木枯らしはバカみたいに風鈴を鳴らす
掲載日:2025/12/21
この作品は「なろうラジオ大賞7」参加作品です。
慣れない街を歩いている
昨日までの雨雲を
すっかり吹き飛ばす勢いで
木枯らしが
ゴーッ!
ビューッ!と
時折
私に体当たりして来る
よろけるものか!
流されるものか!
押し倒されるものか!
ザクザクザクザクと歩きながら
私は荒れたくちびるを噛み
歯を食いしばり
両手をコートのポケットへ突っ込んで
ただただ
歩き続ける
目的はある
そう!
言い訳めいた目的は
ある
だって
それは
生きる為の方便だから
だからその方便にのっかって
歩みを止めず
ひたすらひたすら
私は
歩き続ける
“One-trick pony”なんて
上等なものじゃない私の
たった一つの
つまらない意地を
もうひとりの私が
笑い飛ばして
ペチャンコにしようとするけど……
バカは死ななきゃ治らないから
やっぱり私はくじけない
でも
そんな私を嘲笑うかの様に
どこかの家の軒先に忘れ去られた
夏の風鈴を
木枯らしはバカみたいに
鳴らし回った
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