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46話 どういうことだ?

「ちょ、月城、おま、なにをいきなり」


俺は瞼を擦り、月城の方へ目をやる。いったいどういうことだ。


すると、俺の様子を見た月城は微かに微笑んで続けた。


「ゆーくん、動揺してるね」


そう言って月城はため息をつくと同時に、虚ろな目で俺を見つめた。


「……やっぱり浮気してたんだ」


「ッいやいや、してない! 断じてしてない!」


すっかり目が覚めてしまった俺は、必死に首を横に振る。


というか、そもそも付き合っているか自体も危ういのに浮気? 俺はもう既に月城に常に監視されているも同然の生活を送っている。


仮に恋人だとして、浮気をする余地などないだろう。


俺がそんな事を考えていると、月城はなにやら手元から俺の携帯を取り出し、メッセージアプリの画面見せつける。


「ふーん。じゃあ、これなに?」


これ……。俺のアカウントに誰かから友達追加されているようだが、寝起きなせいか名前までは見えない。


「これって、完全に女からの友達追加だよね?」


月城は単調な声でそう言う。どうやら生憎、女からの追加だったらしい。


女か、全く心当たりがない、一体誰が俺を


…………というか、なぜ月城が俺の携帯をさも当然のように使ってるんだ。


「いやいや、まて。そもそも、なんで月城が俺の携帯事情を知って──」


「──ねえ? それ、今関係ある?」


「……は、はい」


見事、月城の圧に撃沈を果たした俺は、違う方向で弁明が出来ないかと再び携帯の画面に目をやる。


「……って! 友達追加してきたそのアカウント、美月じゃないのか?」


なんだ、美月じゃないか! 決定的な弁明材料を見つけた俺は、ホッと一息をつく。


なぜ美月が俺を……そしてどうやって……。いいや、今考えていてもしかたない。


月城は表情ひとつ変えずに続けた。


「そうだよ。私、あーあ、やっぱり。って思っちゃったよ。帰り際にコソコソ話してたのはそういう事だったんだよね」


「っいやいや、違う。大したこと話してないって!」


俺は、全く作戦が通じない月城に若干動揺しつつも、再び弁明を試みる。


大丈夫だ、月城だって話せばわかってくれる、と。


しかし、月城は強引に寝ている俺の近くまで寄ってきた。


そうして月城が微笑んだかと思うと、次の瞬間、唐突に俺に馬乗りになってきた。



「やっぱり既成事実、作るべきだったかな」



月城はそう言って俺の両腕を強引に掴む。



「ふふ、ゆーくん抜け出せないね♡」



そう言って微笑む月城の目は輝きに満ちている。



……どういう状況だ。はやいところ抜け出さなければ。



「……うぅ」



だがしかし、体に力が入らない。なぜ、なぜ。どういうことだ。



「ゆーくん必死に抜け出そうとしてて可愛い〜っ♡」



抵抗ができない、これも月城の仕業なのか? だとしたら、どうやって、いつ……?



「ふふふ♡ ゆーくんいいんだよ♡ 早く楽にしなよっ♡♡」



そう言って月城がなにかいけないアクションを起こそうとする。



このままだと本当に既成事実を作られてしまう。



どうにかして脱出しなければ……!




──ピーンポーン


その瞬間、部屋にチャイムが鳴り響いた。

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