ブラックな策略
社長はここをブラック企業だと主張する。
「ウチは離職率0を目指してしゃくりゃきゅ…しゃくやく…しゃくりゃくをめぐらしぇていましゅ!これはある意味監禁でしゅ。だからここはブラックなんでしゅ!」
必死な社長……可愛い。
「成程、それで、どんな策略を巡らせているんですか?社長?」
必死にブラックと言い張る社長に意地悪を言ってみる。
「教えてあげましゅ。
先ず、月給をそこらの企業よりも高くしていましゅ。
これにより、『他社よりも給料を貰っているここは良い会社。』という刷り込みをしましゅ。」
「成程。」
「そして、ここより条件の良い会社は無いから、転職をするメリットが消えましゅ。
この会社から逃げられなくなりましゅ。」
「おぉ、策士ですね!」
「で、そうやって刷り込み&逃亡防止をした社員達は私を優しい社長だと思って頑張って働いてくれましゅ。」
「社長!社長はブラックですね!」
「そうでしょう?そうでしょう!崇めゆでしゅ。恐れるでしゅ。」
っ!可愛い!
《ブラック魔王コーポレーションのここがブラック?》
就職後3年以内離職率:0.02%
辞めた者達の退職理由は持病の悪化。『待ってましゅから!待ってましゅから!だから辞めないで!責めて休職にして下しゃい!』と社長がギャン泣きした。(後にこれを『社長ギャン泣き事件』と呼ぶ。)