ゲームテストプレイのバイト
先週の興行収入1位なサイコロジー・ホラーアニメ映画について
アレコレと語っているむこうで、ボン先輩が戻ってきて数人に語り掛ける
「誰か、ゲームテストプレイのバイトやらね?
なんでも、PTA評議会だか、教育評議会だかの皆様から
ゲーム会社に、”このゲームは青少年の精神に悪影響を与える”
とかいうクレームが入ったから
本当に精神状態が変化するかを
学生バイトを使って調査したいんだって」
『えー、自分が、やりゃ、いーじゃないっすかー』
「いや、自分で、やりたかったんだよ
俺も好きなシリーズだっからっさー
でもね、俺みたいな、ゲームシナリオを書いているオッサンとか
ゲームキャラクター・デザインをしているお姉さんとか
ゲームプログラミングをしている兄さん方とかと
一緒に飲みに行ったりして遊んで内輪に馴染んでしまった
古参バイトじゃ駄目なんだってさ、調査サンプルにならないんだって
ゲームシナリオに馴染み過ぎてるからなんだとさ
なんで、全くゲームについての先入観の無い人に
テストプレイをしてもらって中毒性とかを調べたいんだってさ」
『ちなみにバイト代って、いくらなんですか?』
「えーとなぁ・・・」
そして、バイト代の金額を聴いた途端
我も我も、俺が俺がと、やりますと
アンチ・ボン先輩以外が群がってきた
しばしの事前の聞き取り調査の後、バイト参加者が決定
場所を近くのファミレスに移動し、1枚の紙が配られる
”秘密保持契約書” と書かれた一枚の紙が
『なんすか? これ』
「あー、特に気にしなくていいよ
バイトしている最中に、ゲーム会社で働いている人と
関わって、社外秘情報をコピーして
同業他社のゲーム会社へ売りつけて訴えられたアフォが
いたから、形式的にサインしているってもんだから
よっぽどな非常識な事をバイト中にしなけりゃ
気にしなくていい事だから
まあ、ただ、バイトしたいんなら サインしてくれるかな
社内で見聞きした社外秘情報を外で言いません
もし、言って問題が発生したら賠償金を払います
って内容が書いてある書類に」
『はい、わかりましたぁー』
何も考えずにサインするバイト採用者
そういやー、口が軽そうなのとか
お調子者で図にのると言わなくていい余計な事を話すのとか
言いやすい人間と判断するとベラベラ言わなきゃいい事まで言うのとか
言葉のボクシング・プレイヤーって感じで
口喧嘩を売って勝つために、どんな言葉の暴力を使えば
相手にダメージを与えられるかって性格なのとか
バイト先の規則とかを守りそうにないのって
事前の聞き取り調査で、はぶかれていた
もし、規則破りが出たらボン先輩がバイト先の正社員様に
文句を言われてしまうからなのだろう
そして、学校の近くにあるゲーム製作請負い会社の
テストプレイをする人が集められたフロアへ




