SOHO
翌日も暇だったので産学連携センターへ行ってみる
丁度、なんかのイベントをやっていたので参加してみた
”SOHOクラブ” とかいう地元地方銀行の法人融資営業部が主催している
イベントで経営者による講演会が1時間ほどあって
その後、参加者による交流会があって飲み食いが出来る
という段取りで参加費用は千円というイベントだった
講演会の前に主催者による挨拶
地元地方銀行の、いかにも営業現場で
色んな地域密着型企業を経営する皆様と関わっています
って感じの人が
地域密着型企業として、この地域で会社を経営しているなら
皆さん、わかりますよね。知ってますよね
というような内容を含んだ挨拶と
口コミで広げて欲しい地方銀行のサービス宣伝などの
必要性説明を含んだ営業トークを演説した後
数年前から、やっている講演会について語る
「何年か前に、今は横浜で野球球団オーナーとなるほどに
成功した経営者さんとかが、まだ今に比べると小規模企業経営者だった頃に
講演して下さった頃から、色んな経営者さんに講演して貰っていますが
今日、講演して下さる経営者様は
話題のAI関連、人工知能に携わる事業を
リックルートが1980年代にスーパーコンピュータを利用して開始した
実験段階から40年近くに渡って携わり
現在はアメリカのベンチャー・キャピタル企業による
新興企業投資の日本版のような事業をする
リックルート関連企業の経営者として活躍されている方です。」
それから拍手と、ともに経営者様が入場
「我々はアメリカ式のベンチャー・キャピタル投資という事業をしております
その昔、インタルというCPU製造会社から独立して
投資家となった人が、マップルという今ではスマホ製品が有名な企業へ
出資して経営者としても参加し、そのマップルがパソコン製造販売で
成功して初期投資資金回収どころか何倍ものリターンを得た1980年代頃に
雨後の竹の子のように大量に設立されたベンチャー・キャピタル事務所ですが
実際の所、その草分けの企業も含めて
そんなに大人数の従業員を抱える企業は少ないです
親族数人で経営している同族経営や個人事務所のような会社などが多く
また、出資している会社も
アメリカ西海岸にある有名大学の映画学部にいたサークル仲間が立ち上げた
画像生成AIに関連した映像技術者向けソフトを開発する会社
次世代ネット環境での、バーチャル・ビジネス空間を運営保守している会社
などの
保守的で伝統的なオールド・エコノミー業界にいる
お上品なニュース番組のキャスターのような上品な英語を話す
アメリカ東海岸の伝統的大企業の従業員や、その家族からすると
”胡散臭い詐欺師のような妖しい感じがする新興企業や、それに投資する山師が
西海岸なまりの下品な英語で自分の金儲けの事ばかり言いやがって”
というような警戒心を抱えるような企業ばかりに出資しています
中には本当に、そんなのに出資しても無意味な
出資金を集めて計画倒産をする会社に近い
中南米マフィアのフロント企業のような会社もありますが
そこらへんは判別できるようになりました
どういう会社かを判別できるようになるまでには
結構な試行錯誤をする期間がありまして
もう遥か彼方の昔話となったAI関連事業でのシステム投資案件の世界で起きた
我々にとっては、よくある事象の、いくつかを例に語ってみたいと思います」
というような挨拶の後、AI事業が今のように生成AIや
特定企業向け各種業務効率化用AIなどで
大々的に大企業の事業年度計画に含まれるような形で
自分のような学生ですら知っている存在になる前の
知る人ぞ知る段階での、アメリカ西部劇の物語めいた昔話
西部の街を訪れた凄腕ガンマンが
街にはびこる悪徳ガンマンと決闘をして勝って
街に平和を もたらして 去っていく西部劇
みたいに話を盛っているなぁって感じがするけど
色んな意味で興味をそそる感じで情念こめて語る経営者さん
・・・
そして講演会が拍手とともに終わり
フリードリンクと軽食が運ばれてきての
早い者勝ちな立食パーティー形式な交流会
もう、すでに何度も参加している人々で固まっているので
なんとなく話しかけやすそうな人に話しかけてみると
県庁の産業推進課とか
市役所の商工会議所担当課などの公務員な皆様
いかにも、職務中の我々って感じに
職務に必要な事だけを語りますよ我々はって感じに
御挨拶と世間話
そして、そんなに群れていない人から名刺を貰ってみると
SOHOっていう個人事務所というか
個人事業主な形式で働いている人々
プログラマだったり、通訳だったり、映像技術者だったりと
会社に所属しない形式で随時契約で仕事をしている人が多く
中には、どこかの会社のセールスのオバチャンとか
60歳で定年したけど65歳になって年金生活者になるまでの
5年間をSOHOな個人事業主で過ごす予定な人とかもいた
仕事探しの練習なのか
ひょっとしたら仕事になる事も、あるかもしれないと想っているのか
どこかの会社の若い見習いセールスさんとかが
セールス・トークの練習をしていたり
起業したばかりの人とかが
自分が思い描く事業計画を地方銀行融資部の人へ
融資して貰うための様子見プレゼンをしていたり
結構に明確な目論見というものを抱えて参加している人が多く
なーんとなく、たまたま迷いこんだ自分のような人間は
なんか場違いな感じだった。
というか主催する地方銀行融資部の人からすると
よく見かける人種なのだろう
”あー、コイツとかは融資見込み客とかには、ならないな”
という本音が顔に丸出しだ。
後日、なんか貰った名刺のメールアドレス先へ
メールを送ってみたが、誰からも返事は返って来なかった
いつも通り、今まで通りの日常に戻ったら
なんか、どんなのがいる知らん所で見かけた
知らないヨソモノと関わろうという冒険家は、いないようだった。




