公園にて
あたし達は公園のブランコに腰を掛けた。
さっきまで暑い日差しが眩しかったのに、夕方になると陽も落ちて涼しい風が気持ち良かった。
「俺さー、」
空くんが話し始めた。
「中1の時から今までずっとその子と同じクラスでさ、」
ってことは高校も同じなのかぁ〜。
あたしは時折
「うん」
と相づちを打ちながら話を聞いた。
「まだわかんない?」
「え!?全然わかんないιι」
そのヒントだけじゃわかんないよ〜。
「水野のことだよ」
「え。どういう意味?」
まだあたしは状況が飲み込めていない。
「水野のことが好きなんだ」
空くんは優しく言った。
月明かりがあたし達を包む。長い沈黙。
驚いて声が出なかった。あの空くんがあたしのことを…?
「あたしは、ね、」
やっと声を出すことが出来た。
「空くんのこと、本当に憧れてるし、優しくて頼りになるし…大好きだよ」
「じゃあ…っ」
「でもね」
あたしは空くんの声を遮るように言った。
「それは友達としてなんだ。」
「…そっか」
「ごめんね」
「水野が謝ることないって!」
空くんは笑顔であたしに言ってくれた。
「俺ふられちゃったけどこれからも友達でいてくれる?」
「当たり前じゃん!!」
「マジで!ありがとうっ!水野の一番の友達になれるように頑張るから!!」
それからあたし達は月明かりと街灯に照らされながら、一緒に帰り道を歩いていった。