初めてのお喋り
次の日、あたしはこの恋を結希に話すことにした。
結希とあたしは幼稚園の頃からの親友だ。結希は中学の時に引っ越してしまったけど、それからも一緒に遊んだりしていた。今では一番信頼できる相棒みたいな存在かな♪
放課後、あたし達はいつもの喫茶店でまったり。
あたしは大好きなストロベリーパフェを頼んだ。結希は昨日と同じくチョコレートパフェ。
ガラスのテーブルに自分の顔が映っている。今日は少し頬がピンクがかっているような気がする。
「で、話って何何?」
結希がきりだした。
「あのねぇ、、実は好きな人がいるのっ!」
「マジぃ?!」
それからあたしは、好きな人がバスでよく会う人だとか、髪がすごくキレイだとか、時間も気にせず彼のことを語りまくった。
ちょっと遅くなっちゃったなぁιι
結希と別れて駅に向かう。
今日は洋輔さんに会えないかも…。会いたい。素直にそう思った。
その想いが届いたのか、駅に着くと、洋輔さんがいた。
やったぁ〜!神様ありがとうっ!!心の中で思わず叫んだ。
駅のバス停には洋輔さんとあたしだけ。あたしはまた洋輔さんの斜め後ろに立つ。
この状況を結希に伝える為に携帯を取り出そうとした。
チャリーン
携帯と同じポケットに入れていた指輪を落としてしまった。指輪は洋輔さんの足元に転がっていく。
ヤバイ!どうしよう。。。
すると、
「はい、どうぞ☆」
あたしには眩しすぎる笑顔でそう言って、洋輔さんが拾ってくれた。
「あっ、ありがとうございますっ!」
今にも飛び出てきそうな心臓のドキドキがバレないように…って思ったけどこんなに声引っ繰り返ったらもろバレだよね…。
洋輔さんは、テンパってるあたしを見て、あははって優しく笑った。
「可愛いなぁ」
笑いながら洋輔さんが言う。
「えっ?!」
何言ってるんですかっ!!あなたの方がかっこ良過ぎですからっ!!
その後すぐにバスが来て、結局それ以外は何も話せなかった。
バスを降りてから、さっきの出来事を結希にメールで報告した。
『良かったじゃ〜ん♪一歩近付いたね!』
と返信が返ってきた。
あれは夢じゃないよね?一応頬をつねってみた。現実なんだ、と確認する。
洋輔さんと話せた★嬉し過ぎて涙が出そうだよ。もう完全に恋の病にかかってるね。
「可愛いなぁ」
って言ってくれた時のあの笑顔が頭の中に広がる。とても“好き”なんて言葉じゃ言い表わせないくらいスキ。どうしてこんなに好きなのか自分でもよくわからない。
ただ、愛しくて仕方がなかった。