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第四話 仕方がなかった

俺に宿った力は平たく言えば未来予知。

だがそれは自分の想像以上の力だった。

自分が見る未来は起きる可能性のある未来。

自分の行動によって変わる未来のすべてを見ることができる。

だからあの時俺は誘いを断った未来に加えて誘いに乗る未来、逃亡する未来も同時に見ていた。

ちなみに逃げる未来では逃げようと一歩踏み出した時点でその先が見えなくなった。

きっと即座に殺されたのだろう。

そしてこの組織の傘下に入った俺は今ボスの隣に立っている。


「カルマくん、どうかね。彼らの動きは私の望む未来に繋がっているかね。」

「はい、問題ありません。何か不具合があれば即座に伝達します。」


今俺は楓の動きをGPSを通じて監視している。

楓には任務が始まる時にどういう手順で動けば最速かつ安全に任務を完遂できるかを伝え、それ通りに動いているかを見ている。

楓のマジックは「クレイモア」

自分が立っている場所から半径10メートル以内の任意の場所に無数の針山を発生させる。

そして今回襲撃するのは今巷で噂となっている違法カジノである。

この組織は無差別に襲撃しているわけではない。

先日爆発したカラオケ店では麻薬の密輸が行われていたらしい。

それでも無関係の人々を巻き込んだことは到底許されることではない。

そもそもいかなる理由があれど人の命を奪うことが正しいわけではない。

そしていま俺は人殺しの手伝いをしている。


「楓の任務、無事完了したみたいです。」


楓からの連絡をボスに伝えると


「そうか。ではカルマくん、もう上がっていいよ。」


そう言われると俺は一礼をして部屋から出た。

初めて犯罪の手伝いをした感覚が俺の精神をむしばんでいく。

不快以外の何物でもなかった。

それでもこうするしかなかった、これ以外の道なんて俺にはなかった。

世間では俺は行方不明扱いになっていた。

今頃きっと母親や友達みんなが心配だ仕方ないころだろう。

もうあの頃には戻れない、戻る資格なんてない。

自分の部屋に戻ると限界に達して部屋にある洗面台に胃の中身をすべてぶちまけた。

目の前の鏡を見ると大粒の涙でぐちゃぐちゃになった自分の顔がうつっていた。


「なんで、、、なんで俺なんだよ!俺はただ、、、ただ平凡に生きれればそれで、たったそれだけでよかったのに、、、なんで」


俺はその場にしゃがみ込むと行き場のない思いを抱えたまま泣いた。

意味がないとわかっていても今はそれしかできない。

明日も明後日もその次も俺はきっと人殺しの手伝いをするのだろう。


「明日なんて来なければいいのに。」


無意識にそんなことをつぶやいた直後、俺の意識は思いとは裏腹に遠のいていった。

お久しぶりです満島空です。

無事受験も終わり、今日から執筆活動を再開します。

受験の間もインスピレーションが沸いて仕方なく、ただただ書きたくて仕方なかったです。

そしてそれがやっとできるということで、これからも精いっぱい頑張っていきますのでどうぞよろしくお願いします。

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