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閑話5・ケビンはおもしろくない

「・・・あーあ、余計なことしてくれちゃった」



少し離れたところからスカーレットの様子を眺めてため息を吐く。今は同い年の王子様2人に囲まれて楽しそうに話をしている。陛下と王妃様はサナト様とルティシア様に頭を下げていた。



「ポンコツで居てくれたままの方が居なくなってもらいやすかったのになあ」



至るところに用意されているベンチのひとつに座って面白くない気持ちで眺めているとパトリオット王子が隣に座った。



「隣いい?」


「どーぞ。そういうのは座る前に聞くものだと思いますけどね」


「あはは、まあまあ。機嫌悪い?」


「良く見えるならその綺麗な青い目は飾りだってことですね?」


「あはは、それは困るなあ。ま、今回は見逃してよ。ブライトがあのままじゃ王家にとって大ダメージだ。分かってるからスカーレット嬢もあれで許してくれたんじゃない?」



幼少期の内はあれが最上級のマナー違反だもんね、と言ってカラカラと笑うパトリオット王子に僕もにっこりと笑う。



「本当に、相手がフェイバー公爵家で良かったですねパトリオット王子」


「肝に命じておくよ。まったく・・・僕も君も賢いと苦労するよ?」


「あはは、僕より賢そうな女の子がいるからね。僕はあの子を幸せにしたいんだ」


「・・・ふうん?とてもそんな顔には見えないけどね」


「・・・僕も自分がこんなに嫉妬深いなんて思ってなかったよ」



独占欲が強いってことも知らなかった。スカーレットに出会ってから僕はどんどん欲張りになっている。



「色々と、やりすぎると嫌われるからね?」


「大丈夫」


「どうしてそう言いきれるの?」


「僕が怪獣になっても助けてくれるらしいから」


「は?」


「いいんだよ僕とあの子だけが分かれば」



恋してるねえと言った後に『気を悪くしないでね』といってパトリオット王子はスカーレットを見る。



「どうしてスカーレット?」


「恋に理由がいるなんて初めて知ったな」


「かっこいいね~。確かに可愛いけどまだ3歳でしょ?エレーナとかトパーズなら分かるけど」


「・・・泣き顔が可愛かったから」


「うわ引く」


「初めて公爵家に着いたときにスカーレットポロポロ泣いちゃってそれが可愛いくて」


「詳細いらない怖い」



パトリオット王子の顔がひきつってる。半分は冗談だ。半分は本気。あのとき、僕はこのためにフェイバー公爵家に来たんだと思ったんだから。



「僕だけ見てくれればいいのに。僕だけがスカーレットを見られればいいのになあ」


「病んでるって言われない?」


「初めて言われたけど病んでるとは思うよ」


「はー・・・スカーレット嬢はやっかいな男に好かれちゃったってことかな」


「大切にはするよ。とってもね?」



大好きだよ。僕のスカーレット。きっと、僕が誰よりもずっと君を大切に愛してあげるからね

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