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ごめんなさい

おじい様たちと元の場所に戻るとお父様とお母様がお茶をしていた。陛下たちはどこにいったんだろう?



「陛下たちがいらっしゃらないわね」


「はい、なにか、あったんでしょうか?」



トパーズお姉様とそんなお話をしていると、私たちに気がついたお父様とお母様が立ち上がって王子たちにお辞儀した。



「子どもたちを案内してくださりありがとうございます。粗相などございませんでしたか?」


「いえ、シュプリーム侯爵が案内してくれたようなもので僕たちはほとんど着いていっただけです。粗相が無かったか気になるのはむしろこちらの方です。むしろ、仲良くしていただけて嬉しかったです。ありがとうございますフェイバー公爵」


「ありがとうございます」



パトリオット王子の言葉のあとにセージ王子もお辞儀をする。お父様は目をパチパチさせたあとなるほどと呟いた。



「そっかパトリオットは優秀だったね。拗れた理由も大体察しがついたよ」


「あはは。ブライトも頭が悪いわけではないんです。3歳にしてはかなり出来はいいんですが、何せ僕がこうだから父上も母上も子どもは手がかからないものだと思ってる節があって・・・だから僕としてはブライトのやんちゃも2人のためかなーなんて思ったり。あ、もちろん、スカーレット嬢に痛い思いをさせたのは申し訳ないです。お詫びはこちらから送ります」



・・・本当にこの人エミリア様が言うようにダメなの?にわかには信じられない気持ちでパトリオット王子を見る。



「・・・はあ、しっかりし過ぎなのも問題なのかなあ。ケビンもそういうとこあるよねえ」


「僕は妹に優しい普通のお兄様ですよ?ねえ?」


「おにいさまは とってもやさしいです」


「ほら」


「わあ、昔の僕みたい」


「あはは、大変ですねえサナトくん。ん?・・・皆さん折角ですが私はここで失礼しますね。サナトくんたち、たまには家にも遊びに来てください。妻も待ってますからね。それでは」



執事が何かおじい様に伝えるとそれを聞いたおじい様はそう言って一礼し、部屋を出ていった。それと同時に陛下とエミリア様に手を引かれてブライト王子が入ってきた。ブライト王子は私の前に立つと勢いよく頭を下げる。



「ごめんなさい!」


「え・・・?」


「・・・ははうえが、どうしてぼくが、おこられたのか、おしえてくれた。スカーレットにいたいことしたって、きがつかなかったんだ・・・ごめんなさい」


「・・・いいですよ」


「・・・ほんとう?」


「はい。わたしも つよく いっちゃってごめんなさい。およめさんは やっぱり いやですけど おはなしするくらいなら いいですよ」


「それは、その、ともだちに、なってくれるって、こと?」



捨てられた子犬フェイスはやめて欲しい。あんまり関わるべきじゃないのかもしれないけど、ここで拒絶する理由はない。私はゆっくり頷いた。


「ともだち なら いいですよ」


「!!うれしい!ありがとうスカーレット!ぼく、ともだちできたのはじめてだ!」


「まあ」



王族だから他の公爵家とも交流があるかと思っていたけどそうでもないのか。ブライト王子はひとしきりはしゃぐとパタッと止まって首を傾げる。



「ともだちってまずなにをするものなの?」


「なにかしないと ともだち じゃないなんてことは ないとおもいますけど・・・」


「まって、ブライトだけ、ともだちが、できるのはズルい」



今まで黙っていたセージ王子が乱入しきた。この話し方が素なんだろう。セージ王子はブライト王子の肩に手を置いて自分の方に向けさせると手でばってんを作ってブライト王子に突きつけている。え、なにそれ可愛い。いや、でも待って聞き捨てならない。



「セージさまとは、もうともだちのつもりでした」


「・・・そうなの?」


「え、ちがうんですか?」



あれだけガゼボの中で仲良く遊んだのにサラッと無かったことになったの?お花を水に浮かべて最後まで残った人の勝ちとか花びらを水に浮かべてその形で明日の天気を占って当たったら勝ちとか穏やかな遊びだったから物足りなかったのか。



「・・・そっか、そうだね。すきなたべもののはなしも すきな はなの はなしも したし」


「!!」


「そうですよ」


「ぼく、ぼくもスカーレットとおはなしする!スカーレット、こっち!もうひっぱらないから、こっち きて」


「だめ、ぼくもともだちだから いっしょにいく」


「「・・・スカーレット真ん中ね」」



こうして小さな双子の王子様たちに手を握られたわけですが・・・待って、もしかして、妙なフラグを立ててしまったかも?








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