偉大なる有名な我々
「そういえばだな。偉大なる有名な我々に所属する皆様が
月曜朝から金曜夕方まで職務に専念するために
関係無い部外者を追い払うアルバイトが、あるんだけど
春休みの間だけで、いいから、御前等の誰か、やらない?」
広告代理店OBが、そんな突飛な事を言い出した
『偉大なる有名な我々って? どんな団体なんすか?』
「いや、それはさ、守秘義務契約ってもんが、あってだな
実際に現場へ行く人間だけに知らされるんでな
実を言えば、俺も、どんな団体に行かされるのかは知らん」
『えー、なんかなー、怪しすぎませんか?』
「日給2万円だよ」
『番犬ポチと呼んで下さい』
というワケで少し妖しいバイトをする事になった。
当日、指定された所へ行くと人材派遣会社
んで、守秘義務契約書にサインさせられて現場へ
人材派遣会社の営業さんが守衛所で何かを書いて
敷地内に入って、そこに並んでいる建物の内の一つへ入る
入口に空港にある金属探知機みないたゲートがあって
そこを潜って中に入る入口には、また警備員の人がいて
ズラと並んだロッカーがあり、そこへと持っている
カバン、スマホを入れる指示に従い入れ建物内へ
仮眠室とかかれた部屋の横を通って
社員食堂とカフェが一緒になったような空間へ
そこで営業さんが内線電話をかけると
ここの我々様の中で管理職をしているらしき人が来て御挨拶
営業さんが凄く恐縮しながら何事かを話している
ドイツ語らしき単語が混ざった何かの専門用語なので
何を言っているのか、さっぱり理解できない。
営業さんが少しだけ簡略に説明してくれた事によると
2月15日に我々様による2026年度の投資案件概要だかが確定して
3月26日から始まる2026年度から実際に作業を開始するのだけれど
作業項目概要別の担当民間企業への支払いと責任範囲確定とか
統括役所の公官庁会計上、必要な書類とか
偉大なる我々様からすると面倒な所雑務で2・3月度は担当者が忙しい。
なので、我々の職務に関係無いが我々の中にいる人々の人間関係
同じ地域に住んでいる地縁は、前例として面倒な事象が発生したので
敷地内に社宅を用意して余計な人づきあいが発生しないようにしているが
正月休みだけ会っている親戚とかの血縁、元同級生とかとの集団縁
それと新しく我々の関係者になる新入社員とかについても
毎年、新年度が始まる前に全面調査を人力でして
我々の職務に関係無い人間関係は排除するのが恒例行事らしい。
なので、今回のバイトは、そういった我々様の人的資源会計上
マイナスになる人間が関係者の関係者の中にいないかをチェックして
我々の中ではマイナスだけれども、どこかプラスと判定されるかもしれない所へ
それらの人々を誘導したりするバイトという事だった。
なーんか、少し疑いを抱えた
怪しいマフィアが闇バイト実行犯を集めて警察沙汰になったら
闇バイト指示役から実行犯までを切り捨てるみたいな世界なのでは?
遠回しに少し聞いてみる
「嫌なら、いいですよ、やりたい人なら、いくらでも、いるから
それにね、そんな新聞沙汰になるような問題行動をするとか
どう考えても非常識で非人道的としか思えない行動をするとか
そんな事を我々の中の職務の一部として指示するとでも?」
『そうですよねー、その通りです』
「くれぐれも、指示された事以外の余計な事はしないで下さいね
我々の職務について何も知らないのに何故そうするのかも知らないのに
勝手な自己判断で作業しないで全て指示して貰ってから作業して下さいね」
ずいぶんと強く念を押される。
以前、誰かが、”余計な事”をして、凄く怒られたのだろーか。
まあ、そんなワケでレポート提出とか試験が終わっての
大学受験シーズンとかが始まった頃から、新入生入学シーズン前まで
この我々様の中でバイトをする事になった。




