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中古にまつわる怖い話と奇妙な話  作者: 夏の月 すいか


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おもちゃの報せ

 ―玩具リユースショップ パート勤務 日高(ひだか)さん(仮名)の話―

 

 ある日、日高さんが買取をしたおもちゃの中に、今年の誕生日プレゼントで息子の響輝(ヒビキ)君にあげたものと同じ、特撮ヒーローの変身ベルトがあった。

 「新しいおもちゃなのに、この人はもう売っちゃうんだ。確かにきれいな状態の方が高く売れるし。乱暴に遊ぶからヒビキのなんか傷だらけだもんな」

 その変身ベルトは新品同様にきれいだったので、高い買取金額がついた。

 翌日、日高さんはその変身ベルトを売場のショーケースにディスプレイするために、箱を開けた。

 だが、新品同様だったはずのベルトの、バックルや帯にあきらかに無数の傷やメッキ剥げがある。

 「おかしいな。見落としたかな。でもこんなに大きな傷見落とすはずかないけどな…」 

 そこで日高さんには気付いたことがあった。

 「この傷の付き方、ヒビキが持ってるのに似てる…」

 響輝(ヒビキ)君がベルトを放り投げた際にぶつかってできたバックルの傷や、ベルトを振り回した際に切れかけた帯など、似ているというより響輝(ヒビキ)君のベルトそのままだった。

 「なんで…」

 疑問に思っている日高さんのところに、電話の子機を持った同僚がやって来た。

 電話に出ると、響輝(ヒビキ)君が通う幼稚園の担任の先生だった。

 響輝(ヒビキ)君が園庭の遊具から落下して病院に運ばれたという緊急の電話だった。

 日高さんはすぐに仕事を早退して、病院に向かった。

 響輝(ヒビキ)君は命に別状はなかったものの、落下時に歯で舌を噛んでしまい、舌が半分裂けてしまう大けがをしてしまった。

 手術も無事に終わり、日高さんは数日後に仕事に復帰した。

 ショーケースに飾られたあの変身ベルトは、やはり新品同様の状態だった。


 それ以来、日高さんは自宅にあるおもちゃと同じものを店内で見つけた際は、何か起こるのではないかと身構えるようになってしまった。

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