして公務を行う、なんてことはあることかもしれない。だが──」


 演技がかった口調で話すサーソンは、わざとらしくそこで言葉を切る。それに続く言葉が分かっているかの如く、イサベルは額に脂汗をぐっしょりと浮かべている。

 何かやましいことでもあるかのようだ。


「亜人保護法があるのは知ってるよな?」


「も、もちろん」


 玉の汗が浮かび、それらが顎に向かって流れ落ちていく。


「じゃあ亜人の奴隷を持つ領主様は、もちろん国王が発行した証明書があるはずだよな? それを提示して欲しい」


「な、何故貴様のようなジジイに見せねばならんのだ」


 狼狽えているイサベルは、絞り出すようにその言葉をぶつける。


「見せられないとなれば、たとえ領主としても大きな犯罪で、極刑になる可能性だってあるんじゃないのか?」


 領主の言葉なんかお構い無しに、サーソンは試すような口ぶりでイサベルを追い詰めていく。

 発掘師でも知っているということは、この世界的にもかなり有名ということだろう。


「う、うるさい! とにかく私は無実だ! 行くぞ!」


 逃げるように、イサベルは猫耳の女性を繋ぐ鎖を引っ張りその場から立ち去った。


「いいんですか? 追わなくて」


「大丈夫じゃ。それよりもコータの傷は?」


 イサベルは鋭い眼光でサーソンを睨みつける。しかし、サーソンは全く動じていない。何も言い返すことができなくなったイサベルは、苦虫を嚙み潰したような顔をして去っていく。その背中を見つめながら、サーソンは言う。


「大丈夫ですよ……」


 そう答えた瞬間だった。全身の力が抜け、忘れていたはずの痛みがコータを襲う。

 立っていることすら辛く、傷口が爛れ、血の雫がこぼれ始める。

 視界がチカチカする。膝を付き、そのまま倒れ込む。


「大丈夫か?」


 サーソンは心配という感情が見えない、上部だけの言葉を投げかける。


「……」


 コータには紡げる言葉がない。いや、違う。言葉を放つ力すら無くなったのだ。


「しっかり休め」


 気を失い、倒れ込みピクリとも動かなくなったコータを見下ろし、サーソンは短くそう告げ、背負っていた籠を下ろす。

 籠の中から1本の小瓶を取り出し、コータにかける。瞬間、右脚と左腕に空いていた穴が塞がり、細胞が蘇り、傷などなかったかのように元通りとなる。

 それを視界に収め、サーソンは籠を背負い直し、その場を立ち去った。


「面倒な《勇者に成りうる者》だ」

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