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21話 魔の森での戦闘

お久し振りです。定期試験の関係で更新が今回と次回が遅くなってしまってます。ご容赦ください。

「ハルト、次は右側で。よろしく。」


「任されましたよ。シシィさん。」


僕は今、シシィさんと共にスタンピートを食い止めるべく、魔物の群れに突っ込んでいる状態だ。


正面はもちろん、左右に空中から、はてには地中からも魔物が次々に襲ってくる。


出来ることなら、火魔法に風魔法を合わせてまとめて焼き払ったりできると楽なのだが、ここは森であり、魔物以外にも多くの生命が活動の場としているため、それは出来ない。


そのため、火属性魔法と水属性魔法の氷魔法による遠距離攻撃を、風魔法で飛び回りながら千発百中をモットーに連発している。


一方で、シシィさんの方はというと、僕と同じように風魔法で飛び回り、双剣による近接戦闘で次々に魔物の首を刈っているのだが、風魔法の扱い方が非常に上手く、三次元の動きもお手の物といった感じだ。


その様子は、どこぞの人類最強の兵士長を連想させる。


「っ! ハルト! 右後ろ!」


シシィさんにそう言われて振り返ると、オオカミのような魔物が飛び掛かってきていた。


慌てて僕は氷魔法で剣を生み出し、逆袈裟に切りつける。


「ギャン!」


ふぅ... シシィさんの警告がなかったら危なったなぁ...


「ハルトは魔法使いなのにそんなことも出来るの? すごい、シシィはそんな人見たことない。」


「そうなんですか、天野さんと訓練してたら思いついたのでやってみたら出来たんですよ。」


「違う。氷魔法で剣を作ったことじゃない。近接戦闘も出来ることが凄いの。魔法が得意な人が近接戦闘も出来るなんて例は今までになかった。」


「へ、へぇ~ そうなんですね...」


「ハルトは実力の割に知らないことが多すぎる... 本当に何者?」


「ま、まぁそれはこれが片付いてからで...」


「それはそう。後でしっかり聞く。」


あ、危なかった... 僕たちの素性を勝手に教える訳にはいかないからね...


ん? あの魔物はなんだ?


緑色をしているため森に同化していたのか、その魔物は突然その場に現れたかのようだった。


一見すると四足歩行しているサルのようなのだが、その体は緑色の体毛で覆われており、長い尻尾がある。されには四本の角を持ち、背中からは黒い触手のようなものがウネウネと生えている。


「こいつは!? ビリッディーシミア! なんでこんなところに!? それになんで一匹だけで!?」


「シシィさん、こいつってそんなに強いの?」


「一匹だけだと、とても強い。普段は集団で生活していて、こちらから手を出さない限り問題ない。だから狩る必要がない。だけど。万が一群れから逸れた個体がいたなら、軍が即座に対応しないといけないレベル。群れから逸れた個体は群れに戻ろうとして、障害物も無視して群れまで全速力で行こうとする。その障害物が城壁だったり、家だったりしてもお構いない。勿論シシィたちも障害物になる... だからマズイ。」


シシィさんはそういって武器を構えす。


僕も周囲に氷魔法で生み出した氷柱をファンネルのように浮かべる。


次の瞬間、サルの魔物が飛び掛かってきた。


シシィさん双剣で受け止め、そのまま剣と触手の切りあいになる。


魔物の動きは目で追いきれないことはないが、切りあっている最中にも関わらす、氷柱は次々に躱される。


シシィさんの攻撃も触手のようなもので防がれている。


シシィさんの攻撃が弱いわけがないのだが、触手のようなものは程よい剛性と柔軟性があるようで、受け止めるというより受け流しているようで、有効打になっていないようだ。


「シシィさん、僕も前に出ます。」


「ハルト!? それは危険!」


シシィさんは僕を止めようとしているが、このままだとジリ貧になる。


そう思って前に出ようとしたとき、突如としてサルの魔物の後方からレーザービーム?が降り注いがれ、あっという間にその命を奪ってしまった。


「ん!? なに?」


それに驚くシシィさん。


けれども僕にはわかる。


この攻撃が誰のものによるのかなんて。


「天野さん、遅いですよ!」


僕がそういった次の瞬間には、僕の隣に天野さんが土煙を上げながら着地していた。


「ごめんね、この攻撃の準備に手間取っちゃって。後はは任せなさい。遅れた分の活躍は保証するわ。」


「わかりましたよ。天野さん。あ、シシィさん。天野さんのことは、後で紹介しますので。」


「さっき話してた人のこと? そう。わかった。でもあの状況で何をすればいいの?」


シシィさんがそう言って、指を指している方向に向き直ると、天野さんのレーザービーム攻撃?が次々に魔物の脳天を貫いていた。


それは、魔物の全てを倒してしまいそうな勢いで、僕たちが出る幕がないように感じる。


「僕たちの出番……ないですね。」


「…」


僕はそういって苦笑を浮かべ、シシィさんは無言で双剣を鞘に納めた。





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