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宮様にTS転生したけど、第二次大戦が目前の日本で既に詰んでる気がする…… 作者:うるめいわし
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43話 あー、てすてす……


 1939年3月 東京 宮城きゅうじょう(皇居)


「陛下、最近の藤宮様の政治的な発言は、些か度を越してはいませんでしょうか?」

「あっそう、いいんじゃないかな?」

「よ、よろしいので?」

「よろしいもなにも、桜子ちゃんのすることだしね。きっと大丈夫だよ」

「大丈夫でしょうか……」

「我が国を誤った方向へと進めるような発言でもすれば、さすがに叱るけど、いままでの桜子ちゃんの発言は、良い方向へと転がっているでしょ?」

「それは確かに、陛下が仰せの通りなのですが……」

「僕に言わせれば、最近のドイツの行いの方が目に余ると思うなぁ」

「だから、藤宮様の政治的な発言を黙認すると仰いますか?」

「寛容さや博愛の精神を説くのが、政治的な発言とまでは思えないけどなぁ」

「しかし、君臨すれど統治せず。これが陛下のお考えだったのではありませんか?」

「理想はそうだね。それに、僕が発言した訳ではないよ」

「しかし、陛下ではなくても、皇族が政治的な発言をして物議をかもすのは、あまりよろしくはないのでは?」

「桜子ちゃんは、子供だから許される言葉もあるんじゃないかなぁ」

「しかし、皇族に累が及ぶ可能性も……」

「いちいちそんな事を言ってたら、伏見宮も閑院宮も総長を辞めなければいけなくなるよ」

「それとこれとは、話が違うように思われますが……」

「そうかな? 宮様を神輿にして、自分たちの都合の良いように振る舞いたいだけじゃないのかい?」

「もう少し、臣下を信じて頂けたら幸いにございます」

「臣下を信じて任せた結果が、満州事変なのだが? 国際社会からの孤立に、国際連盟からの脱退、これをどう考えれば良いのだ?」

「そ、それは……」

「幸いにも、その国際的な孤立も軍部の専横も、桜子ちゃんのおかげで、だいぶ改善されたので助かったよね」

「それは、確かに助かりましたけど……」

「臣下だけに任せていたのであれば、我が国は今頃、支那かソ連と戦争にでもなっていたかも知れないよね? 下手をしたら、イギリスやアメリカとも戦争になっていたかも知れません」

「それは、些か大袈裟ではありませんか?」

「可能性を否定するのは、思考の停止ですよ。考えるのを放棄して、いたずらに精神論を振りかざすのは子供でも出来ます」

「起こってもいない出来事に対しては、なんとお答えすれば良いのか、些か戸惑います」

「つまり、無能が国の舵取りをすれば、国が傾くんだよ」

「……」





 後日、宇佐美侍従武官長、更迭。








 東京 秩父宮邸


【ドイツがダンツィヒの割譲を要求するも、ポーランドは拒否! 独波は一触即発か?】


 史実では、この時のポーランドに対してのドイツの対応は、チェコなんかと比べれば随分と穏当な要求の仕方で、ドイツがかなりポーランドに譲歩していた気がしましたね。
 反共反ソ連で、独ポ同盟とかも考えていたとかいなかったとか……


【ドイツがリトアニアのクライペダ(メーメル)を併合!】


 まあ、メーメルは元々、ドイツの領土でしたし、住んでいる住民の大半もドイツ系ですので、チェコ併合よりかは、まだ多少は、ドイツの筋が通る気がしますね。
 それに、リトアニアも、第一次世界大戦後に国際管理地域に指定されていた、メーメルに侵攻して無理矢理に分捕ったのですから、目くそ鼻くそとも言えるのかも知れません。

 しかし、ここまでが、ドイツにとってのボーナスステージであって、ここからは、無血での領土拡張政策は取れません。いままで戦争にならなかったのが不思議なくらいに、ドイツの無血での領土拡張は神憑ってましたよね。
 まあ、英仏によるドイツへの宥和政策のおかげではあったのですが。でも、宥和政策で時間を稼いだ英仏は、戦争への準備も最低限整ってきたはずだと期待しましょう。

 ……フランスの準備は、かなり怪しい気もしますけど。マジノ線を、要塞を過信しすぎているのでしょうかね?


【ハンガリーがスロバキアに侵攻!】


 最近のハンガリーさんは、ヒャッハーしすぎでしょう。


【スペイン内戦、マドリッドが陥落! 事実上の内戦終結か?】


 これは、史実と同じみたいですね。


【ドイツの調停によって、ハンガリー=スロバキア戦争が終結! スロバキア南部をハンガリーに割譲!】


 ホルティさんおめ。ティソさんご愁傷様でした。








 東京 日本放送協会


『あー、てすてす……

 大日本帝国臣民の皆様、ごきげんよう。
 ちゃんと見えてますかー? 藤宮桜子でございます。

 この、私が映っている機械は、テレビジョンとかいう技術なんですって!
 このテレビジョンを使った放送で、来年の東京オリンピックと札幌冬季オリンピックのスポーツ競技が、現地の会場に行けない人でも見れちゃうのです!

 いやー、凄いですよね! 良い時代になったと思います。
 科学技術の進歩は、国民一人一人の生活を豊かにしてくれるはずだと、藤宮桜子は思います。

 科学技術が進歩すれば、未来ではもしかしたら、電話も個人個人が専用で持つ移動しながら使える携帯電話、そんな夢のような電話も実用化されているかも知れませんよね?

 東京と大阪を三時間も掛からないで結ぶ、弾丸列車も可能かも知れません。
 青森と北海道もトンネルで繋がっているかも知れません。

 日本と欧州や日本とアメリカが、無着陸で一日も掛からずに、飛行機で行けるようになるかも知れません。
 地球の裏側の人と、このテレビみたいな機械を使って、お話ができるようになるかも知れません。

 いままで不治の病とされていた病気も、治るようになるかも知れません。
 人類が地球を飛び出して、宇宙に行けるようになるかも知れません。

 それが、科学技術の進歩というモノなのだと思います!
 つまり、科学技術の進歩なくして、帝国の発展はありえません。

 将来的には、このテレビも値段が下がって、一家に一台、テレビがある時代もやってくるでしょうから、みなさん楽しみに待っててください!』

『以上、藤宮内親王殿下による、テレビジョンの試験放送でした』





 なんで、私はアイドルみたいな事をやらされているのでしょうかね?

 解せぬ……

 でも、科学技術の啓蒙が出来たので、良しとしますか!

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