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自作自演の独演会への招待

朝、起きて鏡を見てみる。


今年の正月に親戚の誰かが言っていた言葉



”何回、観ても、


 昔、関わった嫌いな誰かを思い浮かべながら悪口を言ったり


 色んな事への不満を貯め込んで


 心の中を、ぶちまけられる誰かがいたら


 ひたすら その心の中に浮かんだ罵詈雑言や不満を

 呪いの言葉で言いそうな顔だな


 心から楽しいと想って笑ったのって何年前だ?”



まさに、その言葉の通りに


心に抱えた不満や怒りが顔に出ているって感じの顔だ。




”相手に安心感を与える、にこやかな感じの良い笑顔”


と礼儀と愛想の良さで客商売をやっているという

その親戚からすると、こういう奴とは仕事が出来ない

と感じられる存在なのだろう。


まあ、そんな客商売なんか、逆立ちしても無理なのは

自分でも理解しているので、別に、どうでもいいのだけれども。



とはいえ、これも職業病というものかもしれない


とにかく、ひたすら単純確認作業


上司には



「出来ても出来なくても、どうでもいい作業だ


 嫌なら、いつでも、やめて、いいぞ


 この仕事をやりたがる奴なら、いくらでもいるから」



そんな事を言われながらの毎日。



心から楽しくて笑った事?


学生の時に・・・も、あまり無かったけど

この仕事をするようになってからは、そういえば無い


今迄に一度も


年末年始の忘年会でもグチと不満のブチまけを

喚くだけで終わり


同僚の誰もが、自分と同じように

不満と怒りだけを心に降り積もらせているって感じな


真っ黒けなブラック企業。



こんな仕事しか出来ないし、こんな会社にしか相手にされない


やっと入れた会社が

組合があるワケでも無い零細企業で


当然、ハラスメント対応とか無いから

滅茶苦茶な パワハラとかのハラスメントが

はびこっている会社


自分でもハラスメントや色んな差別ありきで

仕事をするのが当たり前になっているのは

仕方ないと言えば、仕方ないのだけれども


まさか、こんなに映像派遣技術者の世界が

過酷で滅茶苦茶な


”気合いと根性な脳みそ筋肉な体育会系”


だらけだとは思ってもみなかった。


今更と言えば、今更なのだけれども。



・・・・



とある木曜の昼休み


出身大学が同じで同じ映画サークルにいたのから

たまたま、電話がかかってきて


「”ボンボン先輩” が飲み会やるから来ないか?」 と言う。



”ボンボン先輩” メッチャ 妬ましい存在だ。



自分のいる同業者団体の中で底辺企業で

這いずり回る安い給料でコキ使われる底辺労働者からすると


お貴族様のような存在。



だが妬ましさのあまり、つい暴言が口をついて出てくる



「何? また、ひょっとして切りたくなった


 金目当ての女を自分より劣るだれかに押し付けて


 その女が自分への未練たっぷりに

 しょうがなく誰かと関わらせる


 って言う


 嫌われないように別れる年末恒例イベントへと つきあい?」



『まぁさ、しょうがないんだよ


 あれだけ、金とか持っていて、家柄とかも良くて色男だから


 女の方から 酔って いや 寄ってくるから


 それを分けてやるって言ってんだから


 いーじゃん、おこぼれを貰いに行こうじゃないか。な』



「そうだな、えーと、いつ?」



『明日の金曜日の夜、場所は、いつもの店

 会費は、いつもの金額だからね』



「了解、んじゃ、明日の夜に」



というワケで年末年始の ”ボンボン先輩” 主催


自作自演の独演会が開催されるのを見学する事となった。


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