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宮様にTS転生したけど、第二次大戦が目前の日本で既に詰んでる気がする…… 作者:うるめいわし
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44話 桜子ですけど、パイロット養成のお値段は?


 1939年4月 群馬県 太田飛行場


「ふーむ……」

「速いな。250ノット近くは出ているのではないか?」

「正確には、244ノットでしょうか?」

「一昔前の戦闘機と変わらない程の速度と武装なのに、九一式航空魚雷まで積めるとは……」

「いや、艦攻なんだから、魚雷を搭載できなければ意味ないし」

「それもそうだったな」

「機首に装備した12.7mm機銃は、頼りになりそうだな」

「陸さんの九八式戦闘機と同じ発動機だから、同じことは可能だからな」

「プロペラも三枚で同じだし」

「陸助の真似というのが癪に障るけどな」

「だが、生存性が上がるのは喜ばしい」

「ああ、意固地になって機首に機銃を装備しなかったとなれば、艦攻乗りから殺されかねん」

「おまえ、殺されたいのか?」

「い、いや、そういうわけでは……」

「飛行機乗りは気が荒いのが多いからな」

「旧式の戦闘機が相手だったら、返り討ちに出来るんじゃないのか?」

「機動性もそれなりにあるから、可能かもな」

「どうです、我が社の試作機は?」

「いや、素晴らしいですな!」

「これは、戦闘攻撃機と言っても、けして過言ではないぞ」

「二年前に採用した九七艦攻が、もう陳腐化するのか……」

「大蔵省の連中に文句を言われそうだな」

「大蔵省よりも会計検査院の方が怖いよ……」

「だが、不適切な支出ではないぞ?」

「先見の明がないって嫌味は言われそうだがな」

「儲かるのは製造元のメーカーだけか」

「馬鹿! ドンが聞いているんだぞ!」

「中島大臣、失礼しました。思わず口が滑りました」

「はははっ、儲けさせて頂いてるのは事実ですから、気にしませんよ」

「それでも、高性能機はありがたい」

「それだけ、技術の進歩が早いんだよ」

「技術は日進月歩だからな」

「それもこれも、エンジンの高馬力のおかげですよ」

「やはり、発動機が一番重要だと?」

「そうなりますな。馬力があると、一馬力あたりが負担する重量が減りますからね」

「パワーウエイトレシオでしたかな?」

「ええ、それです。ですが、防弾装備を削って機体を軽くするのは愚の骨頂ですな」

「と、申しますと?」

「パイロットの養成に掛かる時間と費用を計算したら、むやみやたらに死なせる訳にはいかないのでは?」

「それは確かに、大臣がおっしゃる通りでしたな」

「軍には人命軽視の風潮を改めてもらわないと、戦争にでもなれば、帝国の人材は直ぐに枯渇してしまいますぞ」

「耳が痛いお話ですな……」

「ドンの話をお偉いさんや声だけ大きい連中にも聞かせてやりたいよ」

「はっ、それは違いない」

「これから更に、エンジンの馬力が上がれば、もっと飛行機を丈夫に作れますし、魚雷や爆弾の搭載量も増やせるようになりますよ」

「それは頼もしいですな」

「まあ、それも全ては、高出力のエンジンが作れるかどうか次第ですがね」

「我が国は、工業力が心許ないからなぁ」

「しかし、昔に比べたら、これでも少しはマシになってきたのですがね」

「そうでしょうね。その証拠が、いま飛んでいる十二試艦攻という訳ですな」

「ええ、そういうことです」





 中島 十二試艦上攻撃機 (仮)B6N 九九式艦上攻撃機

 エンジン 栄一二型 空冷複列星型14気筒
 遠心式スーパーチャージャー1段2速 1350馬力

 最大速度 452km/h/高度4000m
 航続距離 2600km(最大過荷重)/1250km(正規)
  全高  3.75m
  全長  10.42m
  全幅  15.15m 主翼折り畳み時、7.26m
 翼面積  37.8㎡
 翼面荷重 122.2kg/㎡
  自重  2780kg
 全備重量 4620kg
 上昇力  4000mまで7分18秒
 限界高度 8700m

  武装  機首12.7mm×2各350発 7.7mm旋回機銃×2各679発
  爆弾  800kg×1 または、500kg×1 または、250kg×2 または、60kg×8
  雷装  800kg魚雷×1

  乗員  3名





「そういえば、この前、藤宮様も科学技術の進歩を五月蝿いほど説いてたよな」

「そうだったな。でも、藤宮様ってまだ9歳の子供なんだが……」

「子供の言葉にしては、大人びている気もするがな」

「優秀な家庭教師でも付いてるんだろ?」

「それか、軍人か技術者の大人が言わせているのかも知れんな」

「まあ、なんにせよ、我々用兵側は、高性能の機体を受領出来れば文句はないよ」

「そりゃそうだ」





 藤宮様か……

 またぞろ、変なメモを渡してきたのだが、パイロットを一人養成するのに、ガソリンがドラム缶600本必要で、エンジンを二基潰すのは盲点であったな。
 それと、パイロットの人数が問題なのだ。万単位のパイロットを養成するだけで、一万トンのタンカーで、120隻や240隻分の航空ガソリンが必要になるなど、ワシには考えも及ばなかったわい。

 戦争になれば万単位のパイロットが必要になると、藤宮様は考えておられるのか?
 つまり、それだけパイロットが戦死するという事を予期していると!?

 それと、それだけのパイロットが必要という事は、それだけの航空機も必要になるという事だ。一つの飛行場に100機の航空機を駐機したとしても、一万機だと飛行場が百ヶ所も必要になるぞ?
 そんな数の飛行場は、現在の日本にはないのだ。損失等を鑑みて数値を減らしたとしても、半分程度の飛行場は必要であろうが、その半分の数の飛行場ですら、足りておらんのが現状なのだ。

 しかし、この先に起こるであろう、欧米列強との戦争では、万単位でパイロットが戦死する、そんなおぞましい戦争形態が待ち受けているとでもいうのか?
 日本が万単位のパイロットと航空機を必要とする相手など、アメリカ以外には考えられん!

 ということはだ、藤宮様はアメリカとの戦争を念頭に置いて、物事を考えておられるという事なのか? だが、藤宮様は、この前ドイツを非難していたよな? なのに、なぜアメリカなのだ?

 アメリカと戦争……?

 いや、十分に可能性としては、あり得るのか……


挿絵(By みてみん)


 まったくもって、こんな数字を見せつけられでもしたら、アホくさくて戦争なんかやってられんわい。
 だがしかし、こんな人間を数字で例えるような、おぞましいメモなんか見たくなかったというのが、偽りない本音ではあるのだがな。

 藤宮様は、完全に小娘の皮を被った別のナニかなのだろう……








 東京 秩父宮邸


 なんだ、この性能は……? 天山の劣化版でしょうかね?
 いや? 機首に12.7mm機銃が二丁装備されているので、自機の生存性は、天山に比べても高まっていますね。だから、劣化版とは一概には決めつけられないのかな?

 でもまあ、二年程度の技術のブレイクスルーですので、九八式戦闘機の時ほどのインパクトはありませんけれども。
 それでも、九七式艦上攻撃機が玩具に見えてしまう性能ですよね!
とりあえず、削除修正した部分を除いて原状回復! でも、ポイントは激減なんだろうなぁ。
まあ、自業自得だから仕方ないw

読者のみなさんには、大変お騒がせして申し訳ございませんでした。m(_ _)m
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