根拠の無い自信による未来への希望
どこにも、とても顔の広い人というのはいる
クラスの人気者って感じの誰とでも仲良くなれる人
いわゆる、いつから言われ出した言葉か知らないが
コミュニケーション能力の高い人
消費者研にも、そんな人が一応は在籍していて
で、何を主にやっているかというと
たまーにしか作らない自主製作映画の
資金集めを担当している
そして、社会人になって成功した金持ちになったOBに
活動資金としての寄付を御願いしに出かけていく
何故か、そういった活動資金集めをしている人間が
卒業すると、代わりのコミュ能力が高い
”集金人” がサークルの中に発生する
発生するというか、一番コミュ力が高い人間が
その役職の名前をつけられると更にコミュ力を高め
不思議と 集金能力を高めていく
肩書のついた椅子に座ると
その椅子に座った人間が出来ないと駄目な事を
自然と覚えるので、肩書にふさわしい能力をつけるのか
能力があるから肩書のついた椅子に座れるのか
鶏が先か、卵が先か、みたいな事を思いつくような現象だが
”集金人” と内輪で呼ばれる椅子に座ってくれる人がいるので
自主製作映画なんて金のかかる金食い虫を作れる
でも、その代わりに、色んなOBが暇な休日に
サークル室を訪れ、アレコレと語っていくのが当たり前になっている。
・・・
映画とかに情熱とかが薄くて、特に何かの才能があるワケじゃなく
なんとなく人づきあい程度にサークルに混ざった人とかは
たいがいは最近の消費者に人気がある最新流行を語る
”消費者研究者” になってしまう
いわゆる毒にも薬にも、ならない、その他 大勢って存在だ
かくゆう自分も、その一人
素晴らしい名シーンを書ける脚本書きの才能があるワケじゃなく
感動的なカメラワークを再現できるワケでもなく
主演役者をやれるような表現力があるワケでもなく
シーンに応じて情動を揺さぶる音楽を作れるワケでもない
もちろん、”集金人” が出来るような
こみゅにけーしょん能力 とやらが、あるワケでもない
なので、そういった才能がある内輪の天才に
嫌われないように人づきあいしている。
で、人づきあいをする内に
今年の大学祭での自主製作映画の脚本書きの才能がある先輩が
同じ文学部な事もあって、そのアシスタントをする事となった
安い製作費ですむ登場人物二人の会話劇の
大雑把な、あらすじを先輩が考えていくので
その、あらすじを聞いて思いつく
なんかの名作映画でも、テレビドラマでもいいから
自分が感動して情動を揺さぶられたセリフを
思いつく限り思い出して書きだしていく
という作業を数人でして
それらのセリフを観て、先輩が会話劇の会話を組み立てていく
当然、最初に出来上がるのは
色んな名作映画やドラマの名セリフを良さ集めた
パロディか、オマージュみたいな会話劇
それを何度も読み合わせている内に
何回、聴いても、ここで人間の善意に基づいた感情が
揺さぶられて良いねとか
これは一回だけ笑える小ネタなギャグにしか
ならないけど、ユーモアを感じさせるために残そうか
などなどと言い合いながら会話劇の会話を固めていく
で、とりあえず出来上がった脚本を
自主製作映画の監督をする先輩などの前で
主演と助演の二人が読み合わせる
そこで派手に駄目だしがされる
不思議な事に監督をやる事になると
何故か二種類の人に分かれる
ザ 親方といった感じで、怒りまくる監督に成る人
”やる気があるのか? もっと良い脚本を書けよ”
というような気合いと根性論を怒鳴り散らし
言われたくなけりゃ、書き直せ
と喚くだけで具体的な指示が無い監督。
逆に、そんな細かい所まで言う?
ってくらいに細かい書き直し指示を淡々と語るけれど
大丈夫かな? 製作する内輪で舐められて
言いやすい奴にアレコレ言いまくる性格なのに
入り込まれて、変な事にならないって不安を感じる
親方監督が先輩として君臨している間
助監督をする後輩だった監督
今年の監督は、ディティールに拘る
そんな細かいトコに、こだわっても
そんなトコを観る人いるかなって感じるほどに
細かすぎて伝わらないんじゃないか演出を語る
でも、まあ、今年は、それでいいかなと
指示された通りに書き直していく。
・・・
で、大学祭で上映する前に製作資金を出してくれた
協賛OBの皆様を招いて 使者甲斐 いや 試射買い
いやいや 試写会を実施
そして、今までの協賛OB様向けや製作者だったOBに
ネットで期間限定の動画公開サイトのURLをメールで送り
数パターンの編集違いバージョンを
動画公開して、一番、内輪うけしたのを大学祭で上映
脚本書きアシスタントが終わったら
そういった試写会や動画公開時のための諸々雑務
で、もうじき11月7日の金曜日から
9日の日曜日までの大学祭
それが終わった11月10日から
祝卒業 追い出しコンパをする来年3月までは
消費者研に戻って、正月映画の評論を語るくらいになる
数年前に固まってしまった毎年恒例パターン
なような気もするけど、来年4月からは少しは変わるかな?
根拠の無い自信で未来への希望を抱えてみる




