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74話 1184→515

サブタイの数字の意味が分かる人はhoi2のmod使いだと思うの(古典派脳)


 1940年6月上旬 東京 秩父宮邸



 F12 command warp 1184-515



「む?」



 なんですかね? このコマンドは?

 こんなチートコマンドはhoiにはありませんよ?


 まあ、このコマンド自体が冗談なんですけどね。



「藤宮様、そろそろ出発のお時間です」


「はーい。お父様お母様、行ってまいります」


「気を付けて行ってくるんだよ」


「生水は必ず沸かしてから飲むのですよ」


「征露丸もちゃんと持ったから大丈夫だよ!」


「夏子、桜子さんを頼みましたよ」


「お任せください」


「お土産を楽しみに待っていてください!」


「やはり心配だわ…… 粗相のないようにね」



 お母様は心配性ですね。まあ、侍女が付いているとはいえ、子供の一人旅には変わりはないのですから、お母様が心配するのも理解はできるのですけど。

 それで、私と侍女の夏子さんはドコにお出かけするのかといいますと……



 やってきた先は、羽田飛行場でした。


 それで、プロペラが三つ付いている飛行機が、なぜか私の目の前に鎮座しているのですよ。

 形としては、ユーおばさんこと、ドイツのJu52に似ていると思います。


 その飛行機の名前は、サヴォイア・マルケッティ SM.75GA!


 イタリアが誇る最新鋭の旅客機ですね。

 ユーおばさんと比べると、最高速度で100km/h優速ですし、航続距離に至っては補助タンクを含めたら、7倍以上の差でしょうか?


 航空機の性能でいったら、イタリアも意外に馬鹿にできない性能なんですよね。

 まあ、マエストロの国ですから、量産性が最悪なので大量生産が出来ないのが、イタリアのボトルネックなのですが。


 それで、このSM.75GAの航続距離を更に延長した機体が、史実で独ソ戦の真っ最中にソ連の防空網を掻い潜って、ウクライナから内蒙古の包頭まで無着陸で飛行して、それから日本までやって来たSM.75GA-RTなのでしょうね。

 まあ、ソ連の防空体制がザルだからこそ突破出来たのだと思います。イギリスやアメリカの上空では撃墜されるのがオチでしょうしね。


 なんといっても、史実のソ連は東西冷戦期という緊張状態にあるにも拘わらず、大学生が操縦する小型民間機を赤の広場に着陸させてしまうような、大失態すら犯しているくらいですからね。

 それも、レーダーが発達して以降の出来事なんですよ? ちょっと信じられません。


 レーダー監視員はウォッカの飲みすぎで、ヤキが回っていたのでしょうかね?

 さすがは、民間機を平然と撃墜できる国は、国民性もひと味違いますね!


 そこに痺れもしないし、あこがれもしませんけれども。



 それはそうと、なぜか知らないけど、イタリアから「イタリアに遊びにおいでよ!」とかの招待を受けたのですよね。それも、国王のエマヌエーレ三世が私を名指しで指名してきたのですよ。

 わざわざ、ドゥーチェとローマ教皇の添え状まで付けて……


 大日本帝国とイタリア王国の関係は、友好度200%が最大値として、現状では20~30%ぐらいの友好度の気がしますね。

 つまり、良くもなく悪くもなくって感じでしょうか? やや好意的なぐらいなのかな?


 だから、わざわざ私を招待する意味が分からないのですよね。

 ちなみにゲーム脳的には、-200%が最低友好度です。


 それに私は小学生で、この時期はまだ学校の授業がある期間なんですよね。

 まだ夏休みには少し早いと思いますよ?


 まあ、おそらくは風雲急を告げる欧州情勢のこの時期だからこそ、わざわざイタリアに招待したのでしょうね。


 だけど私の勘では、エマヌエーレ三世国王はダミーで、ドゥーチェが本命のような気がしますね。

 つまり、皇室王室外交の他にも、実際のイタリアを取り巻く政治情勢の話がしたいのでしょう。


 しかし、私は子供なんだぞ? 子供と何を話するんだ?


 ということはだ、私を出汁にしての、他のヨーロッパ諸国に対しての牽制の意味合いが強いのかな?

 私は裏でコソコソしようと思って、べつに目立ちたくはないのだけどなぁ。


 チラッチラッ


 まあ、因果応報といいますか、今まで少しばかり目立ちすぎてしまった故の弊害、自業自得の面は否めなかったのでしたね。

 こうして、イタリアに目を付けられるぐらいには、やらかしている自覚もありますし、ちょっと自重しようと思ったのが遅かったみたいでしたね。


 トホホ……


 もしかしたら、東京在住のジェンティルウォモさんから、私のことがイタリア本国に漏れたのかも知れませんね。

 私が直接、ジェンティルウォモさんと遣り取りをしたわけではないのですけど、ぽろっと私の名前が出てしまった可能性も否定できません。


 それにしてもこうして、イタリアから飛行機まで寄越してきたのだから、イタリアの本気度が窺えます。

 迎えの飛行機まで差し向けられてしまったら、さすがに外務省や宮内省も断るわけにもいかなかったのでしょうね。


 それで、イタリアに行くのにあたって、海軍中将である井上成美さんを海軍省より特命で召喚しました。

 井上成美海軍中将は、イタリア駐在武官も経験したことがあるので、今回のイタリア訪問に同行するにはうってつけの人物だったのです。


 まあ、井上中将自身は、そのイタリア駐在経験時には、あまり良い思い出がなかったみたいなのですが。

 この時代の欧米では、アジア人は蔑視される対象でもありましたので、もしかしたら不快な思いもしたのかも知れませんね。


 しかし、この世界線では、史実で起こった日中戦争も発生していませんし、それに対応した支那方面艦隊も編成されていませんので、井上中将は海軍省付きのままだったので、ちょうどタイミングが良かったですね。

 あれ? でもそういえば、井上成美は航空本部長でしたよね? このキナ臭い時勢に海軍航空本部長が、日本を離れても大丈夫なのでしょうか?


 まあ、召喚に応じたということは、多少の時間は日本を離れても大丈夫ということなのでしょう。

 もしかしたら、欧州の航空機事情の視察とかの名目も入っているのかも知れませんしね。


 イタリアだけを訪問して、日本に帰国するわけではありませんので。

 そう、私はイタリアの好意を無下にする訳にはいかないので、マルケッティ SM.75GAに搭乗しますけど、欧州諸国へ向かう外交官とか、そこそこ同行者の人数もいますので、DC-3 DSTも一緒にイタリアに飛んで行くのですよね。


 だから、イタリア以外の国を訪問する時と、帰国する時はDC-3に搭乗する予定になっているのです。


 それでは、行ってまいります!


私は頑張った私は頑張った私は頑張った!

物語が単調になるので、フレーバーイベントが入ったんじゃよ。

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