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おじいさま

しばらくすると本当に男性が戻ってきた。お父様は立ち上がって礼をする。



「お久しぶりですお義父様」


「はい。サナトくんお元気でしたか?」


「おかげさまで私含め、家族皆、元気に過ごしております」


「それはよかった。ところで、噂のケビンくんは?」


「ケビン、おいで。そうだ、スカーレットも大きくなってから会うのは初めてだよね?おいでスカーレット」


「ああ、そうですねスカーレットが生まれて、しばらくしてから、耳が飾りの王子のせいで私は非常に忙しかったですから」



全然会いに行けませんでしたねと苦笑する男の人にお兄様と一緒に近づく。



「ケビン、スカーレット、お母様のお父様でふたりにとっては おじい様になるシュプリーム侯爵だよ」


「はじめましてケビンくん。久しぶりですねスカーレット。気軽におじい様と呼んでください。ああ、ほらエレーナとトパーズもこちらに来て私に顔を見せてください」



お姉様たちも来ておじい様を囲む。おじい様はお母様と同じで黒い髪に赤い瞳をしていて髪を長く伸ばしていた。目の前でゆらゆら揺れている髪をついつい掴んでしまうとクスクスとおじい様が笑う。



「私の髪が気になりますかスカーレット」


「あ、ごめんなさい・・・。おかあさまと おんなじで とっても きれいだったから」


「いいんですよ。ルティシアも子どもの頃は私の髪を触っては『同じように伸ばすんだ』とはりきっていました。懐かしいですねえ。おや、スカーレットは口がルティシアに似てますね。きっと美人になりますよ」


「エレーナは目元がそっくりですね。笑うと小さいときのルティシアによく似ています。美人確定ですね。」


「トパーズは私似でしょうか。私も涙ぼくろがあるんです。泣き虫の証だなんてからかわれました。トパーズも美人になりますから涙はここぞというときにとっておきましょうね」


「ケビンくんは綺麗な目の色をしていますね。それにいい男になる顔つきです。中身も磨いて立派な紳士を目指してください」



次々に私たちを褒めてくれるおじい様にタジタジになっていると陛下が止めにはいる。



「宰相、パトリオットとセージが驚いてるからそこまでにしてくれ」


「おや、まだいたんですね」


「ここは王城だぞ」


「おや、失礼。何せここのところ家にも帰れないほどの激務でしててっきり我が家はここなのかと思ってしまいました。特に外交関係も悪くなければ国内も荒れていないのにおかしいですよねえ。ああ、台風が身内にいらっしゃいましたね。これはこれは失礼をしました陛下」


「・・・ワースレス伯爵の件だけは済ませて少し休暇を取ってくれ・・・」


「それはもちろん。私オモチャの掃除は徹底的にしないと気がすまないタイプなんです」


「?おじいさまも、おもちゃで あそぶんですか」


「ええ。楽しいですよ。いつかスカーレットにも教えてあげましょうね」


「はーい」



おもちゃが文字通り『おもちゃ』ではないだろう。他の家への対処とかとっても興味あります私。



「ふふふ、エレーナとトパーズとケビンも知りたいですか?」


「僕は興味ありますね」


「大人もおもちゃで遊ぶのかしらお姉様」


「うーん・・・チェスとかかしら?」


「チェスは興味ありますね」


「そうね。この前お父様に少し教えていただいたもの」


「ふふ、それじゃあ二人とも今度チェスを教えてあげましょうね」



お姉様たちは分からない、というか、分かるお兄様が怖いのだ。私は中身が26歳だから分かるだけでお兄様は純粋に9歳なのに・・・。


私たちがおじい様と話している間ソファに座りながらお母様たちはお茶をしている。お父様と陛下はこれ幸いと2人で少し席を外したみたいだ。そのためにおじい様が戻って来たのかもしれない。



「スカーレット、いらっしゃい。散歩に行きましょう。王家の中庭は見物ですよ。王子たちもぜひ。孫たちと話してやってくださいな。今のお二人でしたら大丈夫でしょう」



気をそらすように私を抱っこすると歩き始めるおじい様。歩調は歩いてる中では1番幼いセージ王子に合わせているのでこの散歩は長くなりそうだ。


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