第3.5話 似非カフェ入店(鏡視点)
登場人物
赤坂 慎:苗字決めました。大学1年生。男。DT。
男 鏡:女。たれ目美人。
赤坂じじい:名前はまだない
ハローハロー皆さんハロー。ここは、ある民家の庭にある、知る人ぞ知る似非カフェ赤坂というところです。
なにが似非カフェかって?カフェのようにお洒落じゃなく、庭にオープンカフェのように木製のテーブルと椅子を設置されているだけなのです。カフェと呼んでいいのかって?だから似非カフェなんじゃないでしょうか。
私は、ある日、ある神社で偶然出会った赤坂慎という男性に興味を持って、連絡を取っていたら、お爺さんの庭にある似非カフェなるところで、お茶でもしながら行先決めませんかとお誘いをいただきました。農家でカフェっぽいものというのに興味がそそられてしまい即答で是非お願いします。と即答にて伝え、待ち合わせをしました。第一目的のお爺さんの自宅は、門構えがしっかりしており重厚です。慎さんは古いだけですよと言っていますが、これは名家と言っていいような重厚さです。こんな純和風に、カフェか・・・そそられます。
では、早速潜入してみましょう。門をくぐると、百坪くらいはあるんじゃないでしょうか。庭というよりは、広場といったほうがいいですね。植木らしい植木ははなく、あるといえば広場のやや端っこに春になると見ごたえが想像しているよりも、ありそうな立派な桜と反対側には時期がくればいい香りを漂わせる事間違いなしの金木犀があるくらいです。
そんな広場の中央には、正方形で少し大きめの木製テーブルと木製椅子が設置されています。年季は入っていますが、丁寧に手入れをされていたのでしょう。温かみを感じるものでした。ただそれに対して、明らかに後付けされている、ガーデンパラソルと広場の周りにある納屋や、これから使うのかトラクター等の農作業用の機械が目につきます。私の感覚からすると、アンバランスでパラソルを開け閉めしてみたら、笑いが止まらなくなりました。
どうやら、うちの勘は間違ってなかった。おもろい人達なんやと、自信から確信にかわりました。それは、お爺さんなんで、執事みたいな恰好してんの。しかも、堂に入ってるから、違和感なしやけど、周囲の環境から考えたら、アンバランスすぎるわ。
さらに慎さんとの、やり取りも微笑ましく、私が彼女なるかもしれないだの、ならないだのとありがちな話しをして楽しんでいるようでした。言ってくれれば別に、写真やビデオでも、一緒に撮るのに、慎さんは何をムキになってるんでしょうね。でも、慎さんが本当に怒る前に話しを戻したりするので、慎さんも引きずることもないようです。このお爺さんできるひとだ。見てて飽きないし、幸せで充足した笑いが出てしまう。
やり取りも終わり、お茶を用意してくるとのことで、母屋にお爺さんが消えましたが、慎さんと話をしていると、お爺さんから慎さんにお手伝いの声がかかりました。
「お~い、慎よ。受け取ってくれ~。」
「はいよ。いつでもどうぞ~!」
ありがちですねぇ。でも、受け取ってくれ?持って行ってくれとか取りに来いとかだったらわかるんだけど、慎さんも、いつでもどうぞと言いながら席から立たないのを見て、訝るのだがその後、慎さんが慌てた様子で叫びだした。
「爺さん、ちょっと待ってくれ!」
えっ?どうしたの?何を焦ってるの慎さん?
席を立ちあがった慎さんに向かって、何か飛んできました。
お盆に乗ったティーカップセットが・・・
驚愕で、うちの時間はここで止まってしまいました。
鏡さん視点の、入店感想回でした。
読んでいただきありがとうございました。拙い文章が恥ずかしいですが、本人は楽しんで書いてます。
誤字脱字はご指摘いただけたら嬉しいです。