どこに植えましょう
次の日、レティにお庭の前で相談すると桜の木はもっと目立つところの方がいいと言われた。
「そうですか・・・」
「花が目立つ木ですから、ここに植えると悪目立ちしますよ」
「ちがうところなら うえられますか?」
「はい。門の近くがいいでしょうね」
プロがそう言うのだからそうしよう。お兄様がくれた木は大丈夫だろうか?
「おにいさまが くれたのは うえられますか?」
「はい。ケビン様がくださったビバーナムはお嬢様のお庭に植えましょう」
「ビバーナムなんですか?」
「はい。小さい花がたくさん咲きますよ。どの辺りに植えましょうか?」
「うーん・・・ここにします」
「わかりました。植えるのは花が終わってからやっておきますからとりあえずここに仮置きしますね」
「はい!」
ビバーナムかあ。秋には小さな実ができるから秋まで楽しめる。いいお花をもらったなあ。そんなことを考えているとお兄様がやってきた。
「スカーレット、どこに植えるか決まった?」
「はい!」
「大切にしてね」
「おにいさまから もらったんです、ダメになんてしません!」
「ふふふ、ありがとう。さ、そろそろお昼ごはんだよ。行こう?」
お兄様がそう言うのでレティにお礼を言ってお兄様と手を繋いで屋敷の中に戻る。レティが『ビバーナムの花言葉って・・・いえ、たまたまよね』なんて呟いたのを私は知らない。




