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お昼寝

次の日、お昼ご飯を食べ終わった私はお兄様と図書室にいた。お兄様が誘ってくれたのだ。



「昨日はびっくりさせちゃってごめんね」


「だ、いじょぶです」



絵本を眺めていたら突然謝られて驚く。お兄様はクスクスと笑うと私を足の間に座らせた。



「おにいさま?」


「読んであげる」



この絵本はまだスカーレットはまだ読めなかったらしい。そうなると私も読めないのだ。言葉より文字の方が覚えるのが大変とはよく言ったものである。



「それにしても、スカーレットはお姫様の話は読まないの?さっきから魔法とか食べ物の絵本ばっかり眺めてるね」


「なんとなく、ブライトさまを おもいだすというか・・・」


「ふうん?」


「わたし、おひめさまには むいてません」


「えー?そうかな?」


「だれにでもニコニコできません」


「あは、それはダメかもねえ」



そう言うとお兄様は私に本を読み聞かせてくれる。優しいその声音にどんどん瞼が下がってくる。



「・・・スカーレット」


「ひゃっ!」


「もう、寝るなんてひどいよスカーレット」



プニプニとほっぺたをつつかれる。うう、ついつい寝てしまった。このところ、忙しくしていたし幼女の身体はすぐ眠くなる。



「う、ごめんなさい、お兄様」


「もう、どこまで聞いてた?」


「うーんと、魔法使いがドラゴンと友だちになりました」


「じゃあこの辺りからだ。えーっと、『ドラゴンは本当は心が優しかったのです。しかしー・・・』」



また瞼が落ちてくる。うう、せっかく読んでくれてるのに・・・。何度も目を擦っているとお兄様がぱたんっと本を閉じてしまう。



「どうしても眠い?」


「ごめんなさい、おにいさま・・・」


「いいよ。少し寝ても。起こしてあげる」



そのままゆらゆらと揺られて私は逆らうことなくお兄様を布団にして寝てしまうのだった。

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