りったんの夢十夜(第八夜)
夢を観た。
私達夫婦には長年子供ができなかった。
そんなある日、夫が突然、
「よそに子供ができたので、別れて欲しい。慰謝料は言い値で払う」
私は目の前が真っ暗になった。医師の話では、夫に問題があると言われていたのに。
「嘘よ。貴方に問題があって、妊娠しないってお医者様に言われたわ」
私は夫に詰め寄って言った。しかし夫は、
「それはその医者がヤブ医者だっただけだ。現にQさんとの間には子供ができた」
Qは私の昔の親友。身持ちが悪く、たくさんの男と同時に付き合うような女だったので、疎遠になっていた。
夫は、自分の子供ではないかも知れないのにQと結婚するという。
哀れな人だと思い、結局離婚に同意した。
しばらくして、偶然外で元夫とQがベビーカーを押して散歩しているのを見かけた。
幸せそうだった。彼は本当に自分の子だと思っているのだろうか?
血の繋がりとは何だろうと思った。悔しくて涙がこぼれた時、我が子の泣き声で目が覚めた。