生きたまま怨霊と化した女
「そして、導入部での
ドロドロ愛憎劇の筋書きですが
結構に単純な三角関係です
上京してきた映像技術者の男が
東京で最初に関わった女に惚れて
情熱的に追いかけていくのですが
その女はつれなく、なかなか振り向いてくれない中
同じ仕事場で関わった他の女が、その男に惚れて
情熱的に追いかけてくる
だけど男は、最初に関わった女しか見ていないから
追いかけてくる女には見向きもしなかった
なので、追いかけている女は
酒の席の後、酔っぱらった勢いで抱き着いて
男女の肉体関係という既成事実を作ります
だが、その直後、男が追いかけていた女が
突然に振り向き、三角関係が出来上がり
男は二股をかける事になってしまったまま
どちらの女とも縁を切らずに数年が経過
そんな感じの三角関係を描いた後
最初の共感できる怒りの感情を描きます
誰が抱えた、どんな怒りか?
ワケのわからない堂々巡りに嵌っている事
を自覚している男が、追いかけて来た女を切って
三角関係を清算したがる態度を露骨に態度に出し
二股男のせいで三角関係な事になったのだと
追いかけて来た女の親族や
親族のように関わっていた友人が男に対して
”全ては男のせいだ”と抱えた怒りを描きます
そして、男の心が自分のものにならない事を
自覚した方の女が愛情が憎悪に反転して
怒りと悪意が大爆発
男を破滅に追い込む復讐をしようとします
まあ、ここまでが怒りの連鎖の第一段階
そして、この怒りが更なる怒りを呼び
憎悪が憎悪を呼び、悪意が悪意を呼ぶ
といった展開にしていくワケですが
そちらの大勢の人間を怒りと憎悪と悪意の世界へ
巻き込んでいく、生きたままに呪う怨霊と化した
女の復讐劇シナリオ
男を破滅させようと、セクハラ・パワハラの責任を
全て男の責任にしようとするシークエンスは
まだ出来上がっていないので
最初の発火点になる三角関係のシーンだけを
まずは撮影していきます
フィルム・コミュニティの皆様には
主人公の男と二人の女の周囲に
同じ映像技術者としている同僚エキストラや
アシスタント・スタッフとして参加してもらう予定です
まあ、ただ、エキストラをやる人は
やる気のある目立ちたがりな参加希望の方なら
全て参加して下さいと想うワケですが
アシスタント・スタッフをやってみたいと言う方には
ちょっとした適正試験を受けて貰います
撮影アシスタントや、編集アシスタントとして
参加したいという方は、機材を几帳面に丁寧に扱って
自動車運転をする時の事故を起こさないために確認作業
のような作業に関して適正があるかどうかの試験
これは必須と言えば必須です
いいかげんで雑な性格の人が扱うと
機材が壊れてしまうし、操作ミスで映像データが
消えてしまったりしますからね
まあ、やりたいというジャンルによって
適正試験も色々です
参加したバイト代は低予算映画なので
少額ですが映像製作現場に参加できたという
経験を積めます
というワケで、この大学の映研の皆さんの中で
参加しても、いいよという方、いらっしゃいますか?」
『いや、聴く必要無いです
この映研に所属している後輩全員が
エキストラ 兼 適正のあるアシスタントとして
参加したがってますから、大丈夫です
な、御前等、そうだよな』
先輩が安請け合いをして、念押しして
場の空気を嫌と言い出せない空気へと持っていく
『ほら、誰も何も言わないでしょ?
製作責任者様が、エキストラとして使いたい見栄えのとか
昔、使えたスタッフに似た感じのを選んで
好きに使ってみて下さいよ』
という事で勝手に一方的に決めてしまった。




