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プロローグ 新人王宮警護官はやけハニータルトする。

…短編まとめてしまいました。

それにともない短編は検索除外設定にしてしまいました、評価及びお気に入り登録して下ったのに申し訳ございません。


まだまだ終わりそうにないからなんです。

小豆色のたて襟には国花ラーキャの花とミツバチの襟章。

右腕にも同じ紋章がついた長衣に細身のズボン。

連絡用のピアスはグーレラーシャ傭兵国花のラーキャの花弁ハナビラを模した銀の小さいもの。


黒い髪を隠し武器を仕込んで一本ミツアミする。

王宮警護官は女性もミツアミするのがきまり。

首の保護と男女差をあまり出さないため…でも女性は申請すればラーキャの花浮き彫りある小さいの簪が支給されるからそれも根本につける。


グーレラーシャ傭兵国、王宮警護官の制服を着た自分を鏡で見てニヤニヤしたのは今朝のことです。


新人王宮警護官、リンレシア・ファウルシュティヒがんばります!


「はあ…王宮ってやっぱり広いですね~。」

私は廊下を巡視しながらぼやいた。

「…私語厳禁だ、新人。」

オプティア先輩に注意された。

「すみません。」

私はちいさいこえで謝った。


王宮警護官は私語厳禁なんです!

高官とかの会話を邪魔しないようにです。


グーレラーシャ傭兵国の王宮はほぼ平屋でいくつもの中庭を囲む砦方式の建物らしいです。

もちろん豪華なんだけど、そこに住んでるのは王族だけじゃなくて高位の貴族、有力貴族の一族住んでる部屋群まであってとっても広大なんです。


もちろん、全部一人で回るわけじゃないけど…。

広すぎて…うん王宮警護官なんだし頑張るぞ!



「ふにゃー…王宮広いですにゃ~。」

私は詰所の机で突っ伏した。

「おい、食事にいくぞ。」

オプティア先輩が容赦ないお言葉をくださった。


王宮職員食堂で昼食予定だけど疲れすぎて食欲わかないです。

もちろん、お弁当とか売店、コンビニの人もいるんですけど、王宮職員食堂、安くて早くてボリュームたっぷりでそこそこ美味しいのでよく利用します。


「うん、いっておいでー食べないと持たないよ。」

ニフィロ主任警護官が穏やかに笑っていってくださった。


うーん、カッコいいです、抱き上げてもらうならあんな方がいいな…奥様がうらやましいです。


私もいつか求愛して抱き上げてくれる男性が現れるんですかね…私より強い人希望です。


「ぐだぐたしてないでいくぞ。」

オプティア先輩が急かした。


少なくともオプティア先輩だけはないと思います。



王宮には色々な人が出入りする。

それをさりげなく監視して不振人物を入れないのがもちろん私たち王宮警護官のメインの仕事です。


いざとなったら戦闘もしますけどね。

傭兵ギルドの傭兵や町の警護官とは役割が違うんです。


もちろん逮捕権や捜査権もあるのですが、そちらは専門の捜査官がべつにいますから…。


今日も異常はないみたいですね。


「もっときりっと出来ないのか?」

巡視しながらオプティア先輩が小声で注意した。

嬉しすぎてニヤニヤしてるのが見とれたみたいです。


仕方ないじゃ無いですか!

私、憧れの王宮警護官になれたんですよ!


私の母親は異世界のニホンというところで警察官とか言う仕事をしてます。

ちなみに父親は傭兵ギルドの傭兵です。


母親の仕事に憧れてが王宮警護官になった最初の動機なんです。


『東王宮第二中庭前廊下に急行せよ。』

通信ピアスに指令が入った。

オプティア先輩と目を合わすとうなづかれた。


二人で走り出す。


東王宮中庭前廊下は王族の部屋の方ですよね。


「私はメルティウス殿下にお会いしたいだけだ!」

王宮管理官が外国人らしい男性の逆ギレに対応している。

「ご芳名をお伺いしたいだけです。」

王宮管理官が愛想笑いを浮かべて言った。

「なんて失礼なんだ!私を不審者呼ばわりとは!」

男性はそういって王宮管理官につかみかかった。


「お止めいただきたい。」

オプティア先輩がそういって男性の腕を持った。

「私を今度は犯罪者扱いか!?この国の警護官はどうなってるんだ!」

男性が暴れ出した。

「落ち着いてください!」

私も王宮管理官から離そうともう片方の腕を持った。

「邪魔するな!私はヌーツ帝国の外交官だぞ!」

男性が怒鳴ったので壁にオプティア先輩が押さえ込んだ。

「失礼だ!」

男性が暴れるので拘束符を出した。


後で問題にならないといいけど。


「何事だ?」

王族の部屋の方から金の髪の男性が焦げ茶色の髪の長身の男性を従えて出てきた。

金髪の男性はグーレラーシャ傭兵国、王太子メルティウス・グーレラーシャ殿下ですよね、もう一人は誰なんですかね?王宮警護官じゃ無さそうだけど…動きに隙はないですよね。

「申し訳ございません、メルティウス殿下、こちらの男性がご面会を突然賜りたいとおいでになりまして…。」

王宮管理官が乱れた服を直しながら言った。

「メルティウス殿下!我が国のジェーアリーヌ皇女殿下との婚姻をお願いに参りました!放せ!」

自称外交官がもがいた。

「ピエスギア外交官…王宮警護官、離して差し上げろ。」

メルティウス殿下が苦虫を潰したような顔をした。

「しかし、メルティウス殿下危ないのではありませんか?」

王宮管理官がいいつのる。

「剛力のカイレウスがいれば大丈夫だ、放せ。」

メルティウス殿下が言った。

オプティア先輩が壁からピエスギア外交官を解放する。

「王宮警護官のしつけがなっておりませんぞ。」

服を整えながらピエスギア外交官が私たちをにらみつけた。

「失礼した、だがジェーアリーヌ殿との婚姻の件はお断りしたはずだが。」

メルティウス殿下が少し迫力ある笑みを浮かべて言った。

「……ジェーアリーヌ皇女殿下にあっていただければきっと…。」

ピエスギア外交官がたじろぎながらもいいつのる。


「メルティウス殿下、ピエスギア外交官も仕事なので一応言わずにはかえれないのですよ。」

剛力のカイレウスが口を挟んだ。


うにゃ、どうみてもピエスギア外交官を威嚇してますね…貴族の若様なんだろうけど…剛力っていう二つ名がついてるっていうことは傭兵ギルドの傭兵?…焦げ茶色の髪と瞳が印象的の若い武人ですね。


「え、ええ、そうですぞ!ぜひ我が姫におあいにいなっていただければあのおかたの魅力に気がついていただけるのですぞ!」

興奮しやすいたちなのかピエスギア外交官がついにメルティウス殿下に迫りだした。


王宮警護官、最重要な仕事!

王族の守護、いきます!


私はすぐにピエスギア外交官の首根っこにつかんだ。


「お、おい。」

オプティア先輩の慌てた声がしたけどそのまま持ってた拘束符を貼りつける。


とたん、ピエスギア外交官が止まった。


「なにを~私はヌーツ帝国の外交官だぞ!」

ピエスギア外交官が動く口だけで騒いだ。


「なにやってるんだ、申し訳ございません。」

オプティア先輩があわてて解放符を出そうとしている。


あにゃ?私、失敗しましたか?

私もあわてて解放符を出さそうと隠しポケットを探った。


「ハハハハ。」

爆笑が聞こえて見るとメルティウス殿下が笑っている。

カイレウスも笑いをこらえているみたいで肩が震えている。

「申し訳ございません。」

王宮管理官もふるえる声で言った。


やっとオプティア先輩が解放符をとりだして拘束符を解いた。



「全く、しつけがなってないですぞ!」

頭から湯気を出しながら王宮管理官に導かれてピエスギア外交官が去っていった。

「ご苦労だった。」

まだ笑いながらメルティウス殿下は剛力のカイレウスを連れて執務室の方へ去っていった。


剛力のカイレウスも笑ってた、絶対です!


「オプティア先輩…私、始末書ですか~?」

うにゃ~…私は警護官の略礼をしながらちょっと涙目だった。

「…俺も書くから…。」

オプティア先輩がため息をついた。


どうして仕事しただけなのに…こうなるんですか。



「えーん、失敗しちゃいました。」

へこむ心を慰めるために買い食い中です。

売店のハニータルトはなかなかいい甘さです。


近くの中庭は解放されててテーブルと椅子と日除けが設置されてる。


夕方の日除け意味ないですけどね。


もちろん、一人言です。

友達は街にいるし…同僚もローテーションがあわなかったんです、オプティア先輩は早々帰りました…恋人かな~今日は街に帰れる日だもんね~。


王宮警護官はその特殊な仕事ゆえにプライベートも制限されるんです。


家から通う場合は守秘義務符をバッチリつけて通勤らしいですね…オプティア先輩は王宮内の独身寮だけど外出が可能の日らしく始末書かきおわったらあわてて帰っていったです。


「うにゅーどうしてこうなるんですかにゅー。」

私はテーブルに突っ伏した。

夕闇迫る中庭に魔法の灯りが点り始めた。


お母さんならあのとき臨機応変に対応出来たかな?


「ん?なんだ、お前大丈夫か?食中毒か?」

上から美声がして顔を上げた。


…あれ?なんで貴族の若様がこんな独身寮近くの売店前の中庭にいるんですか?


剛力のカイレウスがそこにいた。


「…なんでこんなところにいるんですか?」

それにしても背が高い…首いたいです。

「……ああ、お前、昼間のへっぽこ王宮警護官か?」

カイレウスがわらいだした。


思い出しわらいなんてしないでくださいよ。


「へっぽこ王宮警護官ですよ、どうせ。」

私は顔を背けた。

「すまん、ついな…あのあと笑いがわきあがって大変だった。」

カイレウスがまだ笑ながら言った。


夕闇に焦げ茶色のミツアミが溶け込んで凛々しい顔に思わず見惚れた…まーだ笑ってますけどね。


「知りません、どうせもう会わないでしょうし。」

私はハニータルトをかじった。

「どうだろうな?メルティウス殿下はお前に良い印象を持ったようだぞ、それにオレはヒフィゼ家のものだから案外あうかも知れないぞ。」

楽しそうに笑って私からハニータルトを奪い取って口に放り込んだ。


「うにゅー!私のハニータルト!」

私はたちあがった。

「うん、うまい、お礼に今度おごるぞ、へっぽこ王宮警護官。」

カイレウスがそういって私の頭を撫でた。

「へっぽこ王宮警護官じゃありません!リンレシア・ファウルシュティヒです!」

私は撫でる手を振り払った。

「そうか、オレはカイレウス・ヒフィゼ、ヒフィゼ家の三男で傭兵だ、覚えておいてくれ。」

また、笑ながらカイレウスは手を振って去っていった。


あたりはすっかり夜の闇に包まれている。


「にゅー、絶対に覚えてなんておかないです。」

私は小さくなっていく後ろ姿に舌を出した。


あれ…カイレウスって貴族の若様って今確定したよね。

代々王立傭兵ギルドの管理官長をつとめるヒフィゼ家の三男?


なんでそんな大物がこんな王宮の独身寮なんか来るんですか…確かに廊下と中庭でつながってますけど。


あの人のことはこの際忘れて、明日こそ失敗のないように頑張るぞ!


早く一人前の王宮警護官になれるように頑張ります。

始末書…もうこりごりですー。

駄文をよんでいただきありがとうございます。

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