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お誕生日

次の日、待ちに待ったお誕生日です!でも昨日からお父様がなんだか落ち込んでいる。おそらくエレーナお姉様のことが原因だとは思うけど。今もティールームのソファで私を膝に乗せ、ほっぺたを私の頭につけてはすりすりしている。それを見ていたトパーズお姉様はむうと頬を膨らませた。



「お父様ずるいです!私もスカーレットすりすりしたいです」


「ふふふ。それじゃあトパーズもおいで」



私を右膝に乗せるとトパーズお姉様を左膝に乗せてぎゅっと抱きしめてまた動かなくなってしまったお父様にトパーズお姉様は困惑している。



「あの、えっと?」


「・・・・・・うちの子どこにもやらないんだから」


「何をおっしゃってるんですかサナト様」



ティールームに入ってきたお母様は仕方ないと言ったように首を横にふるとお父様の頭を撫でた。



「そんな様子ではエレーナが気を使いますわ。しっかりしてください」


「・・・そうだね」


「おはようございます」


「あ!おにいさま!おはようございます!」



ティールームに入ってきたお兄様にかけよろうとするがお父様に止められてしまった。その隙にトパーズお姉様はお母様の横に移動している。恥ずかしかったのかもしれない。



「おはようスカーレット。お誕生日おめでとう」



お母様とお父様には朝言ってもらったしトパーズお姉様にもここで会ったときに言ってもらった。1日に何回言われても嬉しいのでニコニコしてしまう。



「ありがとうございます」


「プレゼント、ちゃんと用意したから楽しみにしててね」


「はい!」



なんだろう。楽しみだなあ。お父様の膝の上でわくわくしているとエレーナお姉様もやって来た。朝ごはんはお母様がお茶会の確認をしたりしてて来られないこともあるからティールームで食べるようになっている。でも今日は皆で朝ごはんだ。



「まあ、私が1番最後なのね。お待たせしました。おはようスカーレット、お誕生日おめでとう」


「ありがとうございます!これでおねえさまたちに、いっぽ ちかづけました!」


「可愛いわスカーレット!あ、私ったらいけないわ。すぐに座りますね」



エレーナお姉様が座ると朝ごはんが運ばれてくる。今日はお昼ごはんをご馳走にしてくれるらしいから朝ごはんは軽めだ。



「これを食べたらプレゼントを確認しに行こうか」


「はい!」



朝ごはんを食べ終えてプレゼントが置いてあるというお部屋に行くと思いがけない人が座ってお茶を飲んでいた。



「おじいさま!」


「ああ、スカーレット、お誕生日おめでとうございます」



プレゼントですよと私と同じくらいはあるクマのぬいぐるみをプレゼントしてくれた。真っ白でフワフワしている。



「ありがとうございます!きょうからいっしょに ねます!」


「はい、喜んでもらえてうれしいですよ」


「お義父様、どうしてこちらへ?」


「ふふふ、実は私ここ何年も有給を取ってなかったので取得して駆けつけてしまいました。トパーズの誕生日に間に合わなくて残念でしたがその代わりトパーズをうんと可愛がるつもりです」


「そうでしたか」


「さあ、スカーレットおじい様とプレゼントをあけましょう。こういうの子どもたちが大きくなってから参加できなくなって寂しかったんです」


「はい!」


「というわけなので、サナトくん、ここは私に任せてください。簡単に言えば孫を独り占めさせてください」


「・・・わかりました。スカーレット、おじい様の言うことをよく聞いて、お利口にしているんだよ」


「わかりました!」



お父様は若干寂しそうに出ていった。でも、今はお姉様のファーストタイムティーの準備でお父様もお母様も忙しいだろうからこれはこれでよかったと思う。



「さて、じゃあ誰から何をもらったか見ていきましょうか。まずは・・・」


「おじいさまからクマさんをもらいました!」


「ふふふ。そうですね。セアリス・シュプリーム伯爵からクマのぬいぐるみ・・・他にも開けてみましょうか」


「はい」



おじい様が記録しているのは誰に何をもらったかのリストだ。危険なものは入ってないか公爵家の騎士が確認してからもう一度メイドさんが包装してここに持ってこられているから安心して開けてくださいねとミーナが言っていたので躊躇いなく開けていく。



「えーっと、これは・・・へいかからです!」


「何でしたか?」


「!・・・き です!」


「木?」


「サクラの き です!」



私が気に入ったと言ったので挿し木で増えた株を送ってくれたんだろう。私の部屋から見えるところに植えてもらおう。次は・・・



「エミリアさまからです!」


「何でしたか?」


「えーっと・・・あみぐるみがたくさんでてきました!あ、バラのポプリも!」


「王妃様はお好きな方にあみぐるみをプレゼントなさるんですよ。バラのポプリは王家が販売しているロイヤルセルのものですねいい香りですよ」



ふたつとも早速お部屋に飾っておこう。次は・・・。


「パトリオット おうじです」


「何でしたか?」


「えっと・・・カチューシャが3つ・・・?おてがみが はいってますね。えっと『よかったら おねえさんたち とつかってね』ですって」


「そうですか。それぞれに似合いそうな色ですね。パトリオット王子はよく人を見ていますから」


「次は・・・ブライト王子です」


「何でしたか?」


「・・・カエル?」



箱を開けると中から出てきたのは小さなカエルの置物?おもちゃ?だった。うーん・・・?これはおもちゃなのか・・・?



「カエルの置物?おもちゃ?でした」


「それは置物ですね。ここの置物は人気が高いんです。スカーレットカエルは怖くないですか?」


「置物なら平気です」


「それならよかったです」



失礼かもだけど思ったより可愛いカエルの置物が出てきた。窓辺に飾っておこう。



「つぎはセージおうじですね」


「何でしたか?」


「あ!ほん です!」


「それ、最近話題の絵本作家の最新作でまだ発売してないんですよ?」



後で読んだら汚さないように図書室に置いておこう。他にはレイチェル様から髪を結ぶ綺麗なリボンをたくさんとジョン様からは万年筆をいただいた。お父様の方のおじい様とおばあ様からはドレスが届いていた。



「これで全部ですね・・・ああ、そうだスカーレット、おばあ様からのプレゼントなんですが・・・」



おじい様は瞳を伏せる。おばあ様と私は生まれてから会ったことがない。おじい様は悲しそうな顔をしているし何かあるのだろうか。



「はい」


「実は体調が優れないんです。でもスカーレットには会ったことがないから直接渡したいと言っていて・・・。よかったら今度家に来ませんか?」


「おばあさま ぐあいがわるいんですね・・・。おとうさまが いいっていってくれたらいきたいです!」


「本当ですか?ああ、ありがとうスカーレット。妻も・・・おばあ様も喜びますよ」



そう言ってからプレゼントのリストを折り畳むとおじい様は立ち上がる。



「さ、戻ってお礼の手紙を書きましょうね。その後はパーティーですよ」


「はい!」



おじい様と手を繋いで自分の部屋に戻る。お礼のお手紙ももう名前と貰ったものを書けばいいだけになっているのでスペル間違いがないかを確認して貰って封をする。



「これで大丈夫でしょう。ミーナ、サナトくんに渡しておいてください」


「か、かしこまりました!」



ミーナがなんだか照れてるような・・・。は!だめ!禁断の恋はダメだよミーナ!!出ていく背中に念を送ると入れ替わりにお兄様が入ってきた。



「手紙は書き終わった?」


「はい!」


「ふふ、そっか。そろそろ準備ができたみたいだよ」


「そうなんですね」


「じゃあ行きましょうか」



ダイニングへの道すがらお兄様がプレゼントは何が来てたのか聞くのでお話しする。お兄様は『ふぅん』と言った後、『よかったね』と言って笑っていた。












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