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農村の消費者

昨日に続いて、昔、買って家にある本の中身話


その本によると、日本人の心の奥底には

江戸時代の農村文化が根付いているというもの



 先祖代々から受け継いだ田畑を守るために


 身の程をわきまえ、酒や博打などには目もくれず


 口先だけで仲介手数料を稼ぐような事はせず


 毎日、地道に野良作業を繰り返す農村の百姓として生きるのが当たり前



 家も村の一部なのだから、同じ村で同じ百姓として生きる人々との

 人づきあいが何より大事


 同じ村の子供組で小さい頃から関わっている人々とだけ

 生涯を一緒に過ごすのが当たり前


 村の外は、この世では無い。よそ者になってしまうと誰にも相手にされない

 どの地も同じように、同じ村の内輪での人づきあいがあるのだから


 だから、村長様や庄屋様、村三役などの

 村の上役が決めた村の掟に従うのは当たり前

 従わず村八分になる愚か者は制裁を受けて当然なのだ

 村の掟は守らなければ、ならない。



そんなような、一生を農村の百姓として過ごすための常識に

日本人の多くは囚われていて逃れられない。


というような内容の本だったのですが



この本に示されている論理だと、消費文化というものは

ほぼ存在しません


年貢である米を藩に収めるために働き

百姓として野良作業が出来る程度に飲み食いできて

雨露を凌げる家で一緒に野良作業をする家族と過ごせれば、それでいい

それが、百姓として農村に生きる村人の人生

そういう生き方が当たり前


漁村も、年貢で納めるモノが違うだけで

野良作業が地引網の網弾きや、船を出しての漁で違うだけで

同じような漁村の漁師として生きる人生が当たり前



というような事が書かれている本だったのですが


江戸時代の行商文化と、日本橋や堺のような

商人が集まった町について書かれた本もあるのかな

と探してみたのですが、どの本も農村文化ほどには

ピンとこないものでした。



日本橋の馬喰町、横山町のように

江戸時代から続く老舗の卸問屋が立ち並ぶ町について

書かれた本は、江戸時代までについては書かれておらず


明治以降に、その中の三井や、住友が

総合卸商社となって三井住友グループを形成するようになった

近代総合商社について書かれた本や

それらの会社の仕事について書かれた本は山のようにあるものの


小さな問屋さんが集まった問屋街について

書かれた本は探せば、あるのかもしれませんが

探した事は、ありません。というか探す気が何故か湧きませんでした。



この本に書かれた江戸時代の農村常識に従うと


 消費って衣食住の住

 住んでいる場所に依存して発生するもの


 今、住んでいる町や村で生きていくのに

 最低限、必要なものだけを買うだけでいい


 それが、江戸時代から続く日本人の消費マインドだ。


という極論に落ち着いてしまうわけです。



 実際には、色んな消費感覚があるんでしょうが

 何故か、この江戸時代の農村百姓感覚や農村の掟が

 心に染みついていて


 他の感覚やルールには拒絶反応すら感じてしまい

 そういう常識があるのを頭では理解できても

 従って行動を起こすのに、凄く抵抗を感じる


そんな感覚になってしまう人が多いのだとしたら


 原始時代は政治も集落の構成員にかける呪いだった


という理屈で


 藩を納める御殿様が

 農村や漁村に生きる村人にかけた

 呪いに150年以上、かかったままなのかも


とか


 いまだに、こういう感覚な山村郡部な

 地方都市の営業所へ配属になった営業さんとかは

 よそ者扱いされて大変なのだろうなあ


とか、江戸時代農村文化についての本を読みながら

馬鹿げた事を思いついた一日でした。


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