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宮様にTS転生したけど、第二次大戦が目前の日本で既に詰んでる気がする…… 作者:うるめいわし
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10話 アンソニー・イーデンですが私の目の前に人を食った何かがいます


 高橋是清内閣、閣僚名簿


  総理大臣 高橋是清

  大蔵大臣 高橋是清

  外務大臣 吉田茂

  内務大臣 川崎卓吉→潮恵之輔

  司法大臣 林頼三郎

  文部大臣 松浦鎮次郎

  商工大臣 小川郷太郎

  農林大臣 有馬頼寧

  逓信大臣 頼母木桂吉

  鉄道大臣 前田米蔵

  拓務大臣 永田秀次郎

  陸軍大臣 松井石根
   次官  永田鉄山
  軍務局長 磯谷廉介
 航空本部長 畑俊六

  参謀総長 閑院宮載仁親王
   次長  西尾寿造
  作戦課長 石原莞爾

  教育総監 渡辺錠太郎

  海軍大臣 永野修身
   次官  長谷川清
  軍務局長 豊田副武
 艦政本部長 百武源吾
 航空本部長 山本五十六

 軍令部総長 伏見宮博恭王
   次長  嶋田繁太郎

 連合艦隊
  司令長官 高橋三吉





 ふむ。知らない人が多すぎて、誰が誰だが分からん。
 史実の広田内閣と違うのは、ダルマさんの首相兼蔵相と外相が吉田茂というところかな? あとは知らん。

 でもまあ、陸軍大臣には、予備役から松井石根を捻じ込めたのは僥倖でしょう。
 永田鉄山が陸軍次官というのも、匠の技がキラリと光る一石でしょうか?

 これで、軍部大臣現役武官制の復活は阻止できそうで、良かった良かった。

 バカヤローだか腹切り問答だかで、内閣が崩壊するのを一応は防げそうですしね。








 1936年4月 イギリス ロンドン


「では、貴国の希望としては、我が大英帝国との再度の同盟を希望すると申すのですな?」


 日本は膨張政策から、欧米との協調外交へと方針転換をしたというのか?
 もっとも、日本側からしてみれば、日英同盟を存続させたがっていた人間の割合が多かったのだから、このような内容の話が出てきても別におかしなことではないのだが。

 しかし、以前に結んでいた日本との同盟は、アメリカの圧力もあったにしても、日本との同盟が我が国にとっては、メリットよりもデメリットが上回ると判断したから、同盟を解消したのだ。
 それをいまさら、英日同盟の復活といってもな……

 だが、英日同盟を解消したことによって、日本の手綱を放してしまったことのデメリットが大きかったのも事実だったな。
 ということはだ。一応は、この話の内容を聞く価値があるということか。


「仮に同盟を結べなかったとしても、最低でも我が大日本帝国は、貴国の、大英帝国の陣営側での、好意的な中立を確保しておきたいのです」

「ふーむ……」


 これは逆に言えば、日本の申し出を、いま我が国に差し出している日本の手を振り払ったら、敵に回る可能性に含みを持たせているということか。
 日本を敵に回せば、東南アジアの植民地の防衛に割く労力が増大するから、日本を敵に回すのは、出来得る限り避けたいのが本音ではあるのだが。


「我が国は、昨今の情勢下に於いて、再度の欧州大戦の勃発を憂慮してやみません」

「うーむ…… 欧州がきな臭いのは事実ですな」


 しかし、日本は欧州に直接の利害関係はないはずだが?
 言い換えれば、間接的な利害関係はあるということか。

 だが、吉田外相の言う事ももっともだな。確かに、我々の民主主義とドイツやイタリアの全体主義は相容れない。また、ソ連の共産主義とも我々の資本主義は相容れないのだから。
 これらの国と戦争になる確率は、フランスと戦争になる確率よりも遥かに高いであろう。

 もっとも、フランスはフランスで、いけ好かないカエル野郎なのだが。
 あの、お高く留まったカエル食いどもの顔ときたら、鼻持ちならない!

 カタツムリも食べるしな。

 奴等の傲慢さには、きっとゲテモノ食いが関係しているのであろうよ。
 質素なブリテンの飯を見習えば、その鼻持ちならない姿勢も少しはマシになるというのに。

 今度、ハギスでも食わしてやろうか?


「先の大戦での講和は、第二ラウンド開始までの休戦期間でしかありません」

「吉田外相は、ドイツが復讐戦を挑んでくるとお考えで?」

「ベルサイユ条約でドイツをいじめ過ぎましたからなぁ」

「フランスが、がめつ過ぎましたな」


 まあ、我が国も日本もドイツの植民地を奪っているので、フランスのことばかり、とやかく言えない気もするのだが。
 しかし、自国を棚に上げてこそ、栄光ある英国紳士というものなのだからな。


「その結果が、ドイツでの国粋主義や極右勢力の台頭ということです。そして、とどめとばかりに、」

「アメリカ発の世界大恐慌からのブロック経済ですな」


 少しは先読みして言葉を紡がないと、若造と侮られて舐められるからな。
 この程度のことは、相手の言葉に被せることは必要だろう。


「左様です」

「国粋主義者と極右勢力の集まりが、国家社会主義ドイツ労働党ということか……」

「先の大戦での戦勝国が、ナチスを生み出す下地を作ったといっても過言ではないでしょう」

「日本の言葉で言えば、因果応報でしたかな?」

「よくご存知で」


 これぐらいは知らなければ、栄光ある大英帝国の外相は務まらん。
 いくら若造と陰で呼ばれようが、私がこの若さで外務大臣を任されているのは、それなりの理由があるのだよ。


「そして、過激思想のナチスドイツは、先の大戦で奪われたエルザス・ロートリンゲンや、その他の故地を奪い返しに来る可能性が高い、と」

「まず最初に、オーストリアを合併もしくは併合でしょう」

「オーストリアはハンガリーとの二重帝国を解消させられて、ドイツ民族だけの国家になりましたから、ドイツとオーストリアの合併はしやすいでしょうな」


 しかし、これはなんだ?

 大英帝国と大日本帝国の外務大臣同士の会見にしては、生臭すぎる話の内容な気がするのだが?
 お互いに外相に就任してから日が浅いし、吉田外相に至っては就任して初めての外遊ときたもんだ。

 まあ、最初の訪問国に我が国を選んだのは、光栄ではあるのだが。

 日本人の習性的に、もっと社交辞令的な当たり障りのない話に終始して、お茶を濁すとばかり思っていたのが、ふたを開けてみれば、おぞましい何かが出て来たではないか!

 この吉田茂という人物は、飄々とした態度を崩さないのに、人を食ったような物言いで手強い人間だ。
 私も気を引き締めて臨まねば、食われるかも知れん。

 しかし、この知的遊戯こそ、政治家と外交官の特権よ。

 掛かっているのが国の命運でなければ、もっと楽しめるのではあるのだがな。


「民族自決の大原則からいって、ドイツ民族の合併には文句を付けられません」

「それはそうでしょうな」


 横槍を入れれば、それこそ欧州のあちらこちらで、民族問題が火を噴きかねん。
 我が国も北アイルランドとアイルランドの問題があるのだから、オーストリアの問題は静観するしかないであろう。


「その次は、チェコのズデーテンラントでしょうな」

「あそこも、住んでいるのはドイツ人が多い地域でしたか」

「チェコスロバキア政府はズデーテンの割譲は認めないと言いたいところですが……」

「ドイツの圧力に屈して割譲せざるを得ない、と?」


 これでは、まるで近いうちに本当に起こり得る未来みたいではないか。
 あり得そうな状況なのが、頭痛の種なのがまた……


「それは、貴国とフランスやイタリアのスタンスも重要になってくるかと」

「チェコの味方をするのかドイツの肩を持つのかということですか」

「そこまでで、ドイツが止まれば良いのですがね」


 ナチスドイツの膨張政策が止まらなければ、それこそ戦争だ。しかし、


「止まるのを想像できないのですが……?」

「そうなれば、戦争ですなぁ」

「はぁ~、そうなるでしょうな……」


 いま思えば、先の大戦でフランスと組んだのは、間違いのような気がしてきたな。
 しかしそれを言ったら、ビスマルクを罷免したヴィルヘルム2世まで遡ることになるし、更に遡って普仏戦争での因縁や、更にナポレオンの時代と……

 そう考えると、ドイツとフランスは戦争ばかりしてるな。
 欧州大陸は戦争の歴史とは言い得て妙かな。

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