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62話 左遷された戦車兵の冬戦争

不定期更新だけど、今回は早かったね!


この物語は子供が主人公です。暴力描写は極力控えるようにしておりますので、ご了承ください。

読者のみなさんが無限大の想像力を発揮して、心の眼で戦闘シーンを好きなように思い描くのだw


きっと、親が子供に薦めたい小説や、PTA推薦図書に選ばれること請け合いでしょうw


あと、59話を加筆修正しましたので、よろしければご覧下さい。


 1940年2月 フィンランド カレリア地峡



「ひえー! この砲弾の投射量は先月までの砲爆撃の質とは完全に違いますね」


「露助も戦争に本腰を入れたってことだろ?」


「これはマンネルヘイム線を突破されるのも時間の問題ですよ」


「ちと不味いなぁ」


『ヘイ、ジャパニーズ! バック! バック!』


「後退しろってか。ラジャー!」


「敵が浸透してきて、縦に伸び切ったところを横から叩きたいですね」


「露助を分断させるんだな?」


「上手くいけば、前線の敵を孤立させれますよ」


「いっちょ、やってみるか!」


「ヘイ、メィジャー、サイドアタック、オーケー?」


『サイドアタック?』


「えーと、がり勉、縦に伸びるってなんて言うんだ?」


「確か、レングス、エクステンドだったかな? 長く伸びただったら、ストレッチロングです」


「エネミー、レングスエクステンド。エネミー、ストレッチロング。サイドアタック、オーケー?」


『ジャストアモーメント……』


「ジャストアモーメントってなんだっけ?」


「ちょっと待てとかそんな感じですね」


「前線司令部で相談しているってところか」


「おそらくはそうなんでしょうね」


「それにしても、無線機は便利だな」


「ちょっと前までの無線機は雑音が酷かったですけどね」


「日本製だったからだろ?」


「いま付いている無線機は日本製じゃないの?」


「これも日本製だけど、部品に外国製の部品でも使っているんじゃないのかな?」


『ヘイ、ジャパニーズ! サイドアタック、フリーアタック、オーケー! グッドラック!』


「ラジャー! 自由にやってよしってか」


「元々うちらは遊撃部隊ですし、動き回って敵を攪乱するほうが性に合ってましたね」


「それにしても今現在の車長は僕なのに、なんで元伍長が仕切ってるんですか?」


「戦場で細かいことを一々気にすると早死にするぞ」


「僕が死んだら、必然的に元伍長も死ぬと思うのですけど……」


「だから、死にたくなかったら細かいことは気にしちゃダメなの!」


「はぁ~、まったく……」




 ※※※※※※




「弾種、榴弾! 露助を蹂躙せよ!」


「弾種、榴弾。装填完了!」


「てーっ!!」


「敵、装甲トラック火を噴きました!」


「よーし、この調子でドンドン行くぞー!」


「やっぱ九五式軽戦車の相手は装甲車までですね」


「戦車が相手では分が悪いからな」


「そんなことを言っていると、敵の戦車が現れそうな予感がする」




 ※※※※※※




「なんだ、あの馬鹿でかい戦車は!?」


「じゅ、重戦車…… だから言ったのにぃぃ!」


「やかましい! わめいても目の前の現実は変わらん! 現実を直視せよ!」


「あの戦車は、チハの倍以上の大きさに感じますよ」


「重さは三倍近くありそうだな」


「それじゃあ露助の重戦車は、45トンもあるってことですよ!?」


「それぐらいある感じはするな」


「この九五式軽戦車の六倍以上とか、大人と子供以上の差ですよ……」


「ボフォースとはいえ、37mm徹甲弾では歯が立たんぞ。相手にもならん」


「虚しく弾かれる姿が目に浮かびますよ」


「あの重戦車は戦車砲も75mm以上はありそうですよ!」


「ジロと同等以上ってことかよ。こりゃ、本格的にヤバいぞ」


「いくら追加で装甲を取り付けてあっても、九五式では当たれば一発で御陀仏ですよ!」


「敵の重戦車、こちらに気付きました!」


「取り敢えず、射線に入らないようにしながら後退して林に隠れるぞ!」


「敵発砲!」



「うん? 露助の重戦車はドコを狙って撃っているんだ?」


「うちらを狙っていたとすれば、照準が酷すぎますね」


「大きくて重い分、どうやら小回りも利かなさそうですよ」


「ふん! つまりは、見かけ倒しで動きの遅い、ただのデブってことか」


「機動戦ではそうかも知れないけど、トーチカ代わりに使われたら厄介な気がしますね」


「あと、待ち伏せとかだな」


「待ち伏せで75mmを撃ってくるのは辛いですよ」


「なんとしても生きて帰って、日本に戦訓を持ち帰らなければな」


「敵、重戦車が爆発しました!」


「なにが起こった!?」


「味方の空からの攻撃です!」


「どうやら、30kgか60kg爆弾が直撃したみたいですよ」


「九八式戦闘機の攻撃か? 腕のいいパイロットみたいだな」


「そのようですね」


「続いて機銃掃射で、敵歩兵がミンチにされています!」


「うわー、間近で見たらまた暫くは肉が食べれなくなりそう……」


「制空権か……」


「空を支配する者が地上も支配するってことですか?」


「空からの爆弾と機銃掃射の雨は防ぎようがないからなぁ」


「ノモンハンの時もそうでしたね」


「逆に露助に同じことをやられたらと思うとゾッとしますね」


「味方戦闘機の傘の下で戦って、敵の爆撃機と襲撃機を味方戦闘機に排除してもらわねば、今の露助と同じ目に遭いそうだよな」


「制空権は地上援護に重要っと、メモメモ……」


「空から偵察すれば敵部隊の位置と規模もおおよそ判明しそうですしね」


「よほど巧妙に隠蔽しなければ、空から丸分かりだろうなぁ」


「その土地に合わせた迷彩色のシートとかが必要になってきますね。メモメモ……」


「しかし、航空機だけでは地上を支配することは出来んよ」


「飛行機は地上では動けませんしね」


「結局のところ、最終的には歩兵で占領しなければならんからな」


「敵の残存兵力が後退して行きます!」


「適当に追い討ちを仕掛けてから引き上げるぞ!」


「了解しました!」


「僕が車長なのに……」


「気にしすぎると、ただでさえ薄いがり勉の頭がもっとハゲるぞ」


「これはただ単に坊主頭なんです!」


「いや、普通にてっぺん髪無いから」


「う、五月蝿い! こうなったら、この怒りをイワンどもにぶつけてやる!」


「がり勉に八つ当たりされる露助に少しだけ同情する俺がいるのだが……」


「まったくです」


「誰のせいですか! 誰の!」



作者の私は平和主義者だから、戦闘シーンを書くのが苦手ともいう…


ストックがないので不定期更新は続きます。

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