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12話 天野さんと異世界の街

すみません、遅れました。檸檬茶です。

一身上の都合により更新間隔がこれから長くなります。

あと半年くらいすればペースは戻るかなと思います。

 天野さんから各属性魔法の基本を教わり、ステータスを鍛えつつ、町に向かって歩き続けていた。


 道中、農村らしき集落を見つけたが、天野さんが言うには、農村には都市機能がほとんどなく、身分登録などのこちらの世界でしていなければならないことをしていない僕は、早急にする必要があるらしく、それができないから寄らないらしい。


 そうして約二日、ようやく高い城壁に囲まれた街らしき存在が見えてきた。


 約二日間、天野さんと衣食をともにしたのだが、日本での同居生活に慣れていた僕は、天野さんとのキャンプ程度にしか思っていなかったのだが、天野さんがシャワーを浴びると言って幕とちょっとした魔法で仕切って僕のすぐ近くで浴び始めたりとか、テントの設営とか料理とかで距離がやたら近い気がして、安息の時間はなかった。


 「さぁ、街についたわよ。確か名前は…なんだっけ? ──まぁいいわ。入りましょう。」


 そう言って天野さんは門に詰めている兵士のところまでずんずん歩いていった。


 「あっ。ちょっと待って、天野さん!」


 僕は天野さんの後を慌てて追いかけた。


 門につくと筋肉隆々で頭を丸めている、いかにもカタギではなさそうな門兵に声をかけられた。


 「そこの男女二人組、止まれ。見慣れない服装をしているがどこの者だ。身分を示すもの出せ。できないなら我々同伴の下で、ギルドにて身分登ろk──


 「身分登録が目的の1つでこの街に来てるの。ギルドまで案内を願えるかしら」


 天野さんは門兵が言葉を言い切る前に答えた。


 「そ、そうか。では、付いて来い。」


 門兵にそう言われ、門をくぐると、そこには『水の都市』と呼ぶのが相応しいかのような、水路が各家々で使えるように、キレイに張り巡らされ、そしてそこを船が行きかっていた。


 街の中央の方には領主館と思わしき立派な屋敷と、見るからにこの世界の宗教教会と思える雰囲気を出している建物があった。


1ミリの隙間もなく舗装された石畳。


張り巡らさらた水路を流れる清らかな水。


石作りの建物の赤い屋根・白い壁。


それぞれの色が合わさって作り出す色彩。


 「キレイだ。」


 思わず声が出てしまった。


 「あっ、またボーっとしてる! 綺麗な街なのはわかるけど、しなきゃいけないことがあるの。早く行くわよ。」


 まだ見たい僕を、天野さんは門兵が待っている小路の角まで引っ張っていった。


 その後、門兵に連れられて着いたのは、大小様々な船がずらっと並んだ船着き場だった。


 「え~と、船で移動するんですか?」


 準備をしていると思われる門兵に、思わず僕は聞いてしまった。


 「? それ以外に何があるのだ?」


 僕の質問に困惑する門兵。


 そんな様子を見かねてか、天野さんが耳打ちしてくれた。


 「あのね、水路が発達してるこの街では道幅は人が通るには十分だけど、馬車のようなものが行きかうとなれば狭いし、この世界では自転車みたいなものが発達しているわけではないから、他に移動手段なんてあるわけないじゃない」


 天野さんの言葉を聞いて僕は理解した。


 「門兵さん、変なことを聞いてしまってすみません。」


 「いや、それは良いのだが、逆に他に何か手段があるなら是非とも教えて欲しいものだ。」


 そう言ってガハハと豪快に笑う門兵さんは準備が終わったのか、全長30mくらいと思われる船

に僕と天野さんを乗せ、少し待ってくれと僕たちに告げると


 「お~い。これからギルドまで向かうのだが、相乗りしたい者はいるか。いるなら早く来い。」


 と叫んだ、僕と天野さん二人だけを乗せるには船が大きかったが、相乗りをするとは強面に反してちゃんと頭の回る門兵さんだ。


 その後、5分もしないうちに、僕と天野さんの二人しかいなかった船は満員状態になったらしく、搭乗口に札を立てた。


ただし、満員といっても定員数に対しての満員ではあるが。


 満員になって最後に門兵さんが乗り込む。


 「よし、出してくれ。」


 門兵さんが乗組員にそう言って暫くすると船はゆっくりと動きだした。


少し短めですが、キリがいいので一旦ここで切らせて頂きます。

その代わり近く、次話を更新するつもりです。


7月30日0時 ほんの僅かではありますが、書き加えました。現在、次話の下書きを作成中です。


7月30日12時 1部表現を訂正しました。

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