白河夜船
白河夜船: 知ったかぶりをすること、または、ぐっすり眠り込んで、何が起こったか知らないことのたとえ。(コトバンクより転載)。
二十歳の誕生日前夜、私は叔父の車で「夜釣り」に連れて行ってもらった。家の者には行き先も告げずに行う、叔父の家の儀式めいた伝統だ。あれ程背筋のぞくりとした夜は、後にも先にもあの一夜だけだった。
それから三十年、私は息子にだけこの秘密を語り継ぐことにした。奇しくも、私の誕生日の晩の事であった。
二十歳の誕生日前夜、私は叔父の車で「夜釣り」に連れて行ってもらった。家の者には行き先も告げずに行う、叔父の家の儀式めいた伝統だ。あれ程背筋のぞくりとした夜は、後にも先にもあの一夜だけだった。
それから三十年、私は息子にだけこの秘密を語り継ぐことにした。奇しくも、私の誕生日の晩の事であった。