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叔父様は参謀役?

「と、いうわけで参謀役を仰せつかったアルフレッド・シュプリームです。よろしくお願いしますねレイチェル様」



私の横でそう言う叔父様にレイチェル様はひきつった笑いを浮かべている。



「参謀役にしたって限度があります!本職の方ではないですか!」


「まあ、そうですが・・・。協力させてください。ブライト王子はどうも難があるといいますか・・・」


「む・・・。ストリクト家が教えているんですのよ?スカーレット様のことは置いておくとして、キチンと王族と紳士の心得を教えていく所存ですのに」


「上手くいけばいいですねえ・・・。ただ、スカーレットとは相性最悪だと思います。どっちも先導者の気質が強そうですからね。そうなった場合、立場が上の王族の方が強いですから」


「まあ、私もスカーレット様とブライト様が結婚すればいいとは思ってませんが・・・」


「それならいいじゃありませんか。よし、これで叔父様も仲間ですねスカーレット」



ごり押しってこういうことをいうんだろう。でも、参謀役って自分で言うくらいだし色々頼りになりそうだ。



「それで、勉強はどこまで?」


「・・・フェイバー家では遅々として進まないのが現状ですわ」


「ふむ・・・いっそのことスカーレットがこちらにしばらく居られる様にしてしまいますか。ここなら遠慮せずに勉強して良いですし」


「そんなことできますの?」



叔父様はにっこりと笑うとこくりと頷いた。



「まあ、ずっとは無理ですが、定期的に長期間滞在できればいいわけですよね」


「まあ、そうですね」


「それなら、なんとかなるでしょう」



おお・・・!心強い!なんか、この人にも出来ないことってあるんだろうか。



「おじさまって できないこと あるんですか?」


「「結婚ですね」」


「レイチェルさま まで・・・」


「私は、アルフレッド様とは同期なのですが」


「そうなんですか!?」


「ええ。もうそのときにはレイチェル様はジョン様と結婚が決まってましたね」


「その話はいいんです!」


「え・・・!」


「スカーレットは聞きたそうですよ?」


「私のことは良いんですのよ!」



レイチェル様は顔を真っ赤にして照れている。叔父様はクスクス笑うと足を組み直した。



「いやあ、懐かしくてつい学生のときのようなやり取りをしてしまいました。まあ、具体的な策は私に任せてください」


「おねがいします!」


「・・・まあ、行き詰まるよりいいでしょう」


「・・・レイチェルさまとおじさま、あんまり なかよしじゃ ないんですか?」



それなら協力者仲間になるのは厳しいんじゃないだろうか。そう思っているとレイチェル様は複雑そうな顔をする。



「・・・アルフレッド様は、わざとテストで間違えて学年10位になるくらいをキープしてらしたんです。それだけが私は気に入らなくてですね・・・」


「だって、私の見た目で毎回1位を取るなんて目立って仕方ないじゃないですか。私は自分が1番目立つと動きにくくなって嫌なんです」


「・・・つまり おじさまは わざと 1いを とらないように?」


「ええ。まあ、卒業試験だけはその後の進路に関わりますから全教科満点を取りましたけどね」


「できるのに、やらないのは 努力してる者への冒涜ですわ!」


「あはは、卒業試験あなただって2位だったんですからいいじゃありませんか」


「よくありません!あと2点で、手抜き次期侯爵をギャフンと言わせられましたのに!」


「同得点なら何回も1位になったあなたが首席卒業だったですしね。いやー、惜しかったですね」


「分かってて全力を出すのが気にくわないんですの!」



こう、同窓会とかでありがちな頭のいい人たちの会話だ。紅茶をすすって様子を見ているとレイチェル様も落ち着いてきたのかこほんっと咳払いをした。



「・・・まあ、私だって、今ではあなたがそうする必要があったことも理解していますし、ここまでにしておきます」


「おや、生徒のスカーレットがいるから寛大ですね。今度からあなたと話すときはスカーレットに同席してもらいましょうか。ジョン様でも借りてきた猫のようになりますし、どちらでもいいですけど」


「・・・こういう、意地の悪い人間を見抜くのも必要ですわよスカーレット様」


「おじさまは やさしいですよ?」


「ふふふ、私の姪は可愛いでしょう」


「いっそのことスカーレット様とあなたが結婚すればいいんです!」


「叔父と姪はギリギリセーフかアウトが微妙なラインですね」


「アウトに決まってます!」


「あはは」



楽しそうだなあ。2杯目の紅茶を飲んでいるとドアがノックされる。『どうぞ』と返事をするとドアが開かれオロオロしている若いメイドと鬼の形相で叔父様を睨み付けるお母様が立っていた。






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