22.新たな遭遇
「そう言えば、あそこのじいさん亡くなって、今はあの家売り出していたような気がするな……」
「それってどこ!?」
リアムの呟きに私は前のめりにそう聞いた。
家を買うなんて相当お金がいるだろうけど、今の私の所持金なら余裕で買えるはず!
「いや、でももう誰かが買い取ったかもしれない」
「まだ確かじゃないでしょ?」
「それはそうだけど……」
「どこにあるの?」
少し戸惑っているリアムに私はその家の場所を聞き出す。彼は本当に私がその場まで行くのか半信半疑のまま地図を書いてくれた。
街の中心部からそう離れていない。……沢山の商人が目をつけそうね。
相当高値がついているか、もう既に購入されたか。とりあえず急がないと!
私は彼の地図を握りしめて、急いでリアムの家を出る準備をする。マントを着て、フードを被る。
「ケーキ、とても美味しかったわ。お金は……」
「いいよ。それより、まだあの家あるといいな」
そう言って、彼は私を見送ってくれた。私はお礼を言って、リアムの店を出る。一時間ぐらい経っても、相変わらず店は賑やかで忙しそうだった。
相当繁盛しているのね。それに、これから彼とは付き合いがありそうだわ。
私は店の前で大きく手を振っているリアムに軽く手を振って、その場を離れた。
地図に描かれた通り、暫く歩いているが、全く違うところを歩いている気がする。
……私が迷子なの? それともこの街の構造が新しくなったの?
リアムは随分と細かく丁寧に地図を描いてくれた。読めないのは、前世スマートフォンについているGPS付きのマップをを使っていたからだろう。
ここは人に聞くのが一番良いかもしれない。よし! 誰かに話しかけよう!
私は気を引き締めて、目の前にいる人に声を掛ける。
「あの、ここってどうやって行けばいいか分かりますか?」
目の前にいる背の高い男性は私の方を振り向く。……オーマイガー。
もっと人を見て声を掛ければ良かったと後悔した。
私を見つめている男性はオッドアイの瞳を持った人物だった。目元しか出ていなくて、そのほかを全て布で覆っているその姿は最近見た人物にそっくりだった。
そっくりさんとかじゃないよね? こんな美形がそんな沢山いるわけない。
レイ・アシュビー。一度見たら忘れられない容姿だ。
「お前は……」
なんで私のことが分かりそうな雰囲気なの!?
顔も見えていないのに……。やっぱり王子の側近にいるから人を見分ける能力みたいなものに長けているのかな。
まぁ、私も実際地声で話しかけちゃったし。
「いえ、なんにも!」
バレたのなら逃げるしかない!
私はクルッと回って、レイから離れようと早歩きする、が、それもむなしく一瞬で捕らえられる。
彼の腕が私の首元にガッと力強く回される。私はすっぽりとその腕の中におさまった。




