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宮様にTS転生したけど、第二次大戦が目前の日本で既に詰んでる気がする…… 作者:うるめいわし
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48話 ある戦車兵の物語

今話は読者の想像力が試される?鍛えられる?話だと思われます。
つまり、イマジネーションは無限大!

 1939年7月上旬 満蒙国境 ノモンハン


「よーし、これで三台目いただきだぜ!」

「装填準備完了!」

「撃てぇ!」



「敵戦車、火を噴きました! 撃破確実です!」

「ヒャッハー! 露助の戦車はブリキ缶も同然だぜ!」

「確かに脆いですよね」

「よーし、前進するぞ!」

「車長よろしいのですか?」

「なーに、手柄立てちまえばこっちのもんよ!」

「命令では、この場で向かって来た敵だけ迎撃せよとの命令なのですが?」

「石原閣下だって、独断専行で手柄立てて出世したんだ! 俺だって!」

「ですが……」

「いや、あの人、陸大出てますし、士官学校も出てない車長とは違いますよ」

「車長は伍長ですやん」

「やかましい! だから、出世の為に前進するんだよ!」

「それに、あの人、もうすぐ中将様って話みたいですよ」

「五月蝿い! とにかく前進あるのみ!」

「へーい」

「どうなっても、知りませんよ。自分はちゃんと意見しましたからね!」

「大丈夫だっての! 露助の戦車など恐れるに足らず! パンツフォー!」

「パンツじゃなくて、パンツァーですよ」

「パンツってふんどしのことだよな?」

「なに、気にするな。気にしすぎるとハゲるぞ」



『おい! 四号車、勝手に持ち場を離れて前進するな!』

「石原閣下や越境将軍の真似ですよ!」

『おい、貴様! 命令違反は軍法会議ものだぞ!』

「敵前逃亡じゃなくて、敵前突撃で軍法会議? 栄光ある帝国陸軍は、いつから臆病者の集団になったのでありますか?」

『言葉を慎め!』

「隊長殿! 車長以外は無実ですからね!」

「独断専行や統帥権干犯をやらかした、お偉いさんが出世しているのです! じゃあ、そういうことで!」

『おい! 待て!』





「あれで、よかったんですか?」

「構うもんか」

「帰ったら、きっと隊長は、茹蛸の如く怒り狂ってると思いますよ……」

「結果こそが全てにおいて優先されるんだよ」

「本当に知りませんからね!」

「戦場とは常に流動的なのだ」

「まあ、それは確かに、車長の言う通りなのですが……」

「高度な柔軟性を維持しつつ臨機応変に対応しなければ、勝てる戦も勝てなくなってしまうだろ?」

「それは一理ありますね。勝てる戦をみすみす逃すのは、愚か者のすることだとは思います」

「そうであろう?」








「これで、六台目か!」

「本当に脆いですね」

「これでは、ブリキの玩具だ」

「車長、二階級特進で曹長も夢ではないですよ!」

「あはははっ! そうであろう!」

「二階級特進だなんて、特別な功績があった戦死だけですやん」

「確かに、縁起悪いよな……」

「そんなこと言ってたら、本当に良くないことが起こりそうなので止めて下さい」

「がり勉は、気が小せえなぁ」

「気が小さいんじゃなくて、謙虚なんです!」





「ん? 急に動かなくなったぞ? 故障か?」

「い、いえっ、おそらくこれは、ピアノ線かと思います!」

「ちっ、敵の罠に引っ掛かるとはな。俺もロートルってことか……」

「大変です! おそらくは、敵に半包囲されてます!」

「なんだとぉ!?」

「だから言ったのにぃぃぃ!」

「やかましい!」

「敵、発砲炎!」

「チッ!」


「うぐっ!」

「がり勉! しっかりしろ!」

「しゃ、車長…… や、靖国で会いましょう……」

「がりべーんっ!!」

「車長、ソイツ気失っただけですよ」

「なに? ……息はありそうだな。ほっとくか」

「それよりも、どうします? このままでは嬲り殺しに遭いますよ?」

「脱出だ!」

「脱出しようにも、狙撃されるのがオチですので……」

「それもそうだったか…… 詰んだか……?」

「まあ、残弾あるうちは、精々足掻いてみせますよ」

「最後は本当に、嬲り殺しにされそうだがな。だが、それも悪くはないか」

「ええ、我らが藤宮様も言っておられました」

「撃ってよい者は、撃たれる覚悟のある者だけ、だったか?」

「そういうことです。死兵となって最後まで露助を殺しまくりましょうぞ!」

「死ぬなんて嫌だよ。でも、藤宮様って、なにげに名言ばかり言うよな」

「そういえば、このチハの戦車砲を長砲身に変更させたのも、藤宮様のアイデアって噂があったな」

「ああ、そう…… ん? 何の音だ?」


「このレシプロエンジン音は!? ハ27です! 味方です!」

「頼むから、俺達にあてるなよ」

「友軍の誤爆で死ぬのは、死んでも死に切れませんからね」

「縁起でもないこと言うなよ」








「どうやら、爆撃と機銃掃射は治まったようだな。外の様子はどうだ?」

「露助の残存兵力は後退して行きます!」

「た、助かったのか?」

「ふぅ~、どうやら生き延びてしまったみたいだな」

「せっかく、人が死ぬ覚悟を決めったってのに…… 飛行機乗りが邪魔しやがって!」

「でも、命あっての物種ともいいますし」

「まあ、そうだったな。生き延びれば、またそれだけ露助を殺せるってもんだ」

「車体の上部に、日の丸を描いている訳がようやく理解できましたよ」

「友軍の飛行機からの誤射を防ぐ為だったんだが、役に立ったな」

「これは効果ありと、戦訓として意見具申してみましょう」

「航空隊の連中の意見も聞いてみたところだな」

「時速300kmや400kmの速度で高速移動中に、日の丸を視認出来ているか微妙ですしね」

「俺たちとは、見えてる世界が違うからな」

「しかし、酷い有様だな……」

「敵の歩兵なんて、挽き肉になってますよ」

「ミンチよりひでぇや」

「しばらく間は、肉を受け付けそうにないな」

「戦車の中で丸焼きになるのと、どっちがマシなのかな?」

「棺桶に入ったまま御陀仏だなんて、ごめんだぜ」

「どっちも御免被る」

「そりゃ違いない」

「おい、がり勉! いつまで伸びてるんだ? 起きろ!」

「ふぇ?」

「死ぬのなら、がり勉みたいに苦しまずに死にたかったわ」

「ぼ、僕、死んだんですか?」

「心配するな、おまえはちゃんと生きてるよ」

「救援が来ましたよ!」

「始末書を書かされそうだな……」

「自分は庇いませんからね」

「まあ、しゃーない。独断専行はもうゴリゴリだ」

「でも、またやらかすんでしょ?」

「臨機応変に対応するだけだ」

地の文? なんですかそれ?
け、けして戦闘シーンが書けないわけではないんだからね! 苦手で下手くそなだけで…
でも、擬音は入れた方がよかったかも知れない…
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