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幕間 ちびおばさんのどら焼は甘さ控え目

ちびおばさん視点です。

甥っ子のカイレウスが悩んでるってフィナちゃんに聞いたよ。

まったくグジグジしてんじゃないよ。


ヒフィゼ部屋群の廊下をてくてくと歩いて当主一家の住む方へ進む。


ナルドのやつが焚き付けないと甥っ子一生結婚できないっておどしたよ。


「ヴィアラティア様、お帰りなさいませ。」

青い髪の男性…オルファウス王宮管理官が礼をして扉を開けてくれた。

早く大人になりたいな…。

まったく王宮は大きすぎるよ。

「ただいま帰りました 。」

私はよっこらせとカバンを背中からおろして王宮管理担当官に荷物を渡した。


王宮管理担当官は国家公務員だ。

他の国だと家令や侍女とか侍従ってことになるらしいけどね…国から家に派遣されてる形なんだ。

だから誇りを持って仕事をしている。

給料も国からでていてそれも含めて管理費を王宮に部屋がある貴族はおさめるのが決まりだ…金額は部屋の数によって決まるらしい。

大貴族の証なんだよね、王宮に沢山部屋があるのって。

個人的に雇うのも可能だけど…王宮管理担当省からの審査が厳しいらしいのであまり見たことないよ。


「ヴィアラティア様、お父様もお母様もお帰りですよ。」

オルファウス王宮管理担当官がにっこり笑った。

「……ハア…あの甘い環境に帰るのか…。」

私はため息をついた。


部屋にかえる途中甥っ子にあった。

まあ、私の甥、姪は間違いなく年上だよ。

なんせ、お父様がお母様と再婚したとき生まれてたのが大半だしね。


私はまだ幼年学校9年生で幼いとされてる。


「ちび叔母上、今お帰りですか?遅いですよ。」

甥のマキニウスがニコニコとその巨体で私の行く手を遮った。

甥のマキニウスは傭兵学校9年生で黒髪に茶色の目の美丈夫というやつらしい。

「フィナとナルドの家にいってた。」

私はぶっきらぼうにいった。

「フィナたんにあってきたですか、悪い虫はついてなかったですか?ちび叔母上?」

マキニウスが少し興奮しながら言った。


この変態め、ディルフィナは私よりまだ一つ下なのに…こいつは大人になったら…いやなる前に求愛しようとしてるらしいよ。

フィナには異世界に彼氏がいるんだよ、マキニウスくん。


「まあ、いつもどおりだよ。」

カイレウスを焚き付けろってナルドに言われた以外は。

フィナはごめんなさい~っておろおろしてた。

可愛い、だからこういう怪しい男がきゅんきゅんするんだよね。


気を付けさせないと。

そう思って甥をチラっと見上げて横を通りすぎた。


「僕もいきますよ。」

甥はニコニコついてきたので放置しておいた。



部屋に帰る途中の中庭で両親に遭遇した。

やっぱりお母様はお父様に抱き抱えられているよ。


「おお、ヴィアお帰り。」

確かに高齢なはずのお父様が若々しくいった。

本当なら引退の年齢なのに変わらないってドーリュムのおばさまが素敵って騒いでた。

「ディシテウス、ヴィアが帰ってきたしおろしてよ。」

今一つ正体不明なお母様がお父様の胸筋をポカポカ叩いて言った。

そういや、フィナの家のおばさまも今一つよくわかんない人なんだよね。


当たらない占い師らしいんだけど、たまにどっかに出張するらしいし…レオカシオおじ様放っておいていいの?カッコいいからとられちゃうよ。


「ヴィアは気にしないから大丈夫だ…ん?マキニウスも来たのか?」

お父様が下ろすきなく言った。

「ええ、僕も気にしませんよ、エストレージャ祖母上様。」

マキニウスがニコニコした。

「お父様、お母様お帰りなさい。」

私はため息をついていった。

「ああ、ただいま。」

「ただいま~ヴィア、お土産あるよ。」

お父様からなんとか逃れようとしながらお母様が虚空から何か包み出した。

「危ないものじゃないですよね。」

マキニウスが半眼になった。


いつかのお土産のぱぷぷ(水のモンスター)が逃げ出してガイウスお兄様とジーミシアお姉様と甥姪たちに迷惑かけたことがあったからだ。


「大丈夫だよ、美味しい縮屋(チヂミヤ)のどら焼だから。」

お母様が必死で降りようとしてお父様にさらに抱き込まれた。

どら焼の包みはその前に確保する。

「なぜ逃げようとするんだ、レージャ。」

お父様が妙な迫力でいって中庭の椅子にこしかけた。

当然お母様は膝の上だ。

「子供の教育に悪いわ。」

お母様がブスッとしていった。

「何を言う、将来抱き上げてもらうときの教育になるだろう?」

お父様がそういいながらお母様の背中を撫でた。

「いいの?嫁にやって。」

お母様が意地悪な顔をした。

「………いや、ヴィアはいやだな…王族とてやりたくない。」

お父様が悲しそうな顔をしてお母様が頭をなでてごめんなさいと小さく謝った。


どら焼の包みを開けてマキニウスにも一つあげた。

美味しそうなどら焼だよね。

粉砂糖頼もうかな?ニホンのは甘さ控え目だから。


「相変わらずアマアマですね、僕もフィナたんと早くああなりたいです。」

マキニウスがニコニコとどら焼にかじりついた。

そして甘さが足りないって呟いた。

「…フィナちゃんはウィルフレド君と付き合ってるんじゃなかったっけ?」

お母様が小首をかしげた。


お母様~けだものにそんな情報教えちゃダメ!


「誰ですか?その虫は…。」

マキニウスが低い声で言った。

「え?フロールシアの…。」

お母様が言ったところで私はマキニウスに転移の魔法を使った。



どっかの部屋にでた。


「ちび叔母上、僕はしっかり聞きたかったのですよ。」

マキニウスが危険に低い声で言った。

ま、不味い?私は後ずさった。

何か柔らかいものにぶつかった。


「何が聞きたいんだ?マキニウス。」

柔らかいものが言った。

「カイレウス兄上、ちび叔母上に聞くことがあるのです。」

マキニウスが危険に目を細めた。

「やめておけ。」

カイレウスがそういって私を背にかばった。

「僕はフィナたんにつく悪い虫の居場所が知りたいんです!」

マキニウスが闘気を纏って言った。

「お前が誠意を込めて求愛すればよかろう!」

カイレウスが叫んだ。

「カイレウス兄上には説得力がありません。」

マキニウスが答えた。

「悪かったな…。」

カイレウスが落ち込んだ。

「はやくしないと取られるよ。」

私はレオナルド君からいわれたことをおもわずいった。

「……それは聞いた、もちろん行動にうつすが…泣かれたらと思うとな…。」

カイレウスが落ち込んだ声を出した。

「僕も…考え直します。」

マキニウスが言った。

人の振りみて我が振り直せ、ライバル殲滅作戦をねろう。って呟きが聞こえた。


こ、今度レオナルド君に相談しようか。

フィナちゃんじゃたぶん無理だよね。


「だが、必ずリンレシナをてにいれて見せる。」

カイレウスがそうにどこかみていった。


まあ、いいけどさ。

私はまだもってたどら焼を一口食べた。

甘さ控え目でやっぱり粉砂糖がいるみたいだ。


みんなもう少しまわりをみて行動してよ。

私は基本的に無関係なんだってば。


まあ、甥姪はじめ身内には幸せになってもらいたいけどね。

駄文を読んでいただきありがとうございます♪

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