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宮様にTS転生したけど、第二次大戦が目前の日本で既に詰んでる気がする…… 作者:うるめいわし
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46話 ノモンハン


 1939年5月 満州北西部


「チハが240両に、ジロが208両か……」

「ええ、これだけの戦車が一堂に会するとは、壮観な眺めですね」

「圧巻とも言えるな。チハを長砲身に変更出来たのは幸いだったな」

「57mmでも、48口径と18.4口径とでは雲泥の差ですよ」

「そうだな。初速は倍以上違うし、射程も六割増しだ」

「なんで短砲身なんか装備してたのでしょうかね?」

「それを突き詰めると、昔のお偉いさんの悪口になるので、やめておけ」

「わかりました」

「それよりも、こっちのジロは使えるのか?」

「75mmの威力は絶大ですよ」

「それはその通りなのだが……」

「技術本部のお墨付きは出てます」

「75mmは確かに強力ではあるのだが、砲塔が旋回しないのがなぁ」

「戦車とは思えないと?」

「うむ。砲塔が旋回してこそ戦車だとは、貴官も思わないかね?」

「まあ、そうですね。ジロは正確には戦車ではなくて、自走砲の類いですので」

「そうだとしても、旋回しないのがなぁ」

「演習でも良好な成績を修めていますので、大丈夫でしょう」

「そうだといいのだが……」

「それよりも、本当にソ連が攻めて来るのですか?」

「上に言わせれば、その可能性が高いと言ってたな」

「だから、この戦車の数でしたか」

「そういうことだな。戦闘機や爆撃機も既に待機しておる」

「待ち構えているのがばれたら、攻めてこないのでは?」

「ソ連が攻めてこないのであれば、それに越したことはない」

「まあ、それもそうでしたね」

「抑止力として、軍を集結させることも必要であろう」

「挑発行為と受け取られなければよいのですが……」

「我が方から、ソ連を攻めなければ文句は言えんよ」

「そうだとよいのですがねぇ」








 東京 秩父宮邸


【満蒙国境で武力衝突が発生! 満蒙両国はお互いを非難!】


 ノモンハン事件キター!


【陸軍は現地に捜索連隊を派遣するも、付近にモンゴル軍は見当たらず! 満蒙国境の武力衝突は沈静化する見込みか?】


 あれ? もうこれで終わりなの?

 モンゴル軍とは銘打っていますけど、当然ながらソ連の軍事顧問団の将校はいるはずなので、実質的には、ソ連赤軍モンゴル人部隊といった方が正解の気がしますね。
 今回の武力衝突は、日本側の出方を見る威力偵察だったのかな? そういえば、ソ連って未来でもしょっちゅう、相手を挑発するような似たような火遊びをしていたような記憶がありましたよ。

 でも、未来の日本が平和ボケしているだけで、世界の常識的には、挑発行為も当たり前なのかも知れませんね。
 にこやかに相手と右手で握手をしながら、左手にはいつでも相手を刺せるナイフを持っている。これが普通なのか……

 いやはや、世知辛い世の中といいますか、人間って度し難い生き物なのだと思います。

 それにしても、つまらん。そうじゃなくて、良かった良かった! うん、武力衝突や戦争が起こるよりは、平和が一番だもんね!
 史実とは少し違うみたいな結果に終わりましたけど、事態が鎮静化して結果オーライってことです。




 そう思って、安心していたのですが……





【再びモンゴル軍がハルハ川を越境し、満州領土へと侵攻!】


 またですか? モンゴルとソ連もしつこいですね。
 もうハルハ川が国境でええやん。普通、国境とかを画定する場合には、川とかを利用すると思うのですけど、モンゴルは何が不満なんでしょうかね?

 まあ、モンゴル側が納得していないから、武力衝突なんかが起こっているわけではありますけど。


【帝国陸軍航空隊、ハルハ川西岸の敵陣地を爆撃!】


 あちゃー、これは紛争が拡大しそうな気配がしてきましたね…… お偉いさんたちは、ノモンハン事件は不拡大の方針ではなかったのでしょうか? 違ったのかな?


【ノモンハンにソ連軍の姿を確認! 大規模な武力衝突へと発展か?】


 ああ、そういうことだったのかぁ。ソ連の後詰が到着してから、ここからが、本格的なノモンハン事件ということでしたか。
 結局は、史実と同じく大規模な戦闘は避けられないみたいですね。

 でも、史実と違うのは、日本の側には長砲身のチハたんと、75mm砲を搭載したジロが配備されているということです。
 戦闘機も九七式戦闘機ではなくて、隼の強化版みたいな九八式戦闘機が配備されていますので、ソ連のオンボロ戦闘機なんか目ではありません。

 史実では、九七式でも常に航空優勢は確保していたみたいですし、九八式ならば鴨撃ちにしかならない気がしますね!
 ほんの少しだけ、ソ連の飛行機乗りに同情しちゃいます。

 ちなみに、ノモンハンとモンハンって似ていると思いませんか?








 ノモンハン上空


「なあ、俺たちがいままで乗ってた、九五式ってなんだったんだ?」

「さあ? 玩具だったんじゃね?」

「ああ、この九八式に乗ってしまえば、九五式が子供の玩具と思えてしまっても仕方がないよなぁ」

「そうだよな。こうして、無線も雑音が入らずに声が綺麗に聞こえるのもありがたい」

「お前の声はダミ声で綺麗じゃねーよ!」

「五月蝿い、大きなお世話だ! お前には言われたくないわい!」

「声が鮮明に聞こえるって言うんだよ。お馬鹿さん」

「馬鹿で悪かったな! 馬鹿で!」

「お前たち、お喋りはここまでだ! 右手下二時の方向、赤い星のお客さんだ!」

「見えました!」

「全機、二機編隊で突っ込むぞ! 二番機は一番機のカバーを忘れるなよ!」

「「「了解!」」」

「二機一組で、撃墜数も二人で頭割りかぁ」

「文句を言うな、文句を! 撃墜されて死ぬよりかはマシだろうよ!」

「まあ、そうなんですけど、この程度の相手では単独でも十分だと思いましてって、あらよっと! いっちょ殺りー!」

「今度は俺が前に出るぞ! って、おまえ! 上官の命令を無視するのか!?」

「あ、あ、む、無線が良く聞き取れ、ま、せん……」

「たくっ、しょうがねーなぁ…… 今夜は貴様の奢りな」

「えっ!? なんで、部下が上司に奢らなきゃならないんですか!」

「バーカ、ちゃんと無線聞こえてるじゃん」

「あばばばば、いまの取り消し!」

「あはは、ばっかじゃねーの」

「うん、馬鹿だ」

「アイツは脳味噌も運動神経に持っていかれてしまったんだろ」

「持っていかれてしまっただけに、イカレてるってか!」

「誰が上手いこと言えと……」

「俺は寒く感じたよ……」

「それにしても、弱いな」

「ああ、こうして余裕でお喋りができるほど弱いな」

「露助はウォッカの飲み過ぎで、きっとフラフラなんだよ」

「実際に敵は、フラフラと飛んでるし、それ冗談には聞こえないぞ?」

「隊長、どうします?」

「うーん、こりゃあ、二機で一組の意味がないな……」

「じゃあ!」

「今日だけだぞ? 新型や腕利きが相手の時は、絶対に許さんからな!」

「さっすがー! 隊長は話が分かりますね!」

「おだてても、今夜はお前の奢りは確定だがな」

「そんな殺生なー!」

「おまえら単独戦闘を許可する! イワンのバカを殺っちまえ!」

「「「おーーっ!!」」」

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