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宮様にTS転生したけど、第二次大戦が目前の日本で既に詰んでる気がする…… 作者:うるめいわし
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34話 ダルマさん引退


 1938年6月


 ダルマさんこと高橋是清さんが、高齢の為に総理大臣を辞任しました。

 二・二七事件のゴタゴタした後始末やら、色々な面で目処が付いたと判断したのでしょう。ここいらで身を引いて、後進に道を譲るのが適当だと思ったのかも知れませんね。
 二年もの間、老体に鞭打って日本の為に頑張ってくれましたので、ご苦労さまでしたと労ってあげたいと思います。

 高橋是清は、嘉永7年の生まれですから、1854年ということになります。つまり、ペリー来航の翌年の生まれだなんて、バリバリの江戸時代の生まれということになります。
 幕末の動乱から明治維新に掛けての、激動の時代を肌で経験している世代が、この時代ではまだ生きているのですよ。みんな老人だけどね。

 前世の私からすれば、江戸時代なんてそれこそ、歴史の中の出来事でしかなかったのですけど、逆行して戦前の昭和に転生してみると、まだ辛うじて江戸時代の息吹が感じられるのです。
 江戸時代から生き残っている人も、まだ大勢いますしね。

 それで、ダルマさんの後任はといいますと、お公家さんでした…… そのお公家さんの名前はといいますと、近衛文麿公爵とかいうらしいですよ?
 史実よりも、一年遅れての近衛内閣の誕生であります。

 この混迷極まるご時勢に、お坊ちゃまの近衛文麿で大丈夫なのでしょうか?
 少し、いや、かなり心配になるのですけど、嫌気が差して投げ出さないことを祈りましょう…… いや? 早期に投げ出してもらって、後任で有能な人が総理になって貰った方が、その方が日本の為には良いのかも知れません。

 近衛文麿は公家の分際で、なんで政治家なんか目指したのでしょうかね? って、公家は元々政治家だったよ……

 それはそうと、近衛文麿と言えば、ゾルゲ事件です! リヒャルト・ゾルゲと、尾崎秀美を冤罪でも何でもいいから捕まえないと! それとも、泳がしておいて、ガセネタを掴ませておいた方がメリットがあるのかな?
 私の頭では、名案が浮かんできませんので、お父様に相談してみましょうかね?





 近衛内閣、閣僚名簿


  総理大臣 近衛文麿

  大蔵大臣 賀屋興宣

  外務大臣 広田弘毅

  駐英
  全権大使 吉田茂
  駐米
  全権大使 堀内謙介
  駐独
  全権大使 東郷茂徳
  駐ソ
  全権大使 重光葵

  内務大臣 河原田稼吉

  司法大臣 塩野季彦

  文部大臣 平生釟三郎

  商工大臣 吉野信次

  農林大臣 有馬頼寧(留)

  逓信大臣 永井柳太郎

  鉄道大臣 中島知久平

  拓務大臣 結城豊太郎

  厚生大臣 木戸幸一

  内閣
  書記官長 石渡荘太郎

  陸軍大臣 畑俊六
   次官  梅津美治郎
  軍務局長 後宮淳
 航空本部長 東久邇宮稔彦王

  参謀総長 閑院宮載仁親王
   次長  多田駿
  作戦
  第一部長 石原莞爾

  教育総監 西尾寿造

  海軍大臣 米内光政
   次官  山本五十六
  軍務局長 井上成美
 艦政本部長 上田宗重
 航空本部長 及川古志郎

 軍令部総長 伏見宮博恭王
   次長  古賀峯一

 連合艦隊
  司令長官 吉田善吾





 ふむ。相変わらず大臣は知らない人が多すぎて、誰が誰だが分からん。でも、陸海軍の主要なポストは、ほぼ知っている顔ぶればかりみたいですね。

 外務大臣が吉田茂から、広田弘毅に交代してますね。彼は岡田内閣でも外相を務めていましたので、再登板ということになります。
 日本にとって、英国との友好関係が重要度を増していますので、吉田茂は駐英特命全権大使に横滑りとなりました。けして、降格人事ではないと思います。

 まあ、大臣から大使だと、降格のような気がしないでもないのですけど、大臣の上のポストなんてありませんし、吉田茂は外交官なのですから、貴族院の議員とかをやらせるよりは、大使をやらせる方が的確な人事だと思いますね。

 それと、中島知久平さんが、鉄道大臣で初入閣を果たしました。おめでとうございます! お祝いに花でも贈っておきましょうかね?

 時間的余裕とかがあれば、知久平さんにお願いして、鉄道の線路を1067mmの狭軌から、1435mmの標準軌に軌間を変更したかったのですけど、そんな時間的余裕は無さそうなのが残念であります。
 タイミングとしては、関東大震災の復興のドサクサとか、大恐慌の煽りで不況にあえぐ国内経済のカンフル剤として、公共工事としての、標準軌改変工事は有効だったと思うのですよ。

 そうすれば、戦車の重量や横幅の制限も緩和されたでしょうから、もっと大きくて丈夫な戦車が作れたはずなんですよね? もう、『装甲がへこんじゃう』などとは、言わせない!
 まあ、エンジンの問題とかもありますので、一概には言えないのかも知れませんが。

 標準軌にすれば、貨物、物流も、もう少し楽になったような気もするのです。コンテナも大きくできますしね!
 といいますか、コンテナを使った物流システムが、この時代では、まだなかったのでした…… ダメじゃん!

 もっとも、戦車やコンテナにしても、港湾の荷揚げ能力、つまり、クレーンの能力も底上げしないとダメな気もしますね。
 17トンか18トン制限なんて、クレーンが貧弱すぎるんじゃー!

 だけど、関東大震災は、まだ私が生まれる前でしたし、大恐慌後の不況も、私が前世の記憶を取り戻す前の赤ちゃんでしたので、これらは無理な注文でしたね。
 最低でも、あと20年早く生まれたかったよ…… まあ、言っても詮無きことだとは理解しているのですけど、前世の記憶があるから、愚痴りたくもなるのですよね。

 それはともかく、

 内務省から社会局と衛生局が分離して、新たに厚生省が設置されましたか。

 内務省は、未来でいうところの、警察庁、国家公安委員会、消防庁、自治省、北海道開発庁、総務庁、厚生省、労働省、社会保険庁、建設省、海上保安庁、神社本庁など、これらを兼ね備えた巨大省庁だったのです。
 過去には、鉄道や気象庁、国土地理院みたいなのも内務省の管轄だったのですから、未来人であった私には、ちょっと想像も付かない規模ですよね。こんなにも分野が違う省庁を、一つに纏めているのは無理がある気がしますね。

 巨大省庁に膨れ上がってましたので、分割されるのはやむを得ないのかも知れません。分割した方がポストも余分に増えるしね!
 大臣に成りたがっている御仁が順番待ちしているのは、過去も現在も未来も変わらない、普遍的な日常のようですしね。

 海軍は、米内光政が海軍大臣に就任して、次官が山本五十六で、軍務局長が井上成美ですか。海軍左派トリオや海軍左派三羽ガラスとか呼ばれている、三人が揃い踏みですね。これは確か、史実と同じポストだったと思います。
 でも、米内光政は、アカとまでは思わないけど、ソ連の息が掛かっている可能性を否定できないのが、多少、心配なんだよなぁ。

 史実では、日中戦争に於いて陸軍の増派を主張したり、トラウトマン工作を拒否したりと、陸軍以上にタカ派的に振る舞って、日中戦争を拡大させた張本人の一人でしたしね。
 意外かも知れませんけど、現場の跳ねっ返りはともかくとして、陸軍の上層部の大部分は、日中戦争は不拡大を望んでいたのですよ。それを、米内光政がおじゃんにしたということで、私の中では、米内光政の評価は低いのです。

 米内光政は、二度のロシア駐在で、ロシア美女に誑し込まれてしまったのでしょうか? あと、ウオッカで頭がやられてしまってたとか? 無類の酒と女好きとして有名だったみたいでしたしね。

 井上成美は、頭が切れすぎしまった天才肌の学者さんでしょうか? 自分の頭が良すぎるから、自分のレベルに付いて来られない周囲の人間が馬鹿に見えてくるので、口も悪くなるのかも知れませんね。
 つまり、敵を作りやすいタイプと言えるのでしょう。

 山本五十六は、語るまでもありませんよね? 軍神(笑)ですから。

 そう考えると、この海軍の自称良識トリオ、左派三羽ガラスは、癖が強すぎる連中の集まりのような気がしますね。

 もっとも、井上成美に関しては、私も評価している人物なのですよ。残念ながら、彼は学者さんなので、艦隊の司令長官には向いてませんがね! この点に関しては、伏見宮総長の認識は正しかったと思います。
 海軍の高級軍人として、艦隊司令に向いてないのは、それってどうなのよ? そう、思わなくもないですけど、軍政家としては、米内光政や山本五十六よりも、個人的には上の気がします。

 それと、第一次近衛内閣の内閣書記官長だったはずの、風見章。この人もソ連シンパで、日中戦争を拡大させる方向へと誘導した可能性が、極めて高い人物だったはずですけど、その内閣書記官長が、史実と違いますね。
 石渡荘太郎さんとかいう人が、内閣書記官長に就任しています。どんな人なんでしょうかね? 仮面ライダーの原作者でしょうか?

 陸軍は、畑俊六が大臣に就任しましたか。史実の第一次近衛内閣の陸軍大臣は、杉山元だったはずでしたので、陸軍は改革が続行しているとみて良いのでしょう。
 ちなみに、前陸軍大臣であった、松井石根さんは予備役陸軍大将でしたので、そのまま引退しました。次官であった、永田鉄山は近衛師団長に栄転しています。 ……栄転でいいんだよね?

 それはさておき、一つだけ言えることは……








 食い逃げ解散をやらかした、何も銑十郎内閣なんて、どこにもなかった!

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