休日
どうも、投稿ペース早めになった風祭りです
ここまで読んでくださっている皆さん
ありがとうございます
これからも春の座標をよろしくお願いします
宿題と読書が終了した頃、閉館の時間になっていた。
前を見ると、先輩は夏休みと一緒で、目を一点に集中させ、パソコンを動かしている。
「先輩、閉館」
「おっ、そうか」
先輩はバックを抱え、早足でドアへ向かい、俺たちは図書室を出た。
時間は6時を少し回り、野球部やサッカー部の掛け声は聞こえず、物静かで少し寂しい校庭がぽつんと置かれてある。
そんな感じだった。
「どうした高瀬?お前もサッカー部や野球部のように練習してるところを『かっこいい!』とか思われたいのか?」
「練習で死ぬんで、いいっす」
何気もない会話をして、この日は終わりを告げた。
次の朝、寝坊したと思ったら、土曜日で二度寝したあと、起きたのはちょうど正午になりかけの時だった。
起きて、1分も経ってない体を無理やり起こし、私服に着替えた。
毎度おなじみの本屋に向かって、自転車をこぎ、約10分後に無事到着。
とりあえず、面白そうな本を買い、ご帰宅する予定だったのだが...。
「なんで、先輩いるんすか」
「それはこっちのセリフだぞ」
「先輩も本すか?」
「ここには本しかないだろ」
「ですよね〜」
制服とは違い、水色のワンピースの上に黒色のコートを来て、赤マフラーを巻き、本を手に取っていた。
髪は学校とは違く、1個のゴムでまとめたポニーテール。
何とも男子心をくすぐる格好だと思った。
ちゃんと女子高生してんだなこの人。
いつもはパソコンばっかしてるからなこの人。
俺は先輩とは別方向の小説棚に行き、2.3冊取り、レジに向かう。
代金を払って、店を出た。
「まじかよ」
外では大降りの雨が降っていた。
傘はもちろん持ってなく、自転車もびしょ濡れだ。
仕方ない、どこかで待つか。
横を向くと、先輩も同じ表情で、キョロキョロと周りを見渡す。
「全く、ここにいたのか高瀬」
「俺ずっと先輩の横にいましたよ?」
「あ、そうか。というか、傘持ってる?」
「持ってません」
「じゃああそこで雨宿りしよう!」
先輩が指さしたのはオシャンティーなカフェ。
先輩もこういうところ入りたがるんだな。
店に貼ってあるポスターには、限定ストロベリーチョコバナナパフェというめちゃめちゃでかいパフェの写真が貼ってある。
「まあ、暇ですし、行きますか」
先輩は嬉しそうに頷き、お店に向かって、歩いた。
◇◇
よく女子はお砂糖とスパイスで出来ているというが、俺はその意見に同意。
しかし、女子というものは本物と偽物がいるのを理解して欲しい。
本物というものの代表例は二次元で、偽物というのは多分、そこらじゅうにいる可愛いアピールしているブスだろう。
アニメのメインヒロインやサブヒロインは可愛いやつでしか、作られてなく、そこらじゅうにいる偽物を似せて作ったのではない。
参考にしたのはもちろん可愛い人間であろう。
ニュースキャスターなども肌などが綺麗な人しかダメという暗黙のルール的なものがあると聞いたことがある。
そこで、もう格差が生まれるのだ。
ブスは捨てられ、可愛いやつは生き残る。
その辺男子は楽だ。
どんな奴でも、女子の好みならどんな男でも付き合うことは可能であって、無限大を秘めているからだ。
結果を言おう。
男子でよかった。
「何か考え事か?」
先輩の言葉で、現実に引き戻される。
俺の目の前には伊阪 棗 先輩。
テーブルには限定イチゴチョコバナナパフェのメガサイズがどんと1つ置かれ、そのパフェにはスプーンの長いバージョンのやつが2つ刺されている。
「先輩、俺も食うんですか?」
「私だけじゃ食べきれないからな」
「とか言いつつ、3分の1もう食ってんじゃないすか」
俺は自分のスプーンの長いバージョンを引き抜き、アイスをすくい、食べた。
「おいしいっすねこれ」
「だろ?だろだろ!!」
「まあ飽きそうな味っすけどね」
「じゃあもう食べるな!」
「さーせんいただきます」
そして、俺たちが食い尽くしたのは5分後だった。
◇◇
雨も上がり、すっかり日が出て、暑くなった。
先輩は暑くなったのか、コートを脱ぎ、ワンピース1枚になった。
汗で少し背中が透けて色々見える。
まじ目のやり場に困るんすけど。
「そうだ高瀬。今日このあと予定あるか?」
「いや、特にないですけど」
「よし、じゃあ私の家に来ないか?」
「...はい?」
「今度、私の友達の誕生日にクッキーを焼きたいのだが...駄目か?」
「いや、2人きりは先輩...大丈夫なんすか?」
「2人きり?まあよく分からないが、多分大丈夫だ!」
心配だなこの人。
俺は先輩と自転車を取りに行き、先輩の家に向かってこいだ。
今週中には次話を投稿する予定なので、よろしくお願いします