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先生
入学式から4日後のこと。
「いやぁ まさか沙夜と一緒のクラスになれるとは思ってなかったなぁ」
私のとなりでそう言うのは小学校からの友達の舞。
「そーだねぇ」
「奇跡だよね・・・次って数学?」
「いきなり!? うん数学」
「ごめんごめん、数学って確か・・・響谷先生だったっけ?」
「んー、確かそうだった気が」
「あ、ほら来たよ」
がらりと教室の前のドアが開く。
入学式とはまったく違う白衣姿の響谷先生が入ってきた。
「へー。よく見るとなかなかイケメンだねぇ~」
舞がニヤニヤして言う。
「うん。まあ(なんで白衣?)」
適当に相槌をうっておいた。
「でもさ~やっぱ年上だからなぁ」
「そうだね」
そうだね、なんて言ってしまったけど
実は私、年上派なんです。
中2から中3にかけて塾の先生に恋してた張本人ですから。
授業の始まりを知らせるチャイムが鳴り響いた。
「号令ー」
響谷先生が声をかけた。