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死ぬ前に君の笑顔が見たい  作者: 大木戸いずみ
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 ……ここはもう女の勘で行くしかない?

 そんな適当に行っていいものなのだろうか。妖精探しって。

 う~~~ん、魔力を感じる方とか……? 

 私は目を閉じて、神経を集中させる。自分の魔力の操り方も知らない人間が、魔力を感じ取るのは難しい。

 けど、やるっきゃない!


「こっちかな~~」


 微かに感じた温かい何か。

 それを妖精の魔力だと信じたい。まぁ、間違っていたら引き返せばいい。

 ……無事に生きて戻れるか分からないけど。

 私は左の方へと進んで行く。その瞬間が、ガシャンッと大きな音が鳴り響いた。

 突然の音に反応して、後ろを振り向く。すると、来た道は鉄の柵で閉ざされていた。……道は一択しか選べないんだ。

 全くこんな凝った仕掛けにしてさ~~、意地悪ッ! 嫌い!

 

 設計者に対して悪口を言いながら前へと進んだ。

 この道が正解だったのか分からない。ただ、蛇や蜘蛛が沢山いる。 

 毒を持っているのか、否か分からない。あまり接触しないようにと、体を逸らしながら歩く。

 

「蛇は可愛いんだけど、蜘蛛は可愛くない~~! 君はハロウィンの時だけ活躍すればいいんだ!」


 私はいくつもの蜘蛛に向かって叫んだ。

 この世界の蜘蛛は大きい。手のひらサイズだ。きっと、蜘蛛が苦手な子は今頃失神している。この時点でゲームオーバーだ。

 そう思うと、私はかなりタフな方だと思う。

 色んな虫に遭遇しても叫んだり、慌てたりすることなく、図太い神経で歩き続けているのだから。

 ……こんな女の子嫌だよね。もう少し可愛げがある方がいいか。


 大きなゴキブリのような虫が視界に入る。私はそれをまじまじと見つめた。

 ん~~~、別に叫ぶ要素ないんだよね。

 虫のことを考えていると、いつの間にか、行き止まりまで歩いていた。


「え」


 ここまで来て、行き止まり!?

 もしかして道間違えちゃったの? そんなわけない。こっちに絶対なにかあるに決まってる。

 だって、魔力を微かに感じる。妖精の力がかなり弱まっているから存在感が薄いだけで、絶対にこっちにいる。


「この壁に妖精が埋まっているなんてことないよね~~」

 

 と、ふざけて言ってみたけど、本当にいる可能性も考えられてきた。

 妖精を閉じ込めることが目的なら、壁に埋めることぐらいのことはしてそうだ。

 ……そこまでして閉じ込めた妖精を解放して良いのだろうか。何かしら人類に害があるから、封印されたって考えた方が自然だよね。

 だって、考えてみれば、元々ここは王家の血縁者の家よね。私なんかが勝手に荒らしていい場所じゃない。

 私が生きたいがために人類を破滅させてしまう可能性があるかもしれないってこと……?


「いや、そんなに深く考えなくてもいいか」


 なんたって、神様が私に提案してきたことだ。

 ……信用できないな、あの神様は。

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