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01.クビ宣言、そして仲間割れ(幼馴染もパーティを抜ける)

初投稿です。職業の関係上かなり不定期更新となります。それこそ1ヶ月更新しないってことも…

できる限り更新していきますので、良ければ見てください!


「ジェイス、お前はクビだ」


「……え?」


ダンジョンの中の休憩所で夜中に『豪快な勇者達(ワイルドヒーローズ)』のパーティリーダーである勇者のハーガに突然そう告げられた。


いきなり告げられたクビ宣言に、一瞬何を言われたのか理解できなかった。


「そんな……っ。どうしてだよ!どうして俺がクビになるんだよ!?理由を教えろよッ!」


「このパーティには剣聖であるお前とシャロンがいだろぉ?シャロンは前衛で戦っているのにお前は何をしてやがる?やることと言えばドロップアイテムを拾うか雑魚処理するだけだ。そんなのは初心者でもできんだよ!俺は何度も本気で戦えと言ったよな?なのにお前はそう言う度に本気で戦えないと言って拒否しだろ?」


確かに俺は本気で戦わなかった。いや、厳密には本気で戦え(・・)なかった。


「このパーティはバランスが悪すぎるんだよ。剣聖は2人いるのに賢者がいねぇ。ましてや、お前は本気で戦わねぇ。戦ったとしても雑魚とだけだろ。そんなお荷物はこのパーティにはいらねぇんだよ!」


「だから!本気で戦わないのじゃなくて戦えないんだ!」


「はっ!またその言い訳かよ」


(ダメだ…全く聞いて貰えない)


「って言うか本当にあんた剣聖なの?剣士(ナイト)の間違いじゃない?」


そう言うのは重騎士(タンク)のリーガンだ。


「リーガン、それは剣士に失礼ですよ」


そう返したのは聖女のアイラだ。


「アハッ!それもそっかー、なんせ剣士はまだ戦うもんね!そこの戦わない剣聖(笑)とは違って!」


(クソ……ッ!好き勝手言いやがって!)


「まぁそう言う訳だ。このパーティにてめぇの居場所はもうねぇんだ。こいつは手切れ金だ。ありがたく受け取れ。それを持って今夜中にさっさと消えやがれ!」


ハーガはそう言って金が入った袋を投げてきた。そこには銀貨が10枚入っていた。


「…わかったよ」


俺はそう言って荷物を纏めて『豪快な勇者達(ワイルドヒーローズ)』を抜けた。





数分後


「これでお荷物はいなくなったなぁ!」


ジェイスが抜けた後、ハーガはそう言った。


「本っ当、ようやくって感じね」

「ええ、ようやく肩の荷が降りました」


リーガンとアイラがハーガに賛同する。


(クククッ、これでシャロンは俺のもんだ!)


ハーガは内心でそう思った。


ハーガはシャロンが好きだ。しかし、シャロンはジェイスに好意を寄せていた。どれだけハーガがシャロンを食事に誘っても毎回断っていた。しかし、ジェイスが誘うと毎回食事に行っていた。ハーガはそれが気に食わなかった。


(ったく。あんな奴のどこがいいんだよ!俺の方が戦績を上げてるってのに!…まぁいい、あの邪魔者はいなくなった。ここからは俺の魅力を見せていけばいいだけだ!)


ハーガが内心でほくそ笑んでいると


「…ねぇ、みんなまだ寝てないの?」


目を擦りながらもう1人の剣聖シャロンが出てきた。


(相変わらず可愛いなぁ)


「おぉ、シャロン。悪ぃ起こしちまったか?」

「別に。早く寝ないと明日の討伐に支障が出るよ」

「あぁ、そろそろ寝るわ」


ハーガがそう言って寝支度をし始めた。すると、


「ねぇ、みんな」


シャロンがみんなに問いかけた。


「どうした?」

「どーしたの?」

「どうかしました?」


全員が聞き返した時


「ジェイスは?」


さっきクビにした者の名前が出てきた。


「あぁ、あいつはクビにした」

「…は?」


シャロンは呆然とした。


「…ハーガ、それ本当なの?」

「あぁ、あのお荷物はさっきクビにした」

「…ッ!」


シャロンは怒りを露わにした表情になった。


「……じ……ない」


「お、おい。どうした?」


ハーガが聞くと


「信じられないッ!」


シャロンはそう叫んだ。


「なんでジェイスをクビにしたの!?」


「そ、それは…あいつは剣聖のくせにドロップアイテムを拾うか、雑魚としか戦わねぇから…」


ハーガがそう返すと


「ジェイスの話を聞いてなかったの!?ジェイスは戦わないんじゃなくて戦えないの!技の威力や範囲がデカすぎて仲間まで巻き飲んでしまうから!」

「で、でもよ…それが本当かどうかは━━━━」

「幼馴染の私が知らないとでも思ってるの!?ジェイスは仲間を傷つけたくないって言ってたから私が前衛で戦ってたの!」

「シャ、シャロン落ち着いて━━━━」

「落ち着いていられるわけないでしょ!!」


リーガンはシャロンを落ち着かせようとしたがシャロンは全く落ち着いてくれなかった。


「…もういい」

「え?」

「仲間を大切にしないパーティなんか私いたくないッ!」

「「「!?」」」


シャロンはそう叫び、テントの中に入って荷物を纏めて出てきた。


「お、おい…待てって」

「そ、そーだよ」

「お、落ち着いてください」


ハーガ達が止めようとするも


「私にもう関わらないで!」


シャロンはそう言い残し『豪快な勇者達(ワイルドヒーローズ)』を抜けた。





しばらくして


「クソッ!どうすりゃいいんだよ!」


ハーガはそう叫んだ。


「なんでシャロンが抜けるんだよ!」

「ど、どーするの?シャロンが抜けた以上、ダンジョン攻略は無理だよ?」

「ここは一度引き返してメンバーを集めた方がいいですよ」

「そうだな。一度引き返してメンバーを集め直すか…」


ハーガはそう言って自分のテントに戻った。





……これは始まりだ。

豪快な勇者達(ワイルドヒーローズ)』の名声が落ちて、全てを失うまでのカウントダウンが今、静かに動き出した。

【※読者の皆さまへ、大切なお願いがあります】


読了ありがとうございました!


少しでも、

「面白かった!」

「続きが気になる!」


と思っていただけましたら、ブックマークや評価、感想等を是非お願いします!!!!


評価はページの下側にある【☆☆☆☆☆】をタップすればできますのでよろしくお願いいたします。


続きを書く励みになりますので!


前書き方でも書いた通りかなりの不定期更新ですが、気長に待っていただけると幸いです。

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