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お城からお手紙

お城を後にしてからお父様とランチを食べて4人にお土産を買った。お菓子だけど喜んでくれるかな。



「スカーレットが皆に渡してね」


「はい!」


「さ、着いたよおいで」


「はい。あれ、おとうさま、エリックがはしってきましたよ」


「ホントだ。エリックが慌ててるのは珍しいね」


「旦那様!お待ちしておりました!」


エリックはお父様の前で胸に手を当てお辞儀をしたあと手紙のようなものを差し出した。それを受け取りながらお父様は首を傾げる。



「王家から?何かあったの?」


「それが、その、あのクソガ・・・こほん、失礼しました。第二王子がお嬢様にお会いしたいと書面を送ってこられまして・・・旦那様が戻り次第お返事をもらって帰ると従者の方がお待ちです」


「・・・あのクソガキ。バカの署名も入ってる?」


「恐れながら入っておりました」


「・・・ちょっと最近甘やかし過ぎたかなあ。僕が優しくなったと思ってるんならイタイ目に合ってもらわないとかな?」


「そうですね。どうしてやりましょうか」



話を聞くに第二王子が私に会いたいと・・・。さっきのが婚約するきっかけになると思ってたから陛下を回避してうまくいったと思ってたのに違ったのかな。考え込んでいたら驚いていると思ったのかお父様がよしよしと頭を撫でる。



「こんなところでする話じゃないね、スカーレットが驚いてる。ミーナ」


「はい」



エリックの後を着いてきたのか音もなくミーナが立っていた。どことなくミーナも面白くなさそうな顔をしている。



「スカーレットをよろしく。スカーレットがみんなにお土産を買ってきたからそれを渡すのを手伝ってあげてね」


「かしこまりました」


「・・・おとうさま」


「大丈夫だよスカーレット。お父様にまかせて。会いたくないでしょ?」


「わたし あっても いいですよ?」



会いたくないと決めつけるお父様にそう言うが、もちろん会いたくはない。でも、二人の様子を見るにお断りはできるがそれ相応の対応が必要なんだろう。そうじゃなければお父様がエリックと相談する必要はない。フェイバー公爵家は、先方にただ『行かない』と伝えるだけで断れる家柄なのだから。それなら会ってしまった方が楽だろう。



「「・・・・・・」」


「あう だけ なんですよね?」


「婚約者・・・えっと、いつかお嫁さんになってねって約束してって言われたらどうするの?」


「わたしは おとうさまより すてきなひとのおよめさんにしか なりません。そのくそがき?はおとうさまより すてきですか?」


「ううん。まったく」


「それなら だいじょうぶです!」


「・・・旦那様、お嬢様がこうおっしゃってくださっているなら行くだけ行って相手の出方を見てから制裁を決めるのも良いかと思いますが」


「・・・そうだね。スカーレット、いいの?」


「はい!それに、また エミリアさまに あえます!」



エミリア様とはもっとお話してみたいので会える機会は無駄にしたくない。



「エミリア様って・・・」


「そ、王妃様のこと。友達になったみたいだよ」


「王妃様と・・・!?」


「おうひさまと あえるの たのしみです!」



そっちがメインかと苦笑するお父様とエリックのことは見なかったことにする。婚約は確かブライト王子に呼びつけられたスカーレットが一目惚れして成立したはずだ。だから私が強い意思を持って断れば大丈夫なはず。決意を固めた私はミーナと一緒にお母様たちにお菓子を渡しにいくことにした。





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