原案説明会
「まず、”怒りの葡萄”のオマージュのような冒頭部ですが
世界恐慌後の1930年代、アメリカ中西部で深刻化した
ダストボウル(大規模砂嵐)により、
所有地が耕作不可能となって流民となる農民が続出し社会問題になった時期に
主人公一族は故郷オクラホマを追われ
カリフォルニアへ行けば、なんとかなるのではと移動
到着後、”オーキー”(オクラホマの田舎者)と呼ばれ蔑まれ差別されながら、
貧民キャンプを転々し、地主の言い値の低賃金で、日雇い労働農民として
働く中、日々、不満や怒りを抱えながらも耐えるしかなかった
という ”怒りの葡萄” で描かれていた冒頭部の時代を現代に置き換え
主人公を農民から映像技術者に置き換えたシーンを撮影します
まあ、いわゆる内輪うけですね、映像技術者としての日常で感じた
色んな共感できる怒りを盛り込みます
リーマンショック後の2010年代、有価証券取引などで損害を出した
映像関連大企業の大規模リストラや、映像派遣技術者切りが発生した時期に
主人公は地方都市の派遣映像技術者を営業仲介する会社をリストラされ
東京に行けば、なんとかなるのではと引っ越し
到着後、なんとか見つけた映像派遣社員を取引する会社では
センスが無いから無茶ぶりされるだけな過酷な現場に行かされながら
出張宿泊費が自腹なので、作業現場近くのネットカフェで寝泊まり
営業仲介田舎者の言い値の低賃金で、日雇い映像派遣として働く中
日々、不満や怒りを抱えながらも耐えるしかなかった
そういった過酷な環境で働く労働者の逆境への怒りと
それでも、挫けずに働く人間像を描きます
で、共感できる怒りを抱える悪役として
派遣会社の営業仲介を出して、色んな理不尽を主人公に言うわけです
次に、”君よ憤怒の河を渉れ” で、主人公が次から次に殺人容疑をかけられ
アレもコレも、御前のやった犯罪だと言われて追い詰められる内容を
セクハラ体質や、パワハラ体質な同業者団体風土を指摘される事をさけるために
主人公の所属する会社がスケープ・ゴート、世論の批判を受ける生贄にされ
アレもコレも御前等のせいだと、ネット上で炎上、世論によって
社会的に殺されて追い詰められる内容にします
ここまでで、何か質問ありますか?」
『えーっと、オマージュというより、ほぼ丸パクリなように思えますが
大丈夫なんですか?』
「大丈夫ですよ、セリフはオマージュ元が判明しないように
結構に変えていますし
それに、こんな自主製作映画に目くじら立てないでしょうから
別に、地上波深夜映画として放映権取引をしようってワケでも無けりゃ
DVD製作をするワケでも、スポンサー企業がついているワケでもなくて
”去年、たまたま好業績で株価も騰がって資本が集まったから
低予算のインディーズ小劇場シネマでも作って節税対策するかぁ”
っていう軽いノリで作る映画なので
放映権取引しているマフィアのフロント企業が
競合他社の作品に出演している役者のスキャンダル探しをして
マスコミ・リークして、放映権料がゼロになって
地上波テレビところかネット動画配信でも無理になったり
オマージュ作品のパクリ元を大々的にマスコミ・リークして
悪評を多数派世論かのようにながしたり
というような足の引っ張り合い泥仕合が当たり前になっている
権利取引の山師だらけな怪しい世界には
この映画は関係ありませんので
我社の内輪受けを狙った実験映画みたいなものですから
そういった意味じゃ、低予算アメリカン・ソープ・オペラで
儲けたアメリカ地方局の真似というか同じような手法で
名古屋地方局が昼メロドラマで真似した
『砂の城』『真珠夫人』『愛の流刑地』
ドロドロ愛憎劇メロドラマ、みたいな構成に近いですね
刺激の強い言葉は伝わる式なセリフや
観ている内に煽る感情とかも似ているかもしれませんし
イヤミス小説で、人間のドロドロした醜い感情を露出させる
露悪趣味なトコもあるシナリオです
まあ、オマージュ元の作品が透けているのに気づいたら
なんなら、セリフなどを変更提案してみて貰えますか?
ストーリーの大筋を崩さなければ、いいので
それから、撮影監督をする映像技術者さんが蜷川実花のファンなので
まあ、素人さんに言っても、わからないだろうにってな
撮影技術用語で、蜷川実花大先生のマネをしようと
作業手順をアレコレ指示するかと思いますが
それには従って下さい
今回の映画製作に参加する映像技術者の中では
一番、仕事が出来る稼ぎ頭な人だし
彼の一族が経営する同族会社が、この映画への出資社ですし
基本、有能な金になる人間には優しく
無能で金にならない人間には恐ろしく冷たい
そういった世界で生き抜いている内輪の大先生なので」




